あらすじ



時は大正、処は岡山。
真夏の貧乏長屋の軒先にて、竹刀を振る藤田五郎。
その容姿、肌色白く長髪。
立派な髭をピンとたくわえるも、声高く此童顔。
まるで娘の様であった。
左様、五郎最大の不覚は女顔。
齢四十になるも、髭ある町娘の如き容姿。
友であり医者の八木功は、顔をからかいながらも興味津々。
不老不死の研究に使えまいか?と日々観察される始末。
まさに、憤怒する五郎!

そんなある日、五郎の想い人であり、功の妹のさくらが、離縁により故郷へ戻って来る。
オット、ときめく五郎!
更に、我が子の如き可愛い甥の正太が、志願兵となりて勇みシベリアへ出兵す。
心のすきま風、複雑なり五郎!

明るき日々に影が落ち、人生黄昏、悲哀色。
命短し、恋せよ五郎。

神話の時代を忘れし世界、今一度人代に神代が重なりて、いざ詩おう、いざ舞おう、奇譚浪漫大正時代。
想いは、一陣の風となれ!

日本古来の神話、古事記を題材に、大正ロマンの薫り漂う舞台へ、皆様を誘います。