「痛つつ……じーさんめ、年を考えずに無茶しますね……」



 赤くなった目元を押さえながら、久瀬優一郎は自室のベッドに倒れこむ。


 今日の夕食は、彼の妹の所属するチームがバスケ大会で準優勝した記念に、豪勢な焼肉パーティーだった。
 途中までは、普通に和気藹々としたものだったのだが――その平和は、突然に破られた。






 きっかけは、間違えて優一郎が祖父、鉄斎の肉に手を出してしまったこと。
 他愛もない間違いだと弁解する間もなく、鉄斎はお返しとばかりに彼の肉を根こそぎ奪い、まだ生焼けにもかかわらず食い尽くした。


 その、あまりにも度を越えた反撃に、キレた。



「いくらじーさんといっても、許せないことがあります!」

「おもしれぇ、やってみろ、こわっぱ!」



 言うが早いか、鉄斎の投げた菜箸が、優一郎のすぐ脇の壁に深々と突き刺さる。

 あたったら、痛いどころではすまない一撃だ。



「なるほど……手加減無用、というわけですね」



 だんっ、と畳を蹴り、ちゃぶ台の空いた一点を支点に、優一郎の体が宙を舞う。
 そのままちゃぶ台を飛び越し、狙うは祖父の首。



「死ねよやーーっ!!」



 優一郎の手刀を、しかし鉄斎は何気なく片手で止め、



「ふ、素人め……間合いが甘いわ!!」



 そのまま庭のほうへと投げ捨てる。
 障子をぶち破って優一郎の体がぶっ飛んでいくが、吹き飛びながらも彼は、鉄斎の皿の上からもう一枚、肉を奪うことに成功していた。



「く……味な真似を……」



 即座に優一郎の後を追う鉄斎。







「(はぐはぐ)……♪」



 激しい戦いを繰り広げる二人を尻目に彼の妹、優奈はのんびりと残った肉を食べていた。







「結局、優奈の一人勝ちですか……」



 言って、抜け目のない妹に苦笑する。

 実際、兄としての欲目なしに、彼女はすごいと思う。


 今回のバスケだけではない。

 他に、小学校の頃から趣味で続けているオカリナに、実用面では一通りの炊事・洗濯・裁縫……おおよその事は一人でこなせる。


 対する自分はどうだろう?

 家事に関しては、ようやく買い物のコツがつかめてきた程度。
 チャーハンなど簡単な料理はできるが、それ以外においては祖父、鉄斎にすら劣る。


 両親の決めた進路に進むのを止め、祖父のところに転がり込んでは見たものの、やりたいことが決まっているわけではない。
 華音養成校を出ているのでMSや大型特機の操縦資格を持ってはいるが、軍人になる、というのもいまいちぴんと来ない。


 もう二十歳を過ぎているのに、将来に関しての展望など無いに等しい。



「そう言えば……僕は、子供のころは何になろうとしていたんでしたっけ?」



 ふと思う。

 確かに、昔は何かになろうとしていた。


 回りの人間から笑われても、それが自分の夢だといえる何かがあったはずだ。



「んー、駄目ですね。まったく思い出せない……」



 幼稚園や小学校時代のアルバムでもあればわかるのだろうが、あいにくそれらは家出するときにおいてきてしまったし、そもそもとっくに両親が処分してしまっただろう。



「子供の頃といえば……どんな事がありましたっけ?」



 仕方がないので、少しでも手がかりになりそうな事を思い出そうとする。

 当時好きだったテレビ、流行っていた遊び、起きていた事件。


 そう、確かあの時は――――




 
燃え上がる街

 響く絶叫


「だれか、だれかたすけてよ……」

 
焔に照らし出された異形の怪物

 赤く染まった両手


「いもうとが……ゆうながしんじゃうよっ」

 
そして、瓦礫の下で血を流していた――








 ――コンコン


「――――っ!?」


 悪夢に囚われかけていた彼の意識を、控えめなノックが引き戻す。



「えーっと、優? 入ってもいいかな?」



 妹の、優奈の声。



「ええ。どうぞ」



 優一郎はどうにか気分を落ち着け、そう応えた。


 おじゃましまーす、と軽い声と共に彼の妹、優奈が部屋に入ってくる。



「うわ相変わらず散らかった部屋!」

「ほっといて下さい。これでもどこに何があるかはわかってるんですから」




 何気ない会話。

 確かに少し散らかってはいるが、成人男子の部屋としてはそれなりに片付いているその部屋に入ってきてそう文句を言った彼女は、



「でもこれだと、私じゃ入れないよ?」

「……今どかしますから、ちょっとだけ待ってて下さい」








 ――車椅子の上に座っていた。














スーパーロボット大戦
〜Torinity Heart〜
第三話








 優一郎たちの道場から数百メートルほど離れた公園脇に、一台の装甲車両が停まっていた。
 車体には大きく「あくえりあす」とひらがなで描いてあり、無数のアンテナが取り付けられている。

 連邦軍のホバートラックに勝るとも劣らない情報収集能力を持つ、ネーサー所属の情報収集用車両、アクエリアスだ。



「いいねえ、『ゆうー』だってよ。ああ、俺も可愛い妹が欲しいなぁ」



 その車内。家の中の音声をレーザーマイクで盗聴していた青年が、インカムを放り投げそう愚痴る。
 それを隣で聞いていた女性は、むっとばかりに眉間に皺を寄せる。

 長い蜂蜜色の髪を丁寧に二つに三つ編みした、かなりの美女だ。

 彼女は未だ妹萌えー、などと呻いている青年へと手を伸ばし、ぎゅむっ、とばかりにその頬を抓る。



「あ痛っ、何するんだよ、里村!」



 頬を押さえて抗議する青年に、彼女は無言。そのまま不機嫌そうなまま自分の席に戻る。


 と、その時ドアを開けて一人の男と、二人の女性が入ってくる。
 神隼人と倉田佐祐理、上月澪の三名だ。

 二人を含む車内の人間は慌てて立ち上がり敬礼。
 隼人は構わん、と一言言うと、先ほどの青年と蜂蜜色の髪の女性の間にあるモニタを覗き込み、



「南、里村、状況は?」

「あー、まずいといえばまずいっすね。やっこさん、ずっと家ん中で妹とじゃれ合ってるばっかりで、全然外に出る気配がありません」

「一階にいる鉄斎氏も、出かける気配はありません」



 南明義と里村茜。二人の言葉に、隼人はむ……と呻く。

 優一朗の力を試すために、近くの所員をけしかけるつもりだったが、彼の家族構成を洗っていて一つの問題が発覚した。


 同居人は、優一朗の妹と祖父の二名。


 妹のほうは問題ない。

 名前は久瀬優奈。高校二年生で、かつての恐竜帝国の攻撃で下半身の自由を失う。
 地域の障害者バスケットサークルに所属。所属チームは先日の大会で準優勝。
 ――エトセトラエトセトラ。


 問題は、祖父の鉄斎だ。

 古流格闘術の達人であり、若い頃は諸国を漫遊して武者修行。
 その腕は年をとった今でも衰えておらず、バルマー戦役の際市街に不時着したゼントラーディを、友人と二人で生身で倒している。



「年が年でなかったら、そのままゲッターのパイロットとして登録したいくらいの逸材だな」



 隼人はそう言って苦笑する。

 とにかく、優一朗の腕試しをしたくても、こんな強烈な老人に介入されてはテストにならない。


 できれば、どちらかに外出して欲しいところだが、こんな夜中にはもう出かけたりはしないだろう。



「どうします、チーフ? 最低限の人数だけ残して撤収しますか?」



 青年の言葉に、隼人はそうだな、と頷き、



「――あ、待ってください。今、目標が外出しました。妹も一緒です」



 言われてモニタを覗けば、ジャケットとコートをそれぞれ羽織り、おそろいのマフラーを巻いた二人が玄関から外に出るところだった。

 どうやら月が綺麗なので近所の公園――現在このアクエリアスが停車しているすぐそば――に出かけるようだ。



「ふ……どうやら準備は無駄にならなかったらしいな」



 隼人はそう言ってにやりと笑い、澪に持たせていたビニール袋を受け取って中心にあるデスクに置き、中身を広げる。

 中に入っていたのは、味とボリュームで有名な近所の弁当屋の仕出し弁当に、缶の緑茶。どちらもまだ温かい。



「近くの所員に連絡。ターゲットが公園に入って三分後、テストを開始する。里村、ターゲットの公園への到達予想時間は?」

「車椅子を押しながらですから……およそ12分後かと」

「では、それまで夕食とする。味白亭の弁当が各種二つずつ人数分ある。ただしカキフライ弁当は私と上月君の分だから手を出すなよ。
――安心しろ。私のおごりだ」



 南たちは了解、という言葉と共に、弁当へと群がる。




 ……ちなみに佐祐理はここに来る前にちゃっかり、自分用の三色そぼろ弁当をキープしていた。







 雪待月公園。
 それは、市内にある大きな公園の名前だ。

 敷地面積は30haほど。
 その中にさまざまな遊具や小さな林、小川に池、そして遊歩道が作られている。


 昼間は子供たちが遊びまわり、夜に散歩するにも最適な公園だ。


 交番が公園東入り口すぐそばにあるので、治安もよい。







 そんな公園に、優一郎と優奈は連れ立って月夜の散歩にやってきていた。




「うーん、さすがにこの季節になると冷え込んでくるねぇ〜」



 ニットの帽子に耳あて、毛糸のマフラーに手袋、それにコートと完全装備の優奈が、夜風に吹かれてそんな声を上げる。



「でも、その分月や星はきれいですよ。ほら」



 そう言って空を見上げる優一郎は優奈とおそろいのマフラーにブラウンのジャケット、革手袋と優奈よりはかなり薄着だ。



「え……?」




 その言葉に同じく空を見上げた優奈が、うわぁと感嘆の声をもらす。




「あれがオリオン座で……あの小さいのはルナ2とルナ4ですね。あっちのいくつも集まってるのはL1コロニー群でしょう」




 車椅子がひっくり返りそうなほどに空を見上げる妹を、倒れないように軽く支えながら優一郎はもう一度指差す。

 指された場所を懸命に見つめる優奈だが、なかなかお目当てを見つけられないようだ。



「えー? どこどこ? 見えないよ〜」








「うーん、やっぱり妹はいいなぁ」

「……浮気者」


 盗聴中の南と茜のコメント。








「あ……ごめん優。ちょっと止まって」



 しばらく行った先の、街頭に照らされた広場で、優奈が言った。

 疑問符を浮かべる優一郎に、優奈はもじもじしながら、



「えー、あー、そのぉ……さ、さっき自販機あったよねっ。喉渇いたから何か買ってきてっ!」

「? ……珍しいですね。僕が選んだジュースにいつも文句言ってるのに」

「それは優がいっつも変なジュースばっかり買ってくるからっ。とにかく、どっか行って!」

「顔が赤いですが……いったいどうしたんです?」



 なぜ優奈がこんなに挙動不審にしているのか。
 優一郎はふとあたりを見回して、そしてその建物に気づき、声をあげた。



「ああ、トイレですか!?」

「声が大きい、ばかぁっ!!」



 割と本気で怒鳴られた。


 ちなみにこの公園にはちゃんと障害者用のトイレが併設されており、ボランティアの手によって清潔に保たれている。
 市で公表されている、トイレの快適指数は85。公園のトイレとしては市内1、2を争う数値であり、並みのデパートのトイレ以上の快適さだ。


 それはさておき、



「だったらむしろ、ジュースなんて飲んだらもっとトイレが近くなりますよ? 別にここで待ってますから、のんびりと行ってきてください」

「それが嫌だからどっか行ってって言ってるのっ!」



 もっと怒鳴られた。

 そして優奈は「まったくデリカシーに欠けるんだから」とか、「そんなんだから二十歳になっても彼女ができないのよ」とかぶつくさ文句を言いながらトイレに向かう。








「明義? 盗聴したらすりつぶしますよ?」

「…………(びくっ)!」


 車内。
 嬉々としてマイクの感度を上げようとした南の背に、南極の風よりも冷たい声がかけられる。







 戻って優一郎はと言えば。


 仕方ないので、そういうもんですかねぇ? とぶつぶつとつぶやきながら、言われたとおりちょっと戻ったところの自販機に向かっていた。


 自販機はここ数年で急に台数を増やした、霧崎フーズの自販機だ。
 どろり濃厚ピーチ味を擁する来栖川食品やゲルルンジュースのITUKI飲料には負けるが、しかしなかなか個性的なラインナップで定評がある。



「海鮮ドリンクですか……DHA豊富で良さそうですね」



 ウニ、イカ、マグロなど十二種類の海の幸の詰まったフレッシュドリンク、という新発売商品を見つけ、とりあえず一本買う。ちなみにホット。



「後は、うーん……」



 少し悩み、無難に濃縮ハスカップジュースを選んだ。

 カタン、と小気味良い音とともに缶が自販機から吐き出される。



 その時、背後からかさりと小さな音。
 ふ、と優一朗の目が細められる。


 出てきた缶を拾い上げた、優一郎はそれを自然な動作で背後に投擲した。




 そこには、、いつの間にか見知らぬ黒人の男の姿。

 男はかなりの速度で投げられたその缶を、眼前でなんとなく受け止める。
 そして、片手であっさりとそれを握りつぶした。



 びちゃびちゃと液体が地面にたれる音を聞きながら、優一郎はゆっくりと振り返る。



 顔に無数の縫い目の入った2メートル近い長身の黒人。
 年齢は30前後か。

 うつろな目に殺意と破壊衝動を張り付かせた、どこから見ても正気を失っている顔つき。



「ボクサー崩れの麻薬中毒者ジャンキーか?」



 だが、どうしてこんなところに。
 優一郎は一瞬怪訝に思うが、すぐに思考を切り替える。

 現に相手は目の前にいて、そしてこちらに敵意を向けている。



「降りかかる火の粉は払わねばならぬ、か――」



 皮肉気に言い捨て、言葉とともに箭疾歩で一気に距離をつめ先制の一撃を放つ――。



「なんてねっ!!」



 ――フリをして、一気にその横をすり抜ける。
 すれ違いざま男の膝裏めがけ一発。バランスを崩す男に眼もくれず、そのまま走り去る。






「あ……に、逃げましたよ一佐。どうしましょう!?」

「心配ない。残りの二人が妹のほうへ向かっている。おそらく彼もそれを考えたんだろう」






「うー、冷たい〜」



 ぱしゃぱしゃと手を洗い、ポケットのハンカチでぬぐいながら、優奈はふと思う。

 兄に下心がないのはわかっている。
 下肢に障害を持つ自分を心配してくれているのだ。

 時々それが暴走するのは考え物だが。


 おそらく罪滅ぼしのつもりなのだろう。
 養成校を卒業し、両親とケンカして道場に転がり込んでくるまで、自分を放っておいた事への。



「別に、気にしなくていいんだけどな。私は、また優と一緒に暮らせてるだけで嬉しいのに」



 物思いにふけっていた優奈を、トイレのドアを叩く音が引き戻す。



「だから、待ってなくて良いって言ったで――!?」



 怒声とともに扉を開けた優奈の目の前にいたのは、いやらしい笑みを浮かべた長身の男。
 片手には長ドスを持ち、どこからどう見ても立派なヤクザだ。

 え、と疑問符を浮かべる優奈に向け、ヤクザが手を伸ばす。


 ごっ、という重い音とともにジュースの缶が投げつけられたのは、ちょうどその時。
 缶は当たった衝撃で破裂し、中身をあたりに撒き散らす。

 たちまち広がる磯の香り。



「大丈夫ですか、優奈!?」



 投げつけたのは、先ほどのボクサー崩れをかわして走ってきた優一郎だ。
 優奈は頭を抑えうずくまるヤクザをすり抜け、急いで優一郎に向けて車椅子を走らせる。

 優奈と並んだのを確認し、優一郎は公園の出口めがけて走る。
 君子危うきに近寄らず。相手はプロの荒事師だ。とっとと逃げて警察か何かに任せた方がいい。




「ちょっと優、追っかけてきてるよ。もしかしてまたヤクザに因縁つけられるようなことやったわけ!?」

「知りませんよ。僕の方だってさっき変な男に襲われそうに――――!?」



 立ち止まる。

 雪待月公園噴水広場入り口。
 二人が先ほど入ってきた公園の門が閉じられていた。



「え、嘘……どうして?」



 隼人たちの仕業だ。

 優一朗のテスト。それをこの公園で行うため。
 さっきの男たちは、そのテストに呼ばれた近くの所員だ。



「くそっ、ご丁寧に鍵まで掛けられてますね」



 このくらいの門、優一郎ならなんとか飛び越えられる。
 が、車椅子の優奈には無理だ。

 振り返れば、さっきのヤクザとボクサー崩れが追いついてきている。



「追い込まれたの……!?」



 優奈が優一郎からわずかに距離をとる。

 本当なら心細くてしがみつきたいところだが、それが兄の邪魔になるとわかっているからだ。



「仕方ない……やるしかないみたいですね」



 優一郎がそう言って男たちに向かって構えたとき、視界の端に光るものを捕らえた。
 それは、刃のきらめき。

 近くの所員の最後の一人。
 ナイフを持った小男が茂みの中に潜んでいた。

 すでに投擲体勢に入っているが、彼の反射神経なら充分にかわせる。


 その軸線上に優奈がいなければ。



「ちいぃっ!!」

「え……優っ!?」



 優一郎は優奈を庇うように、ナイフの群れに身をさらした――――







to be continued






キャラクターファイル

名前:久瀬優奈(くぜ ゆうな) 登場作品:オリジナル 年齢:17歳 所属:民間人


 久瀬の妹。バルマー戦役の際、戦闘に巻き込まれ大怪我を負い、下半身の自由を失う。
 車椅子生活をするようになった彼女を、両親が面倒に感じたため、鉄斎の家に預けられていた。
 ハンデを持ってはいるが、それに負けない明るい性格で、バスケ、オカリナ演奏など多趣味で、さらに一通りの家事もこなせるスーパー妹。

 別にブラコンではなく、むしろ妹離れの出来ない兄を心配しているとか……


名前:南明義(みなみ あきよし) 登場作品:ONE 年齢:22歳 所属:橘ゲッター線研究所・ネーサー


 橘研究所の研究員。ゲッターロボのモーションプログラム及びシミュレーションエンジンの作成が主な仕事。
 また、沢口と言うハンドルでとあるプログラムの特許をとっている、と言うより本来はそちらが本業で、そのプログラムの出来に目をつけた隼人によってネーサーに引き抜かれた経歴を持つ。

 里村茜とは高校時代からの同級生であり、一応恋人同士。




名前:里村茜(さとむら あかね) 登場作品:ONE 年齢:22歳 所属:橘ゲッター線研究所・ネーサー


 橘研究所の研究員。音声認識プログラムを中心に、ゲッターの操作系を担当。
 一見おとなしそうだが感情の振幅はわりと大き目。
 澪とは高校時代からの知人で、休日や休憩時にはよく一緒にいるのを見かける。

 色々と馬鹿をやる明義に呆きれ返ることもしばしばだが、それでも別れないのはなんだかんだ言って仲が良いからか。




《舞と佐祐理のふたりごと》


佐祐理:所員……?
舞:要するに、ネーサーが裏で雇ったならず者。表立っては出来ないような仕事を担当してる。
佐祐理:でもこれって、まるっきり犯罪者じゃないの?
舞:だから、死んだり大怪我しても切り捨てられる。
佐祐理:うーん。佐祐理はそういうの、好きになれないです……。
舞:私もあまり好きじゃない。
隼人:だが、我々にはのんびりしている時間はない。手段を選んではいられないのだ。
佐祐理:あ、一佐。どういうことです?
隼人:それは……次回に明かされるはずだ。
舞:次回……一体いつになるやら。
佐祐理:ま、舞……それは言わないお約束っ(汗

つづく?