其ノ拾「運命の風を越えて」



 デュダンラル市長の宣言から数時間が経過したが、世界各国の反応は鈍かった。

 内容が理解できないため困惑している感が強く、どちらかというと世界中にホログラフィを展開した現象の方に興味が向けられているといった状態だ。

 日本政府の反応も同様に鈍く、地方の町に突如として浮かび上がった謎の巨大物体に対し、現状で攻撃性は見受けられないことから、とりあえず調査隊の派遣を決定したぐらいである。現場到着には数時間を要するだろう。

 風音市の警察も、住民を風音神社に近づけないように周辺を封鎖しただけで、巨大物体に近づこうとはしない。調査隊が到着するまでは動かないよう通達を受けているからだ。

 そんな風音神社の敷地内に、風音学園の制服に身を包んだ月代彩が立っていた。

 周囲に結界を張ったので警察や住民に気付かれる事はなく、これからどれだけ暴れる事態になっても影響は出ないことになる。

 彩は具現化した神刀を手にすると、顔を引き締めて一歩を踏み出す。

 巨大物体――神木要塞から、翼を生やした異形が無数に現れたのを視認し、刀を構えた。



 神木要塞<ハスター>執務室。

「やれやれ、彩君にも困ったものだ……私はこれが人類存亡をかけた最後の防衛策だと確かに宣告した筈だがね。永遠の世界平和実現を阻もうとするのであれば、管理者といえども排除するのは致し方あるまい」

 玉座の上では、群青色の光球が淡い輝きを放出していた。



「八十禍日神招来!!」

 神刀から解き放たれた漆黒の炎が、翼を生やした異形――神木の力で生み出されたガーディアン・バイアクヘーの群れを瞬く間に焼き尽くしてゆく。

 しかし異形の数は想像以上に多く、いかに強化アイテムで能力を増幅させていても多勢に無勢の差は大きい。彩は徐々に追い込まれ、身体のあちこちに傷を負い始めた。

「やはり、一人ではきついですね」

 目元に流れた血を空いた方の手で拭い、苦笑を浮かべる。

 タイムリミットはあと一時間あるかないか。それまでに市長の元に辿り着き、<神風>の開放をなんとしても阻止しないといけない。ここで負けるわけにはいかないのだ。

 気を引き締めて、よろめく足を踏み留まらせたときである。彩に向かって飛来してきた多数のバイアクヘーが、その中心で突如巻き起こった爆発で粉微塵に吹き飛んだ。

「これは……上位の古代魔法、ブローニング・フロア? すると、まさか」

 仰いだ視線の先に、イギリス貴族風スタイルをした金髪碧眼の男が立っていた。

「久しぶりだな彩嬢。儀によって助太刀してやろう」

「貴方は確かジョージ・デッカー。……まだ日本にいたんですか?」

「ノンノンノン。あの後、聖地秋葉原で一ヶ月ほど滞在し、性知識のバリエーションをたらふく仕入れてアメリカへ帰国した。今ここに来たのは、マイちゃんの力によるものだ」

「マイトゥナが――」

「危ないですぅ、前を見やがれですぅーーーーーーー!」

 甲高い一声に二人がハッと振り返ると、ガーディアンの群れが再び眼前まで迫っていた。

 直後、地中から盛り上がった緑の樹木がその突進を遮り、跳ね飛ばされた異形たちが綺麗な装飾の施されたハサミらしきもので真っ二つに切り裂かれる。

「庭師の如雨露と鋏……翠星石、蒼星石!?」

 人工精霊スィドリームとレンピカを伴わせた、オッドアイの姉妹人形。

 立て続けの救援に息つく間もなく、翼を生やした異形たちを掻き分けるようにして、巨人のごとき異形が爛々とした両眼を光らせて現れた。

 蒼星石が俊敏な動作で跳躍し、鋏を振るって素早い対応を見せるが、巨体に傷をつけることはできずに歯噛みして飛び退く。

「っ……固い!」

 異形の巨人は、バイアクへーよりも強靭なガーディアン・イタカであった。

「こら、なにやってるですかヘタレ! 蒼星石がピンチです、早くなんとかするですぅ!」

「足元で怒鳴るな! 言われなくても分かってるっての!」

 へタレ呼ばわりされた青年、翠星石と蒼星石のミーディアムにしてマスターである鳴海孝之は、目を閉じて必死に意識を集中した。右手に嵌めた薔薇の指輪が強く輝き、姉妹人形の全身がそれぞれ翠と蒼のオーラに包まれる。

「いくですぅ!」

 翠星石の如雨露から放出した水は、たちまち緑の樹木と化して異形の巨体を絡め取り、

「はああっ!」

 蒼星石が渾身の気合を込めて振るった鋏は、今度こそイタカの胴を両断した。

 彩はそんな彼女たちに、驚きを隠せないながらも、お礼の言葉をかける。

「ありがとう、助かりました。でも、貴方たちまでどうしてここに……」

「独りで抱え込んで突っ走る、お馬鹿なチビ女に一言物申さずにはいられなかっただけですぅ」

「照れ隠しだってこと、彩さんには分かりますよね」

「そ、蒼星石! なに余計なことを口走っているですかっ」

 真っ赤になってそっぽを向く翠星石の横で、蒼星石は穏やかに微笑した。

 孝之の恋人である涼宮遙を助け、蒼星石と仲直りするきっかけを作ってくれたことへの恩返しなのだろうと、彩はなんとなくそう感じた。

「とにかく、一人でなんでもかんでも背負いやがるなですぅ! 本当に大事な時に助けを求められる相手がいるなら、遠慮なく頼るのが筋ってもんです」

「そうですね……うっ!」

 微笑みかけた彩の顔が苦痛に歪んだ。全身の傷は決して浅くない。

 そこへ、黒マントを羽織ったアッシュブロンドの髪の少女が駆け寄ってきた。

「アイシアさん? 貴方まで……」

「んん〜〜〜、えーーーーーーいっ!」

 気合を込めた両手がかざされると、彩の傷が一瞬にして塞がった。

 これには驚きを隠せない彩だったが、治癒した当人が一番驚いているらしく、「や、やった!」とガッツポーズまで飛び出す有様だ。

「魔法が上達したんですね、アイシアさん」

「さくらさんが、ようやく私を認めてくれたんです」

 軽い感嘆を伴った言葉に、小さな魔法使い見習いは歓びに頬を染めた。

「さて、我々が援護するから彩嬢はあの馬鹿でかい要塞に突入をかけたまえ。まごまごしている時間はないのだろう?」

「はい、ありがとうございま…………っ!!」

 孝之とアイシア以外の全員が異変を察知した。神木要塞の中央付近からパラポラアンテナのようなものがせり出し、そこから凄まじい力の上昇を感じたのだ。

 そして、対処しようもない範囲の圧倒的な波動が彩たちに向けて放出された。

 もはやこれまでかと誰もが思った瞬間、ダッシュで石段を駆け上がってきた人影が、迫り来る波動の前に飛び出した。

 すると、凄まじい威力を誇る波動の全てが、その人影に吸い込まれて消えたのである。

「なんとか間に合ったようだな」

「ま、真さん!」

 爽やかに振り返った青年は、丘野真その人だった。その能力は、力を吸収する力。自分に向けられたあらゆる特殊な力を吸収無効化する。

「ひなたもいるよーっ」

 石段を駆け上がって鳥居を抜けてきた丘野ひなたが、向日葵のような笑顔で手を振った。

「お仲間がたくさんです! これなら何とかなりそうですね」

「いや、どうやらそう簡単にはいかせてくれんらしい」

 喜色満面のアイシアに対し、冷静な表情で空中に浮かぶ神木要塞を見やるジョージ。

 同じく見上げる面々で納得の表情を見せたのは、彩と姉妹人形だけだ。

「これは……障壁ですね。それも厄介な事に、地球そのものを属性とした障壁です。こんなものを可能にするなんて、流石は風の神の力」

 畏怖を伴った彩の声音。近づいてみて分かったが、神木要塞は障壁に覆われていた。それを理解して顔色を変えたのは、例によってジョージと姉妹人形である。

「あー、もう、何がどう厄介なのか、私たちにも分かるように説明してください!」

 我慢できなくなったアイシアが、眉をつり上げて孝之と丘野兄妹の気持ちを代弁した。

「簡単に言うと、この星に属する存在の力では障壁を破る事はできないということです」

 唖然とした顔になるアイシア他数名。どうやって障壁を破るか頭を悩ませる彩たちだが、急を要する事態ではなかなか頭が回らない。ガーディアンの数も徐々に増え始めており、余談を許さない状況だった。

「それなら私たちにまかせて!」

 そう言っていきなり現れたのは赤い髪と青い髪の小さな女の子二人。

 彩は一拍置いて思い出したが、アイシアは見た瞬間に目をキラキラ輝かせた。

「今こそフォーチュンプリンセスに! ルーチェでルン! フォーチュレット! プロミネンス・フォーチュンプリンセス・ドレスアップ!」

 星の小瓶に溜めたプロミンを使い、フォーチュンプリンセスに変身するファインとレイン。いつの間にか彼女たちはレベルアップしていたのだ。

「トゥインクル・フォーチュン・ブルーミッシュ! お願い、行く手を開いて!」

 ロイヤルサニーロッドから放出されたプロミネンスの光が、瞬く間に障壁に丸い穴を開けたどころか、そのまま神木要塞の下腹部に入り口まで作り上げたではないか。

 湧き上がる歓声。ふしぎ星の住人であるファインとレインは、地球に属する人間ではないので障壁を破る事が出来たのだ。無論プロミネンスの力あってのものであるが。

「本当にありがとう、皆さん」

 一同を振り返り、彩は心から感謝の意をこめた眼差しを向けて口元を緩ませた。

 ひなたがそっと彼女のそばに歩を進める。

「みなもお姉ちゃんはきっとあの中にいるんだよね」

 彩は無言で頷いた。

「彩ちゃん、みなもお姉ちゃんを助けて。ひなた、彩ちゃんとみなもお姉ちゃんに伝えたいことがあるから、だから、絶対に二人で帰ってきて!」

「……わかりました、約束します」

 絡まる小指。僅かな視線の交錯のあと、指切りは成された。

 そしてひなたは、彩の背中に回って華奢な腰を両手で抱え、天高く跳躍した。

「ひなた、じゃーーーーーーーーーーーーーーーーーんぷ!!!」

 障壁に開いた穴近くまで上昇したとき、ひなたは抱えた少女の身体を放り上げる。障壁を抜けた彩は空中でトンボを切り、放物線を描いて要塞に開いた入り口へ着地してのけた。

 豆粒ほどの大きさになった仲間たちを見下ろし、

「いってきます」

 決意をこめて呟くと、神木要塞<ハスター>の内部へ駆け出した。




 喫茶店「one day」

「さあわかば、今日のメニューは?」

「桜田のりさん特製・花丸ハンバーグですわ、望ちゃん」

「うわあ、ハンバーグの上に花マル型の目玉焼きが……美味しそう〜」

「それじゃあ階段の方に行きますわよ」

「……どうして?」

「花丸ハンバーグを食べるには、階段を挟んでの攻防戦を経験しないといけないの」

「まさに戦争ね――って、そんなわけないでしょーーーーーーーーーーーッ!!」




 内部のガーディアンは思った以上に少なく、彩は最小限の戦闘で要塞の中心を目指す。心の影を取り戻した彼女は<神風>のエネルギーを感知できるのだ。

 やがて広間といっても差し支えない幅広の通路に到着し、そして、予期していたとおりの人物が前方に立っていた。

 腰まで届く薄桃色の髪に、澄んだエメラルドグリーンの双眸。

「貴方が市長と手を組んでいたなんて思いませんでした……アスリエルさん」

 おそらくは夏祭りの時もどこかに潜んでいたのだろう。彩が馬呑吐に勝てる見込みがない故に、<社>に気付かれないように加勢するつもりだったに違いない。

「何故、市長の目的に加担するような真似を」

「DESTINY WINDが発動すれば、地球全土が風の神の夢に包まれます。そうなったら、戦争を始めとした大きな争いや衝突、人の倫理を度外視した行為の一切が世界から永久に無くなるんです」

「貴方のような人間が造られるという事もなくなる――そういうわけですか」

「……だから、私はあなたの前に立ちはだかるの。それを阻止されたくないから」

 アスリエルは本気だ。彩は何としても彼女をやり過ごしてここを突破する覚悟を決めた。

 まともに戦ってもアスリエルには絶対に勝てない。彼女は純粋体のカサフを基に、優秀な能力者だった男女の精子と卵子を使用して、人工授精で造られたオリジナルの模造カサフ。

 純粋体には遠く及ばないが、それでも馬呑吐や闇といった恐るべき化物をも上回る力を有する。そんな存在を相手に彩が勝つのは不可能に近いし、何よりもう時間がない。

 タイムリミットはせいぜい残り二十分。

「いきますよ」

 神刀を八双に構えた彩の身体がぼやけ、残像を伴って無数に分身し、そのまま様々な位置と角度から一斉に飛び出した。

 通常なら分身殺法として攻撃に使用するが、この場合はもちろん撹乱突破が目的だ。僅かでも惑わすことができれば、その隙に全速力で駆け抜けられる。

 アスリエルは手の平に透明色の光球を発生させ、表情一つ変えずに右手を一振りした。

 一瞬で分身は掻き消され、彩は苦鳴をあげながらもんどりうって床に転がった。

 強力な防御アイテムを重ねがけしたおかげで致命傷は免れたが、すぐには動けない程の傷を腹部に受けたため、次の攻撃は防御も回避もできそうにない。

「う……ぐ……ここで終わるわけには……」

 必死に上体を起こす彩を見下ろすアスリエルの顔は、勝ち誇った歓喜の微笑でもなく、敗者を蔑む嘲笑でもなく、ただ翳の落ちた無言の憐憫。

 透明色の光球が再び手の平に浮かんだ瞬間、死角から桜色の閃光が迸った。

「っ?」

 即座に右手を一閃して閃光を打ち消すアスリエル。続けざまに飛来した光の帯をバックステップで躱した彼女の目に映ったのは、空色の瞳をした金髪ツインテールの少女だった。

「あなたはもしかして……芳乃媼の孫娘」

「――さくらだよ。会うのはこれが初めてだね、アスリエル・ヤーン」

 初音島の魔法使い、芳乃さくら。アイシアと同じデザインの黒マントを羽織っているが、魔法使いとしての正装であるらしい。

「さくら……」

「彩ちゃんと会うのは半年ぶりかな。こんな一大事にボクを除け者にするなんて、友達だと思ってたのに、ちょっと傷ついちゃったなぁ」

「……誰が友達ですか」

「いくら芳乃媼の孫娘でも、邪魔をするなら容赦はしません」

 澄んだ声で淡々と告げるアスリエルに、さくらも落ち着いた相を崩さない。

「君にタイマンで決闘を申し込むほどボクは馬鹿じゃないよ」

 その言葉に合わせるように、床に腰を落としたままの彩を治癒魔法の燐光が包み込んだ。

 それがさくらの魔法ではないことに気付き、彩は一瞬怪訝な顔をしたが、

「この魔力……まさか、マイトゥナ!?」

「ピンポーン♪ 危ないところだったわねー、ひかりん。間一髪セーフって感じ?」

 なめらかな緑の髪のツインテールをした少女の名はマイトゥナ。齢九百を数える魔女で、彩とは数百年来の旧知の間柄。また、さくらの祖母やリオ・フセスラフとは親友同士だったこともあり、さくらとアスリエルとも知り合いであった。

「いやあ、しっかしビックリ仰天したわよ。<ろんどん>でテレビ見ながら紅茶飲んでたら、いきなり電波ジャックも真っ青な手段であの演説でしょ? それで、いくらホップの呪文でもイギリスから日本へひとっ飛びってわけにはいかないから、貴重な魔術品を使う羽目になっちゃったわ。ちょうどジョージが里帰りに来てたから、手伝ってもらって一緒に転移したってわけ」

 ちなみに<ろんどん>とは、マイトゥナがイギリスのロンドンで経営しているホテル名である。

「それにしてもあたしを含めて、また見事に身長百五十センチ以下の幼児体型ロリ少女が揃い踏みしたものよね。こんな状況でもなかったらお茶会したいところなんだけどなあ」

「饒舌なのは相変わらずだね、マイちゃん」

「ひかりんならともかく、さくらんぼにそれを言われたくないわよ」

 苦笑しながら手をぱたぱたさせると、マイトゥナは幾分か真面目な顔で薄桃色の髪の少女を振り返った。

「アスやん、お久しぶり〜。ちょっと見ないうちに随分と分の悪い賭けに出たもんね」

「マイトゥナ……二人がかりなら何とかなると思っているんですか」

 ちらりとさくらを一瞥するアスリエル。彼女にとって彩は眼中にも入っていない。

「勝てるとは思わないけど、足止めには十分でしょ。それならさくらんぼと共闘する価値アリアリよ」

「…………」

「無言は肯定の証ってね。ちょっとお喋りしすぎちゃったかしら――ひかりん!」

 行かせまいと瞬時に動くアスリエルだが、マイトゥナとさくらの魔法がそれを阻む。心の中で二人に感謝しながら、彩は後ろを振り返ることなく通路の奥へと走り出した。

「……彩さんは発動前の<神風>を停止させる手段を持っている。でもその方法は……それを分かっていて行かせるのね、マイトゥナ、さくらさん」

「彩ちゃんは頑固だからね……ボクとしても非常に不本意なんだけど」

「すべてが良い方向におさまる結果を信じるしかないのよ。大体こんな事態になる原因を作ったアスやんが言えたことじゃないでしょ!」

「それもそうですね」

 自嘲めいた笑みを浮かべるアスリエル。そして三者は戦闘態勢に入った。




 自動ドアを抜けた先は、神木要塞<ハスター>の中心部である執務室だった。ついに目的の場所に辿り着き、肩で息をしながら足を踏み入れる彩。

 天窓から差し込む茜色の光が室内を鮮やかに照らしていた。外は既に夕焼けだ。

 後ろ向きの玉座がくるりと半回転すると、ギルバート・デュランダルはすっと腰を上げて立ち、彩を正面から見据えた。

「ようこそ彩君、よくもここまで来たものだ」

「私ひとりの力ではありません」

「だろうね。そうでなければアスリエルが君をここまで通すわけがない」

 彩が神刀を具現化させるのを目にし、デュランダル市長は穏やかな笑みを濃くした。

「見たまえ、完全に一つになった<神風>の姿を」

 天井に浮かぶ、淡い輝きを放つ光球。よく見るとその光球の中には人間の姿があった。

 瞳を閉じ、胎児の様に身体を丸めて浮かんでいる全裸の少女。

「みなもさん――――!!」

 思わず目を見開いた彩の絶叫が、オレンジに染まる室内に木霊した――


 (続く)



 其ノ拾「運命の風を越えて」ゲスト

 芳乃さくら

 マイトゥナ

 出典:D.C. 機械仕掛けのマリアン