富士通 FMV-6000CL2

FMV-6000CL2は2002年4月に発表されたビジネスパソコンである。
2001年10月、Microsoft社が新OSであるWindows XPをリリースし、パソコン業界に新たな風を吹かせた。
その時に登場した富士通の省スペース型マシンがFMV-6000CLで、
Intel PentiumIII 1.20GHz/1.13GHz/1B GHz/933MHzを搭載したXP対応マシンであった。
この時、高性能CPUであるIntel Pentium4プロセッサーを搭載していたのは
タワー型のFMV-7000TX、スリムタワー型のFMV-7000FLのみで、
省スペース型のCLシリーズは閉鎖的な筐体の設計上、
Intel Pentium4プロセッサの発熱を処理できるものではなく、
搭載可能CPUはIntel PentiumIIIプロセッサ止まりであった。
 
しかし、日本の狭いオフィス環境では省スペース型マシンが多く望まれており、
スリム・小型で処理能力の高いビジネスパソコンが要求された。
 
富士通は省スペース型のCLシリーズでも
発熱量がIntel PentiumIIIよりも高いIntel Pentium4を搭載できるよう、
CLシリーズのモデルチェンジを行い、
2002年4月、新たに発表されたのがFMV-7000CL2であった。
(実際の出荷は6月以降)
FMV-7000CL2は発熱が高いIntel Pentium4プロセッサを効率よく排熱させるため、
筐体内部のエアフロー構造を大きく設計変更し、
それまで閉鎖的であった筐体カバーは通風口が開けられるようになった。
こうしてFMVのビジネスパソコンも省スペース型であるにも関わらず
高性能なIntel Pentium4プロセッサが搭載された。
また、FMV-7000CL2は新たな規格を取り入れた新世代マシンで、
USB2.0端子を搭載し、メモリも従来のSDRAM(PC133)からDDR-SDRAM(PC2100)を採用。
省スペース型にも関わらず大きなスペックアップを実現した。
 
だが、導入コストを考えた際、
FMV-7000CL2は必ずしも導入すべき性能ではなかった。
 
そこで富士通はローコストマシンとしてFMV-7000CL2と同時に発表したのがFMV-6000CL2であった。
FMV-6000CL2は設計の古いFMV-6000CLと同じ筐体を採用し、閉鎖的な筐体であった。
しかし、搭載CPUがIntel Celeronプロセッサのみで、排熱処理は十分であった。
新たに搭載されるIntel CeleronプロセッサはL2キャッシュを従来の128KBを256KBに増強。
事務的な作業においては十分なパフォーマンスを得る事が出来た。
 
2002年10月、富士通はFMVビジネスモデルのラインナップを更新。
省スペース型の「CL」シリーズは「C」シリーズに変更され、
「C」シリーズの筐体はFMV-7000CL2をベースに開発され、FMV-C600/300が登場する。
これにより、閉鎖的で古い設計のFMV-6000CL筐体は廃止され、
エアフロー重視設計の時代が訪れる。

FMV-6000CL2本体前面。
 
FMV-C610/620とインターフェイス類の配置が似ている。
特徴的なのがイヤホン・マイク端子の上に内蔵されている
アナログ式のボリュームダイヤル。
 
コレはフロントのイヤホンを接続した時に使用するもので、
背面接続のスピーカーには使えない。

FMV-6000CL2本体背面。
 
富士通のビジネスパソコンでは馴染み深い
サービスコンセントが内蔵されている。
 
また、デジタル表示のDVI端子を内蔵している。
 
古い設計のマシンだが、
各端子類が色分けされているので、
誰でも見分けられるよう配慮されている。

FMV-6000CL2本体側面右側。
 
富士通では2001年よりマシンの廃棄時に有害となる
六価クロムを使用しないクロムフリー鋼板を
筐体に使用し、環境への配慮に取り組んでいる。

FMV-6000Cl2本体側面左側。
 
最近のパソコンはCPUの高性能化に伴い
エアフロー構造改善のため
筐体側面に通風口が開けられている。
 
だが、このFMV-6000CL2の筐体は設計が古い為、
かなり閉鎖的なつくりとなっている。
 
採用されるCPUが
Intel Celeron 1A GHz/1.20GHz/1.30GHzであるため、
この筐体でも十分な冷却が可能。

FMV-6000CL2本体上面。
 
天板も通風口が無い。
埃に関してはかなり強いマシンと言える。

FMV-6000CL2本体底面。
 
縦置きスタンドのネジ穴があるのみ。
このマシンを中古で手に入れた時は
本体のみであったため、
縦置きスタンドは所有していない。

FMV-6000CL2の前面インターフェイス。
 
前面USB端子は埃防止のため、カバーが備えられている。
規格は1.1のため、USBメモリの転送速度は落ちる。
 
また、FDDとUSB端子の間にはカスタムメイドにより
ICチップ内蔵スマートカードを読み込ませる為の
カードリーダが搭載される。

主な排熱機構。
 
閉鎖的な設計のFMV-6000CL2で
唯一熱が排される箇所はこの電源装置のファン。
 
Intel Celeronプロセッサの熱量では
十分な排熱機構だ。

やはり時代遅れな設計の筐体であるため、
筐体カバーの開放にはネジを外す必要がある。
 
この時の富士通製ビジネスパソコンで
工具不要で筐体を開けられるのは
一部機種のみで、
競合他社(特にNEC)と比べかなり遅れていた。

FMV-6000CL2内部。
 
FMV-C610/620と部品レイアウトが似ている。
しかし、設計の古さゆえにネジの使用本数がかなり多く、
量産効率も当時はかなり悪かったと思われる。
 
その分、堅牢なつくりになっており、
ビジネスマシンとしての頑丈さを感じ取れる。

PCIユニット。
 
FMV-C610/620ではワンタッチで
簡単に取り外す事が出来たが、
このFMV-6000CL2は
実に4本のネジで固定されている上、
写真の様に金具で固定されている。
 
 

本体の両サイドを
橋のように架けている固定用部品。
 
コレもやはりネジで固定されており、
このパーツを外さないとメモリの増設がし難い。
 
また、CDドライブ・FDD・HDDが収められている
ユニットを取り外す際も
このパーツを取る必要がある。

FMV-6000CL2本体前面カバー取り外し時。
 
CDドライブ・FDD・HDDを収納しているベースユニットを
取るにはネジを外す必要がある。

ベースユニットを外したところ。
 
FMV-C610/620の基となったのか、
やはり部品レイアウトが似ている。

ドライブ類。
 
全てのドライブはベースユニットに
ネジで固定されている。
 
丁寧に作られている印象は受けるが、
やはり生産効率は悪かったと言えよう。

フロントパネル。
 
コレもカラーバリエーションが存在し
交換することも可能。
 
ただし、中古でも流通量が少ない。
 
ちなみに、このアクセントカラーパネルも
ネジで固定されている。

電源スイッチ。
 
富士通はスプリングタイプの電源スイッチが多い。
 
耐久性が高いので、
プラスチックの弾力性を活用した
安物のスイッチとはワケが違う。

FMV-6000CL2 管理人所有品構成
FMV-6000CL2 管理人所有品構成

富士通 FMV-6000CL2
 
OS:Winndows 2000 Professional SP4
CPU:Intel Celeron 1A GHz
チップセット:Intel 815EG
メモリ:384MB(SDRAM PC133 256MB+128MB)
HDD:40GB
ドライブ:CD-ROMドライブ、FDD
USB1.1:×4(前:2、背面:2)
 
 
 
製造年月は管理シールが剥がれているため不明。
 
製造は富士通のデスクトップPC国内製造拠点
福島県「富士通アイソッテク」


Last updated: 2008/3/19