ピンポーン。
香里が呼び鈴を鳴らす。
するとすぐに玄関をあけ、一人の女性が出てきた。
名雪と同じ青い髪を束ねている温和そうな女性。
外見は20代の半ば頃、浮かべている微笑は見るものを穏やかにする。
名雪の母であり、祐一の叔母である水瀬秋子である。
驚くべきことに、祐一の知る10年前から容姿が殆ど変化していないが、神威もそうであったので祐一はさほど不審に思わなかった。
「こんにちは秋子さん。じつはこの人が……」
「お久しぶりです、祐一さん。すっかり逞しくなりましたね」
「「!!」」
秋子の言葉は祐一と香里を硬直させるには十分すぎるものだった。
永久の螺旋を断ち切る者
第2話
微笑みの再会
「ど、どういうことですか、秋子さん!?」
香里が、普段の彼女を知る者が見れば驚愕の表情を浮かべたであろう程の狼狽を露にして叫ぶ。
だが、彼女にとっても秋子の言葉は衝撃だったのだ。
香里は名雪の親友である、それにあゆや舞など、他の祐一の幼馴染たちとも親しい。
だからこそ、だからこそ彼女達の悲しみを知っていた。
十年前と言う、彼女達の人生の半分以上前の昔に死んだと言われていた彼女達の幼馴染、相沢祐一。
彼の死は今なお彼女達の心に深く残っていた。
その彼が生きていた、それは香里にとっても喜ばしいことだった。
しかし、彼が生きていたと言うことを秋子が知っていたというなら、知っていて隠していたと言うのなら、それは香里にとっても許されることではなかった。
「あら。香里ちゃんと一緒だったんですか? 何処であったんです?」
香里とは対照的に、こちらは完全に常の態度である。
「百花屋というところで、じゃなくて!」
祐一もそのペースに呑まれそうになるが、慌てて叫ぶ。
「ええ。分かってますよ。何故私が祐一さんが生きていると言うことを知っていたか、ですね?」
コクコク。
祐一と香里は揃って首を壊れた人形の様に縦に振った。
「それを話すのは、名雪とあゆちゃんと真琴が帰ってきて、舞ちゃんを呼んでからにしましょう」
「それはいいですけど……あれっ? 秋子さん」
祐一としては別にそれで良かったが、秋子の言葉に気になる点があったためその事を聞く。
「なんですか?」
「真琴って、俺が拾ってきた狐の真琴ですよね?」
「そうですよ」
「あいつに聞かせてどうするんですか?」
真琴、祐一の記憶では祐一が子供の頃に怪我をしていたのを見つけ、秋子達に黙って(のつもりだったが実際にはばれていた)育てていた狐である。
家に連れ帰って翌日には名雪にばれ、続いてあゆ、舞、最終的には秋子達に公に露見することとなり、結局水瀬家の飼い狐に収まったはずだった。
ちなみに真琴という名前は、祐一の実家に近くに住んでいた年上の少女から貰ったものだ(本人に断りなし)。
確かに祐一にとって思い出深い存在ではあるが、わざわざ呼んで話を聞かせるというのも変な話である。
「あら、相沢君知らなかったの?」
「なにを?」
香里がさも意外そうな表情で聞いてくるが、祐一には何のことだか分からない。
「彼女は妖狐よ」
【妖狐】
言うまでも無く魔力を持った狐のことである。
人化の術を用い、本来の狐の姿から人の姿へと変化する。
魔物と分類するか亜人種(獣人)と分類するかで、専門家の間で論議されている。
半島中の様々なところに生息していて、カノンの近くにあるものみの丘もその一つである。
御伽噺には九本の尻尾を持った大妖狐が、時の権力者に取り入って世を騒がせたと言う言い伝えがあるが、現在の妖狐族は至って温厚な種族である。
ちなみに人との交配は不可能とされている。
「……マジですか?」
真琴をただの狐だと思っていた祐一は心の底から驚いた。
思わず間抜けな顔になる。
もしこの場に神威がいたならば、頭を小突かれていただろう(もっとも神威の小突きは常人の本気のパンチ以上だが)。
「はい。真琴はものみの丘に住む妖狐の一族です」
「全然知らなかった」
「私達も始めて知った時は驚きましたよ。さあ、話はコレくらいにして、どうぞあがってください。みんなを呼びますから。香里ちゃんはどうします?」
秋子の問いかけに、しかし香里は首を横に振る。
本音を言うと香里も聞きたかったのだが、込み入った話を知り合って間もない自分が聞くのもまずいだろうと思ったのだ。
それに、百花屋に置いて来てしまった名雪のことも気になった。
こうなったら一刻も早く、おそらくはまだイチゴサンデーを食べているであろう彼女を家に帰さなければならなかった。
「私はいいです。家に帰るついでに名雪に伝えておきますね。多分まだ百花屋にいると思いますから」
「ありがとうございます。じゃあお願いしますね」
「さようなら、秋子さん」
「またな、香里」
香里は百花屋へと向かい、祐一と秋子は水瀬家の中へと入った。
秋子の入れた絶品と言っていいコーヒーを飲みながら取りとめの無い話をする事数十分。
突然勢いよく玄関が開けられ、複数の足音が近づいてきた。
足音は祐一と秋子のいる部屋の前まで来て、そしてその扉も開いた。
「「「ゆ、祐一(君)が生きてたって本当(なの)!?」」」
部屋に飛び込んできたのは三人の少女。
一人は小柄で頭にカチューシャをし、天子の羽のついたリュックを背負っている。
一人は髪をツインテールにしていて活発そうな印象を受ける。
もう一人は女性としては長身で、黒い髪を伸ばした落ち着いた容貌である。
言うまでも無く月宮あゆ、沢渡真琴、川澄舞である。
「あらあら、3人一緒だったの?」
「うん!」
「一緒に遊んでたの」
「ぽんぽこたぬきさん……今はそんなこと言ってる場合じゃない……祐一はどこ?」
秋子の言葉に当初の目的を忘れるが、唯一冷静だった舞により秋子に問う。
「そ、そうだったよ!」
「あう〜。祐一は何処よ!」
「ここだよ。久しぶりだな」
別に隠れていたわけではないが、部屋の構造上あゆたちからは死角になっていた祐一が姿を現す。
「「「祐一(君)!」」」
祐一の姿を見た3人はいっせいに祐一に向かって飛び掛る。
そう、3人とも同じ場所、祐一の胸に向かって。
となると。
ゴツン!
案の定3人いっぺんに同じところに飛び込んだので、頭と頭がかなりの勢いでぶつかった。
かなりいい音がしたので、受けるダメージも相応のものだろう。
「うぐぅ」
「あう〜」
「………」(ぐしゅぐしゅ)
「だ、大丈夫か?」
さすがの祐一もコレには驚いたようである。
「あらあら。元気ねえ」
この人は相変わらずであるが。
ガバッ!
「「「祐一(君)!」」」
「ああ、おい!また……」
ゴツン!
再び同じことを繰り返す。
「学習能力というものが無いのか、お前らは?」
「それだけ、祐一さんが生きていて嬉しいという事ですよ」
そういわれると祐一としても恥ずかしく、決まり悪げに頭を掻いた。
そして、蹲っている三人に近づき。
「ほら。大丈夫か?」
手を差し出す。
三人もそれに手を伸ばし、四人の手が重なった。
各々の手の温もりが伝わる。
「ふっ」
「あははっ」
「ははっ」
「………(笑み)」
四人は笑いあい、その温もりと確かな感触をかみ締める。
今、10年の時を経て彼らは再会を果たした。
ちなみにもう一人の再会の相手はというと。
「望ちゃん、もう一杯頂戴!」
「そりゃ、お金さえ払ってくれれば売るけどね、一体一日に何杯食べる気……?」
「イチゴは別腹だよ〜」
「……これでなんで太らないのかしらね……」
目を覚ましてイチゴサンデーを満喫していた。
どうやら気絶する直前の幽霊(=祐一)のことは覚えていないようである。
おそらくは一種の防衛本能なのであろうが―――あるいは素の性格か―――なんにしても一人だけあぶれるとは哀れである。
本人は好物を満喫していて幸せそうなだけに逆に。
ちなみにこの光景、香里が百花屋に駆け込んでくるまで続いたという。
いつもは香里が折を見て止めるのだが、今回はその彼女がいなかったために歯止めが利かなかったのだ。
名雪が合計で何杯食べたかは……敢えて言わないでおこう。
「お母さん! 祐一が生きてたって本当!?」
名雪が水瀬家へと駆け込んできたのは、祐一があゆたちと再会してからさらに十数分経ってからであった。
しかし、本来なら最初に再会していたのに、実際に話すのが一番最後になるとは哀れである。
「あら、お帰りなさい」
「お母さん!」
「ええ、本当ですよ。ほら、あそこであゆちゃんたちと話してますよ」
「祐一!」
秋子の言葉を最後まで聞かず、その上秋子を押し退けるようにして祐一のもとへと向かう。
そして、彼女の眼にあゆたちと話している少年、祐一の姿が映る。
先ほどは驚きで気絶してしまったが、今度はそのようなことは無い。
ただ喜びを露にして叫ぶ。
「おう、名雪か。やっと戻ってきたか」
「酷いよ祐一! 置いてくなんて!」
「いや。香里が放っておいていいって言うもんだから、つい、な」
臆面も無く責任転嫁するのは誰の影響か。
「うぅ〜〜」
しかし名雪は不満そうに唸る。
まあ、当人としてみれば腑に落ちないとは当然だろう。
「ほらほら。そんなに唸らないで、お話しすることはたくさんあるでしょう?」
「あ、そうだよ。祐一、何で生きてたって教えてくれなかったの?」
即座に気持ちが切り替わるのは、長所とすべきか短所とすべきか。
少なくともこの場合は、祐一にとってありがたい性格だったというのは確かである。
「そういえばそうだよ。祐一君、なんで?」
「あう〜。なんでよ?」
「……なぜ?」
名雪に続きあゆたちも問う。
祐一が生きていたのはうれしいが、彼女達にとっては気になるところであろう。
というか、本来なら最初に聞くべきことを今まで聞き忘れていた辺り、あゆ達の心情が察せられる。
「あ〜。それはな」
祐一は家族が殺されてからの経緯を話した。
「そんなことがあったんだ」
「ああ。でも今は吹っ切ってるから、そんな顔すんなって」
一同悲しげに俯く中、あゆが何処と無く腫れ物を扱うような感じで声をかける。
正直に言って、あゆはその話を聞いてショックだった。
いや、他の皆もショックだったが、あゆは一番ショックを受けていた。
祐一が生きていると聞いて、もしかしたら祐一の両親も生きているのではないか、と思ったのだ。
現実的に考えればほぼありえない話ではあるが、彼女は『そうであればいいなあ』と願った。
彼女にとっても、祐一の両親は特別な存在なのだ。
両親の死によって悲しみの淵に落ちていた自分を最初に救ってくれたのは、間違いなく祐一と彼の両親だったからだ。
そして秋子と同じく自分を引き取るといってくれた。
もしも祐一の実家が住み慣れた、そして家族との思い出のあるカノンであれば、間違いなく秋子ではなく祐一の両親を選んでいただろう。
そういう経緯があったため、あゆは祐一の両親の死を、ある意味では親族である名雪や秋子以上に悲しんでいた。
「うん」
「ああ、そうだ。秋子さん、ちょっと質問があるんですけど」
「なんですか?」
「俺が生きてるのを知ってたみたいな感じでしたけど、どうしてですか?」
これは祐一としても気になるところだった。
自分は一切連絡を取っていないのに何故?と。
「え、お母さんそうなの?」
「ええ。知ってましたよ」
「「「「!!?」」」」
秋子があっさりと発したこの爆弾発言には、祐一を含めた四人は驚き声をあげることもできない。
「何故、ですか?」
「神威さんから手紙で聞きましたから。祐一さんを預かっている旨や、月に一度程度は近状の報告も」
「……んなこと一言も言ってなかったぞ、あいつは」
今祐一の頭の中では、神威が祐一によってたこ殴りにされている。
自分にはあんなことを言っておきながら何故、と本人に問いただしたくなった。
「私も会いたかったんですが、場所は書いていませんでしたから。それと、祐一さんがひとり立ちした時も知らせがありましたよ。『どうせあいつのことだから連絡を忘れるだろう』って」
「……あの野郎」
事実なだけにぐうの音も出ない。
「でもお母さん、どうして私達に教えてくれなかったの?」
名雪が、本当に珍しく不信感を募らせた視線で秋子を見る。
こんなことは年に一回あるかないかである、彼女の祐一に対する思いの大きさが垣間見れる。
「それはね、祐一さんが何処にいるのか分からなかったから。貴方達にただ生きていることを教えたら、家出してでも探しに行きそうでしたからね。そんな危ないことはさせられませんよ」
事実そうしていたであろうことは本人達にも想像がつくので、名雪も不本意そうだが反論はない。
「正直心配でしたけど、どうやら杞憂だったみたいですね」
「え?」
「だって、こんなに逞しくなっているんですもの。相当修練なさったんですね。もう一流と言ってもいいんじゃないですか?」
「そんなことは・・・」
秋子の直線的な賛辞に、思わず祐一は赤くなる。
神威は殆ど彼を褒めることは無かったので、こういう直線的な善意に対する抵抗は低かった。
「うふふ」
「それよりも、秋子さんがアカデミーの教師っていう方が驚きですよ」
話をそらそう、とばかりに信たちから聞いたことを話題に上げる。
「あら、誰から聞いたんですか?」
「丘野真、ひなた兄妹、それと藤宮望ちゃんからです」
「三人ともカザネからの留学生ですね。知り合いだったんですか?」
「いえ、初対面です。ちょっとありまして」
これが名雪相手だったとすれば、『衝突事故で知り合いました』ぐらいのことは言うが、さすがに秋子相手にそれをする気は無いらしい。
「そうですか。でも、祐一さんが知っているのでしたら話す手間が省けましたね」
「どういうことですか?」
「祐一さん、私と闘って頂けませんか?」
その言葉を聞いたとき、というよりもその言葉が耳に入ったとき、祐一は一時フリーズした。
心境を文字で表すなら、『アキコサン、イマナントオッシャイマシタカ?』ぐらいに混乱しているだろう。
「……すいません。もう一度言ってくれませんか」
数秒の後、取り合えず再起動を果たし、聞き返す。
自分の聞き間違いであって欲しい、と思いつつ。
「はい。祐一さん、私と闘ってください」
しかし、秋子はそんな祐一を無視するかのように繰り返す。
「お、お母さん!?」
この言葉で一番慌てているのは祐一当人ではなく名雪だ。
それは娘として誰よりも母の実力を知っているからである。
もっとも、祐一の実力を彼女は知らないが。
「何故ですか?」
「祐一さんの実力が知りたいんです。私が知らない十年の間に、祐一さんがどれほど強くなったのかを」
「それだけではないでしょう?」
祐一は探るような表情で聞き返す。
彼には確証があった、水瀬秋子は無意味にそんなことを言い出すような人物ではない、という確証が。
「あら? 分かりますか?」
そしてその通りに、秋子は意味ありげな笑みを浮かべた。
しかし内容は話さない。
「ええ」
「はい。確かにそれだけではありませんが、それは戦いの後にお話します」
こうなっては祐一の選択肢は『闘う』か『闘わない』かの二つだけだ。
そして、彼は闘わずに敵前逃亡(この場合はちょっと違うが)をするような人物ではなかった。
とすれば答えはひとつである。
「分かりました。何処でやりますか?」
「祐一君!?」
「こちらへ来て下さい」
半ば悲鳴に近い声をあげるあゆや、それに続いてなにか言い出しそうなほかの面子を制し、秋子は祐一を家の外へと誘った。
あやてて名雪達も後を追う。
「訓練場、そういえばありましたね。あの頃は専ら遊び場でしたけど」
秋子が祐一を案内したのは、家から少し離れたところに位置する訓練場だった。
さすがに国が主催する武闘会の試合場ほどの広さはないが、個人が所有するものとしては大きいほうである。
また祐一の言葉の通り、幼少の頃の彼がよく遊び場にしていたところでもある。
「そうでしたね。祐一さんの武器はその片手剣ですか?」
「ええ。神威から貰った剣で、名は『天魔剣』らしいです」
秋子に応え、鞘から剣を抜き放ち一振りする。
風を切る音と共に、吸い込まれるような刀身が光を反射して輝く。
【天魔剣】
神威が旅立つ祐一に渡した剣で、実は『神器』の一つである。
やや大型の片手剣で、柄の中心に白い宝玉がある。
その名の通り天の、即ち聖の力と、魔の、即ち闇の力の双方を使える珍しい神器。
天の力を使う際には宝玉は蒼くなり、魔の力を使う際には紅くなる。
神威によると、完全に使いこなせれば天と魔の力を同時に発動させることができるらしいが、祐一はまだその域には達していない。
どの様な存在が、どの様な目的で創りだしたのかは、神威しか知らない。
【神器】
遥かな過去に、神々、あるいは悪魔が己の力を込めて創り上げたアイテムのことである。
神々や悪魔自身は神話の時代の終焉と同時に姿を消したが、彼らの生み出した神器は未だ世界に残っている。
その力はまさに絶大、単純な力だけではなく、様々な特殊能力を持つものも多い。
伝説にはよく名前が挙がるが、現在でも所在が確認されているものは少ない。
全てが現在の魔道技術では再現することのできない領域にあり、仮に売買される時には爵位や領地と引き換えになることも珍しくない。
ちなみに、この世界の神々と私達の世界の神々は、ほぼ同一の存在であるため、神器の多くは私達の世界でも神話に登場する。
例としては、ケルト神話アーサー王の『エクスカリバー』、北欧神話オーディンの『グングニル』、日本神話なら三種の神器が一つ『草薙の剣』などである。
これらの名の知られている神器は、神々があらかじめ己のものとして所持していたり、認められた人間に与えた物だが、私達の世界には存在しない神器は、全て神話時代末期にある『存在』に対抗するために創り出されたか、あるいはその『存在』が創った物である。
祐一の『天魔剣』はこの後者に分類される。
「私はコレです」
そういって秋子は部屋の隅に立てかけてあった白い布に包まれていたものを手に取る。
どうやら祐一とここで闘う事は彼女の中では決定事項だったらしく、あらかじめ置いておいたようだ。
そのなかみは。
「大鎌ですか」
そう、それは柄の部分だけで秋子の身の丈に匹敵し、刃の部分を含めると完全に秋子より大きくなると言う大鎌であった。
「はい」
身の丈を超える大鎌を持ち、温和な微笑を浮かべている妙齢(そうは見えないが)の美女。
(ある意味凄まじい光景だな)
ちょっと場違いな思考をする祐一だが、気持ちは分からないでもない。
はっきりってある意味で怖すぎる。
死神といわれても納得するかもしれなかった。
「舞さん、合図をお願いできますか」
「……分かった……用意」
祐一、秋子共に武器を構え魔力を練る。
両者一分の隙も無く、見ている者も思わず息を呑む。
「……始め!」
闘いが始った。