うたわれるものSS

「ユズハの一日」







暖かい日。

こんな日はお庭で日向ぼっこが1番です。

アルちゃんとカミュっちは森の方までハチの巣を取りに行っています。

だから私はお庭でムックルに寄りかかって日向ぼっこをしています。

今日も平和です。




エルルゥ「またつまみ食いしましたねーーー!!!」



オボロ「いかん!!逃げろクロウ!!」



クロウ「おうよ!!若大将!!」



エルルゥ「待ちなさーーーい!!!」




本当に、平和です。




ハクオロ「ん?ユズハか。

     こんな所で何をやっているんだい?」




少しぼーっとしていると、ハクオロ様が来ました。

目が見えない私には、ハクオロ様がどんなお顔をしているのかわかりませんが、

皆さん好かれる程ですからよっぽど凛々しいのでしょう。




ユズハ「日向ぼっこをしていました。

    今日は暖かくて良い気持ちです。」



ハクオロ「そうだな。

     確かに暖かくて気持ち良いな。」




ハクオロ様が私の隣に座りました。

・・・・ちょっとドキドキしてきました。




ハクオロ「どうでもいいが、最近エルルゥのやつはオボロやクロウにも怒鳴りつけるようになったなぁ。」



ユズハ「それだけ心配してるのですよ。」



ハクオロ「・・・・心配とは違う気が・・・・・。」




そうなんでしょうか?

確か以前エルルゥ様にアルちゃんをあまり叱らないで欲しいと言ったら、




エルルゥ「私はアルルゥが心配だから、アルルゥにちゃんとした大人になってほしいから叱るんだよ。」




そう言ってました。

お兄様やクロウ様は違うのでしょうか?

よくわかりません




ハクオロ「そう言えばアルルゥ達はどこへ行ったんだ?」



ユズハ「アルちゃん達は森までハチの巣を取りに行きました。」



ハクオロ「・・・・・またか。

     元気なのはいいが、あまり危ない事はして欲しくないな。」



ユズハ「大丈夫ですよ。

    アルちゃん達は強いですから。」



ハクオロ「・・・・それも違う気が。」



ユズハ「そう言えばハクオロ様、

    今日のお仕事はもう終わったのですか?」



ハクオロ「ああ、今日は珍しく少なくてな、いつもの半分の時間で終わった。

     だから最近あまり遊んでなかったからユズハ達と遊ぼうかなと思ってな。」




やはりハクオロ様は優しいです。

仕事でお疲れの所、私達の所へ来てくださるなんて。




ハクオロ「さて、ここで日向ぼっこもいいが、

     どこかへ行かないか?」



ユズハ「え?どこかへですか?」



ハクオロ「ああ。アルルゥ達も誘うおうとしたんだが、いないのなら仕方がない。」




・・・と言う事は、

ハクオロ様と二人きりですか?

・・・・ちょっと嬉しいです。




ユズハ「でもハクオロ様、どちらへ行くのですか?」



ハクオロ「近くに河原があるのだが、そこへ行ってみないか?」



ユズハ「はい。」



















水の匂い・・・・・・

川のせせらぎ・・・・・・

鳥のさえずり・・・・・・・

木々のざわめき・・・・・・・

色んな音があって、それでいて静かで、

風も心地よく、日差しも暖かい。

気がつけば手にはすずめが・・・・・。

気持ち良い・・・・




ハクオロ「どうだ?ここは静かで気分が落ち着くだろう?」



ユズハ「はい。

    とても静かで、心地よくて、すごく心が暖まります。」



ハクオロ「そうか、そう言ってもらえると誘ったかいがあると言うものだ。」




とても気持ち良くて・・・・なんだか・・・・眠くなってきました。

体中の力が抜けてきて、ちょっと眠っちゃいましょう。




ハクオロ「おっ!おい・・・ユズハ?」




ハクオロ様が何かおっしゃってますが、ユズハは眠いです。




ハクオロ「ふぅ、まあいいか。」




ハクオロ様のお許しがでたので眠る事にしました。

それにしても、何か頭に柔らかいものがあります・・・・・・。









・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・ん・・・・んぅ・・・・・

・・・・・・・・・・・・・あれ?




ハクオロ「おっ、起きたか?」



ユズハ「ハクオロ様?私は・・・・・」



ハクオロ「ここに着いたら寝てしまったんだよ。

     すごく気持ち良さそうだったぞ。」




ちょっと恥ずかしいです。

ハクオロ様と2人きりなのに寝てしまうなんて、




ユズハ「ハクオロ様、退屈ではなかったですか?」



ハクオロ「ん?そんな事はないぞ。

     ここは心地いいし、

     なにより、ユズハが気持ち良く眠っている顔も見れたしな。」




体中の血液が顔に集まってくるのがわかります。

すごく恥ずかしいです。

でも、すごく嬉しいです。

あれ?そう言えば私、どうやって寝ているのでしょう?

頭には何か柔らかいものが敷かれていますが。

これは、もしかして・・・・・。




ユズハ「あの・・・ハクオロ様、この・・・・頭にあるのは?」



ハクオロ「ん?ああ、私の膝だ。

    ユズハが突然私の方に倒れこむから最初は驚いたぞ。

    貧血でも起こしたのかと思ったら寝ているのだからな。」




うう、やっぱり。

さっきからユズハの顔は真っ赤になりっぱなしです。

でも、ハクオロ様の膝枕・・・・・

暖かくて気持ちいいです。

もう少し、このままで・・・・・。




アルルゥ「ユズっちーー。」



カミュ「ユズっちーーーーー!!」



ハクオロ「ん?アルルゥとカミュかな?」



ユズハ「そうみたいですね。」



カミュ「ああーー!!ユズっちおじさまに膝枕してもらってるーー!

    いいなぁ〜。」



アルルゥ「う〜〜。」



ハクオロ「お、おいおい・・・・。」



カミュ「ユズっち、気持ちいい?」



ユズハ「はい、とても暖かくて気持ち良いです。」



アルル「う〜〜、アルルゥも。」



ハクオロ「もうそろそろ日が傾いてきたから、また今度な。」



アルルゥ「う〜〜じゃおんぶ。」



ハクオロ「はいはい。

     どうしたんだ?いつもより甘えん坊だな。」



アルルゥ「ユズっちばっかりずるい・・・・。」



ユズハ「ごめんね、アルちゃん。」



アルルゥ「ユズっちのせいじゃない。」



ハクオロ「・・・・・じゃあ私のせいか?」




この後、皆で仲良く帰りました。

家の前ではエルルゥ様とウルト様が出迎えてくれました。




ふみ。




オボロ「ぎゃあああーーーー!!!」




あれ?今何か踏んだような?




カミュ「ユズっちユズっち、オボロ兄さま踏んでる。」



ユズハ「えっ?お兄様?

    そんな所で何をしてるんですか?」



オボロ「・・・・・・・」



ユズハ「お兄様?」



ハクオロ「・・・・・エルルゥ。」



エルルゥ「あ・・あはははは・・・・・・すいません。」



ユズハ「????」



カミュ「オボロ兄さまも可愛そうに。」



ハクオロ「いや、こいつの場合は自業自得だ。

     ・・・・まぁやりすぎだとは思うが。」



エルルゥ「うう、すみません。」



アルルゥ「オボロボロボロ。」









家に入り、皆でお夕食です。

以前ユズハは一人で食べていましたが、ここに来てからは皆で食べるようになりました。

賑やかで、とても楽しいです。




オボロ「てめぇクロウ!!俺の狙っていたおかずを取りやがって!!」



クロウ「ふん、隙だらけなのが悪いんじゃねえか若大将。」



オボロ「なんだとぉ!!」



カルラ「あら、そう言う事なら私が。」




ヒュンッ!!!




オボロ&クロウ「「ああーーーーー!!!!」」




カルラ「エルルゥが作る料理はおいしいわね。」



エルルゥ「あ・・ありがとうございます。」



オボロ「こんの野郎!!」



カミュ「わわっ!剣なんて抜かないで!!」



ベナウィ「・・・・・・・・」



ハクオロ「・・・・ベナウィ、いいのか?」



ベナウィ「止めても無駄だと言うのは聖上もわかっておられるのでは?」



ハクオロ「・・・・・そうだな。」




とっても楽しいです。









お食事が終わって今度はお風呂です。

実は少し前までお風呂に入るという習慣はありませんでした。

ですが、ハクオロ様がお風呂に入りたいとおっしゃり、お風呂を急遽作らせたそうです。

私達は体はお湯を手ぬぐいで拭くだけでしたから、初めてお風呂に入った時はすごく感激しました。

それ以来私達は眠る前にお風呂に入る事にしました。




エルルゥ「うう・・・・。」



カミュ「エルルゥ姉さま、どうしたの?」



エルルゥ「カミュちゃん・・・・・いいえ、何でもないのよ。」



カミュ「??」



アルルゥ「・・・・・哀れ。」



エルルゥ「何ですってーーー!!!」



アルルゥ「きゃっほい。」



エルルゥ「待ちなさいアルルゥ!!」




どうやらエルルゥ様がアルちゃんとおっかけっこをしているようです。

2人ともすごく楽しそうです。




トウカ「・・・・どうせ、某なんか・・・・某なんか・・・・・。」



ウルト「・・・・・・・」



カルラ「あらあらトウカさん、そんな事がありましたの。」




あちらはお酒を飲んでいるようです。

お酒が入るとウルト様は無言になり、トウカ様は愚痴を言うそうです。

カルラ様は変わらないそうですが、

愚痴ってなんでしょう?









ふぅ、お風呂に入ってさっぱりしました。

湯冷めをしないうちに寝ましょう。




ハクオロ「ん?ユズハ、風呂に入った後か?」



ユズハ「あ、ハクオロ様、そうです。」



ハクオロ「そっか、湯冷めしないうちに寝るんだぞ。」



ユズハ「はい。おやすみなさい、ハクオロ様。」



ハクオロ「ああ、おやすみ。」




・・・・・・・

眠る前にハクオロ様と話せて少し幸せです。















エルルゥ「失礼いたします。」




エルルゥ様が丁寧な言葉遣いで玉座に来る。

ハクオロ様のお話では、最近のエルルゥ様は作法を学ばれたそうです。

最初の頃はひどかったそうです。

今では立派にこなしているそうですが、時々手と足が同時に出るそうです。




エルルゥ「本日のご報告をします。

     先日の大嵐のため、家屋等が半壊した所多数。

     修理のための人員を要請がきております。」



ハクオロ「そうか。すぐにでも人員の補充を。

     手があいている者、仕事を後回しにできる者をただちに派遣させてくれ。」



ベナウィ「かしこまりました。」



エルルゥ「次に、『お姉ちゃんが胸が・・・胸が・・・とうなされていた、哀れ。』との事、

     ・・・・・ってなにこれ!?」



ハクオロ「ぶっ!!」



エルルゥ「ア〜ル〜ルゥ〜〜!!!

     またこんなイタズラしてぇ!!!」



アルルゥ「あぅ!?」



エルルゥ「待ちなさい!!」



ベナウィ「では、これにて散会します。

     皆さん、本日も頑張って下さい。」




『いやぁ、今朝も賑やかでしたなぁ。』



『私などあれがないと1日が始まった気がしなくて。』



『エルルゥ様は胸の事でお悩みですか。』



『婦女子なら誰もが悩む所ですな。』



オボロ「はっはっは!!家中にも心配されているのか!!」



エルルゥ「オ〜ボ〜ロ〜さ〜ん〜〜・・・・・。」



オボロ「えっ・・・・・・・

    あ・・あああああああああああーーーーーーーーーーー!!!!!!!」




今日も1日賑やかになりそうです。

ユズハは、今日も幸せです。












〜あとがき〜

どうも、D.Tです。

今回はtaiさんのホームページ開設のためのSSを書かせてもらいました。

まぁ、なんと言うか短いですね(汗)

個人的にユズハは好きなほうなのですんなり書けました。

でも、ちょっと口調が違うような気がしますけどそこらへんは勘弁して下さい。

それでは、taiさん、ホームページ開設おめでとうございます。

D.T’s ROOM管理人のD.Tでした。