そして2003年10月、FMV-C600/601の後継マシンとして登場したのがFMV-C610である。
FMV-C610はFMV-C600/601の反省を踏まえ設計を見直し、以下の様な改良がされている。
1、筐体内部の設計を変更し、さらなる排熱処理機能を実現。
高性能なIntel Pentium4プロセッサー 3GHz/2.60C GHz/2.66GHzを搭載しながらも、
人のささやき声と言われる30dBよりも静かな23dBという静音性を可能にした。
2、FMV-C600/601の反省点でもあったインターフェイス類を充実。
フロントのマイク・イヤホン端子の追加と、USB2.0端子を前面:2個、背面:4個に増設。
3、競合他社が先駆けて採用していたツールフリーの筐体カバー開放を取り入れ、
内部アクセスが容易となり、メンテナンス性と内部パーツ増設性が向上。
FMV-C610はFMV-C600/601よりもさらなる性能向上も果たし、
チップセットはIntel 865GVを搭載。
LANもそれまで100BASE-TXまでだったのを1000BASE-Tに向上した。
こうしてFMV-C610は完成度の高いビジネスパソコンとして多くの企業に採用される事となる。
2004年5月にFMV-C610のマイナーチェンジモデルであるFMV-C620が登場。
搭載CPUをIntel Pentium4プロセッサー 3E GHz/2.80E GHz/2.80GHzに変更。
メインメモリ共有のビデオメモリを64MBから96MBへ向上させた。
FMV-C610はNorthwoodコアのPentium4を採用してきたが、
FMV-C620はPrescottコアのPentium4 3E GHz/2.80E GHzと
Northwoodコアの2.80GHzを採用。
PrescottコアCPUは消費電力・発熱が高い事で知られている。
FMV-C610/620は優れた使い易さ・静音排熱処理設計の完成度が高いマシンでるため、
筐体のモデルチェンジはされず、富士通はこの発熱処理をより向上させるため、
2004年10月に登場したFMV-C630は本体側面のCPUの通風口の面積を広げている。
しかし、2005年4月にFMVビジネスモデルの新たな主力として
5インチベイを搭載した省スペース型の「D」シリーズがラインナップに加わり、
スリムベイの「C」シリーズは下位機種に位置づけされる。
そして2006年1月のラインナップに
FMV-C610/620ベースの最終後継機FMV-C5200が最後の掲載となり、
2006年4月のラインナップからは「C」シリーズは廃止され、
以後「D」シリーズがFMVビジネスパソコンの完全なる主力となった。
だが、FMV-C610/620は今日の富士通ビジネスパソコンのコンセプトである
数字的性能には現れない、“使い易さ”“思いやり”重視の機能的デザインの先駆けとも言えよう。
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