ドングリはとてもかわいらしくて見ているだけで楽しくなりますね。写真1のようにトトロを作って飾るのもいいですね。宮崎駿監督の映画「となりのトトロ」の中で、トトロがサツキとメイに贈ったドングリが大きくなって森に成長する場面があります。ドングリに大木になる力が秘められているというのは驚きですね。私たち「トトロの森をつくる会」は、このようなドングリに秘められた力を生かした健全な森づくりを目的として活動している小さなボランティア団体です。 もし、人間が一切その土地の植物に手を加えなければ、何百年もすると、その土地本来の木(潜在自然植生)が育って森になります。その土地の潜在自然植生を知るには、近くにある古い神社の鎮守の森の植生を調べます。新潟県の海岸沿いの平野部の潜在自然植生は、シイ・タブ・カシ類などの照葉樹林です。この土地本来の木は、防火、防風、土砂崩れ防止等に役立ちます。実際には関東大震災や阪神大震災で、公園や屋敷に残っていたアラカシやクスノキなどの土地本来の木が、火災や地震から人々の命や建物を守りました。 私たち「トトロの森をつくる会」では、今ある杉林の間伐・枝打ち・下草刈りを進めると共に、シイ・タブ・カシ類などの種子の採取や苗木の育成、植樹等の活動を進め、針葉樹と広葉樹が共生する健全な森づくりを模索しています。(写真2) 採取してきたドングリは、まず虫を追い出すために、一日水に浸けそれを植木鉢などに浅く植え、上から落ち葉やわらなどをかぶせておきます。2年位経って苗木に成長したら、植樹します。2・3年は草刈りなどの管理が必要ですが、それ以後は自然に成長していきます。 私たちの団体は、平成十三年から活動を始め、今年で9年目になりますが、杉林の間伐や枝打ちが徐々に進み、林内が明るくなり、その中や周辺に広葉樹が育ってきています。また、タブやアカガシ、ウラジロガシ等の苗木が三百本ほど育ち、植樹されるのを待っています。将来は「にいがた緑の百年物語糸魚川支部」と協力して、公共施設の庭、高速道路や新幹線の高架橋沿線、海岸線、公園等への植樹活動を進めていきたいと考えています。 「トトロの森をつくる会」 写真1 ドングリで作ったトトロの人形 写真2 下草刈りの様子 |