―――――キイィィ
背後で重い鉄の扉が閉まる音がする。
「―――いないだと?」
その場所で皇蝠が呟いた。
「何処へいった……」
数歩、歩みを進めて、皇蝠はもう一度そう呟く。
祐一の気配を追いかけた皇蝠がたどり着いた場所、それは屋上だった。
ここまでの道筋は階段を真っ直ぐに上ってきた、途中で他の場所に逃げた形跡はない。
むろん、どこかに隠れていることは明らかである…………が
夜とは言え、校舎内とは違い屋上は見通しが利く。
隠れるにしても、今の辺りの状況では身を潜める場所などどこにもない。
「鬼ごっこの次は隠れん坊でもするつもりか?」
挑発的な言葉を口にする皇蝠。
追跡の時と同様、気配を探ろうとするが、相手の位置を掴むことはできない。
皇蝠の言葉も暗がりにこだまするだけで返答はない。
―――――ポタッ
その時、皇蝠の上に、一滴の雫が落ちた。
「―――――!?」
瞬間、天を仰ぐ皇蝠。
そこには、闇に映える刀身が浮かんでいた。
夜の黒をバックに、月の光に照らされ、銀色の光を反射した日本刀である。
ギン!
頭上から皇蝠めがけて飛来する白刃と
皇蝠の鋭利な爪とが合わさり、濁った音を奏でる。
反応が早かったことで、皇蝠はその一撃から逃れる事ができた。
だが―――――
「……グッ!」
鍔迫り合いは刃が競り勝った。
上空からの落下速度と全体重を乗せた一閃は、皇蝠の爪を押し切ったのだ。
「はぁぁぁっ!!」
バランスを崩した皇蝠に太刀の使い手は追撃の手を緩めない。
着地と同時に逆袈裟に刃を走らせ、その剣尖が皇蝠の体を切り裂いた。
「ちっ!!」
―――――浅い。
刀から伝わる手ごたえに舌打ちが漏れた。
さらに攻めようと再び刃を返したが
その頃には、既に皇蝠も間合いの外へと離脱してしまっていた。
「…………今のは惜しかった。
だが、折角の不意打ちも己の血で悟られたのでは意味がなかったな」
言いながら、皇蝠は自分を狙った退魔師を見定める。
右手にのみ日本刀を持ち、佇む祐一の姿を。
「さて、次はどうする?
またその扉を潜って下にでも逃げるつもりか?」
不敵な笑みを浮かべ、皇蝠は祐一に言った。
屋上の出入り口は、皇蝠から見て、祐一を隔てた向こう側にある。
逃げようと思えば、祐一は直ぐにでも逃げ出せる位置にいるのだ。
「まさか、そんな事をすれば俺がやられるだけだろ」
皇蝠の言葉に、祐一は冷たい眼差しを向け、言い返す。
口調は変わらないが、皇蝠の雰囲気からは遊んでいる感じが消えている。
先ほどの不意打ちによほど肝を冷やしたのだろう。
もし、今、祐一が背を向けて逃げようものなら
無防備になった背後から、容赦のない一撃を受ける事は目に見えている。
「鬼ごっこは此処で終わりだ」
祐一は、はっきりと言い放った。
「ならばどうする、貴様の仲間達は私の駒の相手で手一杯
一人で私の相手をするには荷が重いのではないのか」
「端っからあいつらの力を当てになんてしていない。
役には立ってくれてるみたいだがな…………お前程度の相手は俺一人で充分だ」
「減らず口を」
「試してみるか?」
方や日本刀の柄を握り締め、方や歪な羽を広げる。
両者の間で緊張が高まり―――――そしてお互いの表情が消えた。
―――来る。
そう感じた祐一はしっかりと相手を凝視していた。
(もし、こいつの能力が俺の予想道理なら、次の攻撃は予測できる)
その直後、皇蝠から生まれる殺気の塊。
真っ直ぐに自身へと突き進みながら、空間を歪めるそれを
(―――ここだ!!)
絶妙のタイミングで見極めた。
「ヌッ!?」
自分の攻撃が回避されたことにより思わず驚きを表す皇蝠。
だが、皇蝠には驚いている暇などありはしなかった。
一瞬で開いた間合いを詰め、静かな斬撃が皇蝠に向けて放たれる。
「小癪なっ!!」
辛くもその一撃から逃れる皇蝠。
そして再び祐一の真正面に向けて力を放とうとして―――――
「そんな見え見えの攻撃にあたると思うのか?」
「!!?」
そこで皇蝠自身も気がついた。
自分の攻撃が、ある一箇所に誘導されている事に。
もっと正確に言うならば、皇蝠はそこにしか攻撃できないのだ。
「手品のタネはとっくに割れてんだよ!」
弧を描きながら間合いを詰める祐一。
その左側から刀身が振り抜かれる。
―――――ヒュン
斬撃は空振りに終わるが、深追いはしない。
やや荒くなった息を整えながら、祐一は口を開いた。
「お前の力は空気を不連続に振動させ衝撃波を生み出し
同時に、その衝撃波を物体に反射させ方向を捻じ曲げるもの」
対峙する皇蝠は静かな表情を浮かべ、祐一の方を向いている。
「確かに校舎内じゃ厄介な力だ。
けどな、この屋上では衝撃を反射させることは出来ないだろ?
なら、攻撃が来る方向は一つしかない」
皇蝠の力は、衝撃波を生み出す事と、それを音のように反射させること。
しかし、それは、あくまでも周囲に反射する物があり、反響が利く場所
校舎内という閉鎖空間のみに限定されたものである。
例え反射させるために、衝撃波をぶつける物があったとしても
屋上や野外のような場所では、衝撃は拡散してしまい、反射では狙いがつけられない。
必然的に皇蝠に残される攻撃手段は、単調な一直線、真正面からのものとなる。
「……ふふふ、はっはっは!!!
傑作だ、まさかこんなひよっこの退魔師にここまで見破られるとは…………
昨日の時点では思いも寄らなかったのだがな」
「…………昨日仕掛けてきたのも、やはりお前か」
深く息をつきながら祐一が答えた。
「攻撃に殺気を感じても、相手の気配が薄いのは当然だ。
それは空気の塊でしかなかったんだからな。
差し詰め、監視カメラで俺の位置を確認しながら攻撃していたんだろ。
攻撃と攻撃の間に、わずかにズレがあったのはその所為か」
「―――――…………あっさりと見抜いてくれる、一を聞いて十を知るか」
表面上は落ち着いた口調でしゃべってはいるものの
皇蝠の様子から苛立ちを抑えている事が伺えた。
対して、祐一の方は悠然と構えをとっている。
「―――――しかし、それだけ聡明でもあの小娘は救えなかった」
だが、不意に皇蝠が冷静さを取り戻し、動揺を促すようにそう言った。
皇蝠もまた、祐一の状態に気がついたのだ。
「敵討ちに粋がるのも良いが、ずいぶんと息が上がっているようだな。
…………貴様の左肩の傷、余程深いと見える」
最初の不意打ち以降、祐一はまともに皇蝠に攻撃を当てていない。
そして、先ほどから右腕でしか太刀を振るっていないのである。
祐一の左肩からは血が滴り落ちていた。
「敵討ち……か」
皇蝠の台詞を繰り返し、祐一は薄っすらと微笑を浮かべる。
その様子を見て、皇蝠が訝しげな表情を見せた。
「そんな必要はねえんだよ」
「なに?」
「なぜなら―――――」
祐一は完全に勝ち誇った顔を浮かべて次の言葉を言った。
天と月の将 十四話
隠された計略
「ふぅ……」
「……くぅん」
「んっ……心配しないで、久遠」
深く息をつき、那美は久遠に返事を返した。
すぐ傍のベットでは、規則正しい寝息を立てる舞の姿。
―――――そして
(だいぶ落ち着いてきたかな)
そっと手を添える先には、横たわるまいの姿がある。
―――――『癒し』と呼ばれる、魂に力を注ぎ込む技能。
退魔師の中でも、特定の者にしか使いこなす事のできないこの術は
本来、怪我などの治療に使われるものなのだが
那美は、それをまいにかけることで、その存在を保っていたのだ。
「うん、これでもう大丈夫」
「くぅん」
久遠が労いを懸けるように鳴く。
(…………少し疲れたな)
『癒し』は激しくその霊力を消耗し
同時にそれは、疲労感として那美へと伸し掛かってくる。
『癒し』を終え、那美は一息ついた。
ちょうどその時、カーテンの敷居の向こう側で微かな物音が聞こえる。
不振に思い、そちらの方を窺おうとカーテンの仕切りを取り除こうとして
―――――カシャッ!
「きゃっ!?」
急にその仕切りが開かれ、那美は身を竦ませる。
「―――――すみません、驚かせてしまって」
瞳を瞑り、状況のわからない那美に
柔らかい男の声がかけられた。
緊張を解いた那美が、声の方に視線を向けると
「…………た、高町さん、長森さん」
そこには、高町恭也、そして、長森瑞佳の姿があった。
「ここは無事みたいですね」
「えっ、は、はい」
悲鳴を聞かれて、恥ずかしいのか
那美は、少し俯き加減で、うろたえながら答える。
「…………あの、外で何かあったんですか?」
「それは……」
言葉の途中で、恭也は思わず口ごもってしまった。
いったいどう説明してよいものか、と。
元より、恭也は口下手なのでこういう事に関しては向いていない。
そんな様子を悟ったのか、恭也の言葉を引き継いで瑞佳が現状を説明する。
その間に、恭也は室内を見渡した。
「―――――そう、それで校舎の中にまだいくつか気配がするから
浩平達にはそっちの方に行ってもらったんだけど」
「……そうですか」
一通りの話しを聞いた那美は呟くように漏らす。
「こちらも相沢さんに、この子の事を任せるって頼まれて
それっきり……外がそんな状態なら一人じゃ」
まいの事を自分に頼み、保健室を飛び出していった祐一。
正確な事はよくわからないが、那美はその身を案じていた。
そんなとき、視線を動かしていた恭也が不意に言葉を投げかける。
「ところで、もう一人の―――彼女はどうしたんです?
…………彼女も一緒だったはずじゃなかったんですか」
「えっ―――」
その質問に、那美は本当に意外そうに声を上げた。
まいの治療に専念していた為か
はたまた、彼女が自分から保健室を出て行く事がないと思っていたからかは
わからないが、那美はその存在を失念していたのだ。
ただ、忽然と、そして自然に白河ことりが保健室から消えている事に。
「うわぁ、めちゃくちゃだね……」
目の前の惨状を見て、みさおは感嘆の意を表す。
「……うん」
続けて、美由希も頷いた。
校舎内の一画、薄暗い廊下。
その場所は、辺り一面にガラスの破片が散りばめられていた。
「まるで台風でも通り過ぎたみたいだな」
バリンとガラスを踏みながらその上を歩く浩平。
それは、明らかに何かが起こった後を示している。
「―――たく、っと」
再び何かを言おうとした時、浩平のポケットに違和感が伝わった。
携帯のバイブレーションの振動だ。
外側のディスプレイを確認し、発信者を確かめると、浩平は開いて通話ボタンを押す。
「はい、もしもし、来々軒
ん、三丁目の田中さん味噌ラー『馬鹿なこと言ってる場合じゃないんだよ! 浩平っ!!』」
「―――っ!? わ、わかったから電話越しに怒鳴るなよ」
「わかってるならやらなきゃいいのに」
通話口から聞こえた大音声に、思わず携帯を遠ざける浩平。
そんな様子を見て、みさおがボソリと言う。
「それで、いったい何なんだ? こっちは今、鋭意駆除作業中なんだが」
『そ、そうだよ! 大変なんだよ!!』
「む、それは大変だ」
『こ・う・へ・い!!』
再び浩平の耳を襲う咆哮。
今度は傍にいたみさおや美由希にも、その声が届いていた。
「あの……」
「ん、どったの美由希」
「大変…………だね」
「……まあね」
美由希の言葉に、みさおはしみじみと呟いた後
いまだ、瑞佳とやり取りしている浩平を尻目に
もう一度、辺りを見やった。
(あれ……これって)
不意に目に付いた奇妙な硝子の欠片。
暗がりの中で一際黒に染まっている大きめのガラス片だ。
みさおは不振に思い、しゃがんでそれを拾い上げてみる。
「それって…………」
近くにいた美由希も、みさおが手にした硝子に目を向ける。
そして、思わず息を呑んだ。
「人の血だな」
「お兄ちゃん……」
横からの浩平の言葉にみさおが表情を曇らせる。
瑞佳からの電話を聞き終えた浩平は、それが誰の血なのか
思い当たるのに、時間はかからなかった。
「それで、瑞佳お姉ちゃん何だって?」
「ああ、相沢と白河が保健室にいないんだと」
「じゃあ、やっぱり…………って白河先輩もってどういうこと!?」
浩平の台詞を聞き、みさおも同じ想像を描く。
が、それよりも、もう一つの事実に対し、取り乱した。
「俺が知るか。ともかく二手に分かれてあいつらを探すぞ。
お前らはここから下の階、俺は上の階だ」
「……うん。それじゃ行こ、美由希」
浩平の指示を承諾し、みさおは美由希の方を見やる。
「あの、お一人で大丈夫なんですか?」
美由希はすぐには頷かず、浩平の方へと向き直った。
血の付いたガラス片を見た事で、単独行動を懸念しているのだろう。
「ああ、それよりもこいつの面倒を頼む。
何かと突っ走りやすいから、うまくブレーキかけてやってくれ」
「……努力はします」
知り合って間もないが、みさおの性格は美由希も承知している。
浩平からの思わぬ返事を聞き、苦笑を交えて美由希はそれに答えた。
(お兄ちゃんに言われたくないし、美由希ちゃんも酷い)
二人の様子に、内心でそう拗ねるみさおだったが
敢てそれを口には出さなかった。
祐一の発した一言に、皇蝠は呆然と沈黙し、動きを止めていた。
その様子を見る祐一も動こうとはせず
静寂、ただそれだけが場を包んでいた。
硬直が解けたのは、しばらくの後。
皇蝠の言葉によるものだった。
「まさか、謀られていたとは…………」
口元を歪める皇蝠。
その時になって、やっと悟るに至ったのか
声色には、明確な険しさが増していた。
しかし、それこそ祐一にとっては思う壺である。
激昂は思考を鈍らせ、動きを雑にする。
威圧感が高まる事は、皇蝠の動揺と同義と考えていた。
―――――ゾクリ
背筋が粟立ちを覚える。
瞬間、停滞が動いていた。
目には見えない空気の塊が、刹那の時間で祐一に迫る。
それを易々と潜り抜け、祐一は反撃の一閃を加えた。
例え当たらずとも、その太刀は確実に皇蝠を追い詰める。
わずかに残る皇蝠の理性を焦りに変える。
じわりじわりと皇蝠の余裕を搾取する。
(―――まだだ)
祐一は細心の注意を払って相手を観察していた。
皇蝠の視線が、右手に握る刀に集中している事がわかる。
逆に言えば、右手の動きしか見ていない。
(そうだ、もっと喰い付け)
静かに、そのチャンスを待つ
相手の意識が、すべて其方に移る時を。
自ら視界を狭めた結果、そこに生まれる死角。
それが、祐一が隠し持つ最後の切り札への伏線となる。
(―――――いける!!!)
思考とズレなく、反射的に動く体。
瞬く間に、右の腰、左手で抜き打たれる銀の鋼。
常時より、わずかに鈍る太刀筋ではあるが
不意をつき、動揺を期した皇蝠に対し、それは十分なスピードを持っていた。
―――――斬
祐一の太刀は、ついに皇蝠の体を捕らえるに至る。
(―――――もらった!!)
決まった瞬間、一気に畳み掛ける祐一。
決着を付けるのは、今この時を措いて他にはない。
相手に止めを刺すべく渾身の、そして全力の一撃が振るわれる。
―――――同時に、祐一の前方がぐにゃりと歪んだ。
「なっ―――――!?」
祐一の刃は皇蝠に届かなかった。
あと、わずかな所で止められている。
直前の空間で阻まれている。
何も存在しないはずが、異物感が刀を通して伝わって来る。
そこには、確かな気配が存在した。
(こいつは!?)
事実を捉えた瞬間、祐一の視界は流転する。
状況が理解できた時には、祐一は皇蝠のいる位置から数メートル吹き飛ばされ
フェンスに叩き付けられた。
「がっ! ―――――グッ―――ごはっ!!」
防御を取る暇さえ無く、モロに入った一撃が正常な呼吸を妨げる。
そのまま、祐一は地に這い蹲った。
「―――――何か勘違いをしていないか?」
気が遠くなりそうになる中、酷薄な皇蝠の声が聞こえる。
「小娘の現存。その程度の事で私が動揺する必要性がどこにある」
皇蝠の傍に感じる、皇蝠以外の気配。
漠然とした不確かな存在。
「私にとって、あの小娘がどうなろうが、それは問題ではない。
重要なのは小娘の力の方だったのだからな」
それは、少女に『魔物』と呼ばれていた不可視の力だった。
「切り札を残していたのは、何もお前に限った訳ではない」
「―――――ッ、芝居……だっ…………わ…けか」
「…………いや、貴様の言葉を聞いて動けなかったのだけは本当だ。
あまりの浅はかさに、呆れてしまってな」
皇蝠は侮蔑の言葉を投げかける。
その間に、祐一はフェンスにしな垂れ掛かりながらも
何とか体を持ち上げた。
「ほう、まともにあの一撃が入ってまだ立ち上がれるか」
金網がクッションの役目を果たしたおかげで、衝撃が幾分、緩和されたのだろう。
だが、意識はあっても体はそれ以上動かせない。
一時的な呼吸困難が、身体の自由を麻痺させているのだ。
「しかし、それが限界か。
人間とはかくも脆弱なものだな」
一目でそれを見抜くと、その一言で祐一に見切りをつけた。
無慈悲に、祐一の方へと歩み寄る皇蝠。
その歩み、一歩、一歩が死への秒読みを刻んでいるかのようだった。
そして、ついにその鉤爪が祐一に届く位置にまで接近する。
「―――――では、死ね」
皇蝠が吐いた台詞と共に、重い扉が開く音が聞こえた。
あとがき(楽屋裏)
祐一:怒濤の展開だな、もう少しスマートにケリ付けてもよかったんじゃないのか?
作者:む〜……それでは今一盛り上がりに欠ける気がしたんで、もう一踏ん張りいたします。
祐一:まあ、このまま死ぬ事はないと思うがな。
作者:それじゃあ、物語終わっちゃいますってば…………割と新鮮でいいかも(ボソリ)
祐一:聞こえてるぞ、おい!
作者:冗談、冗談♪ それでは今回のゲストをお呼びします。
祐一:だよもん星人と言えばこの業界(?)の誰もがわかる人物。
作者:長森瑞佳さんで〜〜〜す!!
瑞佳:もう、祐一まで浩平と同じような事言って!
祐一:ちょっと待て、俺は台本に書いてある台詞を読んだだけだってば! 怒るならこいつに―――
作者:祐一君は嘘をついてま〜す。
祐一:どこがだ! 第一、『牛乳大好きっ子』とか『瑞佳の家は猫の家』とかしか書いてねえじゃねえかっ!!
作者:そうそう、それそれ。一口メモが三つも書いてあったでしょうが。
祐一:『も』とか言うな、どれも大差ないだろ!
瑞佳:…………はぁっ、もうどっちでもいいよ。
ここに出ると扱いが酷くなるって、みさおちゃんが言ってたけど本当だったんだ。
作者:基本的にここはゲストで遊ぶコーナーですからね。
瑞佳:出演、断ったほうがよかったかな。
祐一:まあ、瑞佳もあんまり気を落とすなよ。
瑞佳:……うん、そうするよ。
作者:話も纏まった所で、今回もあっという間に番組終了の御時間と相成りました。
祐一:回を増す毎に、短くなってないか?
瑞佳:たぶん本編の量と反比例して、作者の気分に比例してるんだよ。
作者:それでは、次のあとがき(楽屋裏)で会いましょう。では〜
祐一:誤魔化したな。
瑞佳:誤魔化したね。