恭也の精神世界の中で一臣との戦いが始まってから三分が経過した。だが…

「……はあはあはあはあ」

「……。」

恭也は息切れしているのに対して一臣の方は呼吸を乱していない。

三分間の攻防の中で恭也は勝負を焦ったことから『神速』を使っての攻撃を繰り返し行っていた為に、体力が殆ど無くなってしまったのだ。

しかもその攻撃も一撃で相手を倒すことを狙った大振りになってしまい、全くと言っていいほど当たらなかった。

それに対して一臣の方は一切攻撃をしていない。ただ避けるだけだ。それにも関わらず恭也を追い込んでいた。そして…

「……そろそろ受身は終わり。今度はこっちも行くよ」

そう言って鯉口を切る。その瞬間……


ドン!!


「ぐわあああっ!!」

恭也はいきなり吹き飛んだ。

(何だこれは?一臣さんはあの場から全然動いていないのに……)

恭也はそう思いながら三回バウンドするが、床に手を付いて衝撃を殺す。だが……

「ふんっ!!」

一臣は体勢を直す暇を与えずに恭也を横に薙ぎ払う。

「くっ!!」

恭也はそれをジャンプして避けるが……その時だった。

「やっと分かったよ。何で君が弱いのか……」

一臣は恭也に冷たく言い放つ。そして…

「君は闘いにおいて最も必要なものを忘れてしまってる。だから……簡単にやられる!!」

恭也の腹を右足で思い切り蹴る。


ドガッ!!


「がっ……」

恭也は今度は受身を取ることができず、道場にある太鼓にそのまま激突した。


Tear...

Story.37  闘いにおいて最も必要なモノ


(一体どういうことだ?闘いにおいて最も必要なものを忘れているとは?)

恭也は立ち上がって必死で考える。だが、答えは浮かばなかった。その瞬間……

                          いぬき
「小太刀二刀御神流 裏奥義之参  射抜!!」

「ぐわあああっ!!」

一臣の『射抜』により恭也は後ろに吹き飛ばされる。だが、そこで終わりではなかった。

                                なぎつむじ
「まだだよ。小太刀二刀御神流  奥義之六  薙旋!!

一臣の『薙旋』による追撃を受けて今度は道場の壁に激突した。

(つ……強い。これが不破家当主の実力か……。全く差があるじゃないか)

恭也は頭から血を流しながらも再び立ち上がる。そんな恭也に一臣は……

「なあんだ。こっちが少し本気になったら全然駄目じゃないか。そんなものか。ガッカリだなあ!!うん……本当にガッカリだ」

再び冷たく言い放つ。

「君は父親から一体何を学んだんだい!?と言うよりも月村忍と言う吸血鬼の娘と出会って忘れてしまったのかい?君の父親……士郎兄さんから学んだことを」

だが、一臣のその言葉を聞いて恭也はキレた。

「一臣さん……俺のことは何と言われても構わないが、忍のことを悪く言うのは……許さない!!」

恭也は『神速』を使って一臣目掛けて攻撃を仕掛けたが……

「ぐはあああっ!!」

攻撃する瞬間に恭也の方が倒れた。

「な……し……『神速』が通用しないだと?」

そう。恭也が『神速』を使って攻撃する瞬間に一臣は恭也の両肩を掴んで動きを止め、腹を蹴ったのだ。

「もう一度言うが、君は今まで一体何を教わってきたんだ!?士郎兄さんから『神速』にも破り方は存在すると教わらなかったのかい?」

「な…何!?」

「『神速』は一見破り方が存在しないと思われる歩法だが……破ることはできるんだよ。『神速』の使い手か『神速』に匹敵する歩法を習得した人間になら ね」

一臣はそう言って恭也の頭を掴んで床に叩きつける。


バキッ!!


その一撃で道場の床に穴が開いた。

「かはあああっ!!」

恭也は何とか立ち上がるが、その一撃で恭也の頭の出血はますます酷くなり意識もいつ失ってもおかしくない状態となった。

「ハッキリ言うけど、今の君は本当に弱いよ。と言っても腑抜けてるって訳じゃないから安心してよ。只……恭也君、今の君の剣には“覚悟”がない」

(何っ!?)

「確かに君の剣は“守る為”の剣だ。でも、それだけなんだよ!!」

(!!)

恭也は一臣のその一言に何も言えなくなる。

「思い出してみろ!!君と戦った『呪われた子供』はみんな“覚悟”して戦っていた筈だ!!」

一臣のその言葉に恭也は今までの『呪われた子供』との戦いを振り返ってみる。

(俺が戦ったことのある『呪われた子供』は二人。風音とフランシアだ。でも、この二人は戦い方が全然違っていた。でも、あの二人は“覚悟”して戦っていた。……?まさか、彼等にあって今の俺にない物って“覚悟”か?)

答えを出した瞬間恭也の意識は元に戻る。だが、ついさっきまでとは違い威圧感がある。そんな恭也を見て一臣は……

「やっと分かったようだね」

と笑顔で言う。

恭也は無言で自分の二刀の内の一本を鞘に戻し、もう一本の小太刀(亡き士郎の愛刀であった八景)を持った右手を上に伸ばす。

「行きますよ、一臣さん。“覚悟”だ!!貴方を斬る!!」

恭也はそう言うと八景に意識を集中させる。そんな恭也に一臣は……

                タオ
「へえ。この短時間でもう道まで使えるようになったか。なら僕も……それに応えなくてはいけないな」

そう言って一臣も自らの小太刀に意識を集中させる。

(“覚悟”……そう“覚悟”だ。避ける時は“斬らせない”、誰かを守る時は“死なせない”、そして……攻撃する時は“斬る”!!)

それから数秒後……刻は動いた。

                           こくう
「「小太刀二刀御神流 裏奥義之壱  虚空!!」」

二人は同時に自らの武器を振り下ろした時に発生した飛ぶ斬撃で攻撃した。だが……恭也の『虚空』による飛ぶ斬撃が一臣の『虚空』による飛ぶ斬撃を打ち破る。そして……


パキン!!


恭也の『虚空』によって一臣の小太刀は叩き折られた。

「馬鹿な!!」

一臣は互角だと思っていた自分の『虚空』が恭也の『虚空』に破れたので驚きを隠せずにいた。だが、それで終わらない。

                                         こせつ
「一臣さん……勝負ありです。小太刀二刀御神流 奥義之壱  虎切!!

恭也の『虎切』が一臣に迫っていた。この『虎切』は一臣も予想していなかった。

「くっ……間に合わない」


ザシュン!!


恭也の『虎切』が決まった。


一臣は『虎切』を受けたが、倒れなかった。だが、誰の目から見てももう戦える状態ではない事は明白だ。そして…

「……一回見せただけで『虚空』をマスターするとはね。まいった。僕の負けだ」

一臣はギブアップした。そして、その瞬間次の部屋の扉が現れた。しかし……

「えっ……一臣さんの身体が消えていく!?」

そう。一臣の身体は足元からどんどん薄くなって気が付くともう両足が消えていた。

「気にするな。君が僕に勝ったからこうなっただけだ」

「それはどういう意味ですか?」

「その様子だと士郎兄さんから教えられていないようだね。僕達は君に負けると完全成仏ってことであの世に戻されるんだ。そして、今僕の身体で起こっているのはその前兆って訳さ」

一臣は少しの笑みを含めて恭也に自分の身体に何が起こっているのかを説明する。

「一臣さん……貴方は自分が負けるとこうなることを承知で俺と戦ったのですか?」

恭也は一番知りたかったことを聞く。

「ああ、そうさ。月村邸での戦いから恋に溺れて闘いにおいて大切なものを忘れてしまった甥をどうしても放っておけなかったからね。ということで……先に行きなよ。相手はまだ後四人もいるんだから」

「で…でも」

恭也が迷っていたその時だった。


「いいから行け!!君はまだ未来がある人間なんだから!!」


一臣はそんな恭也に活を入れる。そして、当の恭也は何も言うことができず、扉まで進むしかなかった。

だが、恭也は扉の前で立ち止まる。そして……

「一臣さん……お手合わせありがとう……ございました……。」

そう言って一臣に向かってペコリと頭を下げ、この部屋から出た。


「ふう……やっと行ったか。最後の最後まで世話の焼ける子だ」

一臣は笑みを浮かべながら言う。だが、彼の身体はもう殆ど消えていた。

「でも……これで僕の役目は終わったし、まあいいか」

彼がそう言ったその時だった。

「……悪いわね。死人の貴方をあの子の精神世界に呼ぶ出しちゃって」

黒色の長い髪をした少女がそう言って一臣の前に現れる。

「……いいえ、気にしないで下さい。恭也君は祐一君と同様士郎兄さんよりも強くなる素質を持った剣士だから……。」

一臣は当然という顔で言う。

「そう?そう言ってくれるとありがたいわ」

少女はクスリと笑って言う。

「ところで……どうして貴女がこんな所に?」

「あの子を鍛えるためかな……。今の満身創痍のあの子じゃ次の相手で確実に死ぬからね」

少女はそう言うと恭也が使った扉とは別の扉を形成する。

                                         ステージ
「それじゃあそろそろ私は行くわ。いい加減行かないとあの子次の部屋に辿り着いちゃうから」

「ええ、彼を宜しくお願いします」

一臣はそれを最後にあの世へと帰って行った。そして……

「じゃあ、行くとしますか。あの子は私の子のライバルになる子なんだから」

少女も自分が形成した扉から恭也のあとを追う。


3月30日―――PM8:50  海鳴市  佐伯邸   リビング

その頃の風音達は……

「どう……落ち着いた?」

「ええ……さっきよりは」

風音はリビングで眞子の淹れたコーヒーを飲みながら答える。一応だが、眞子はコーヒーを淹れる前にこの家の家主である理恵から許可は取った。

「でも、北川君だったっけ…?彼と一体何があったの?」

「……。」

風音は眞子の質問に答えない。

「あっ……ごめん。今の質問忘れて」

眞子は風音がまだ立ち直っていないことに気付き、謝る。だが…

「まだ……うまくは言えないけど親友です。でも……彼に裏切られました」

「……。」

それを聞いて今度は眞子が何も言えなくなった。その時だった。


ドシン!!ドシン!!ドシン!!


「うぎゃ〜っ!!」

リビング近くの廊下で大きな音がして悲鳴が聞こえてきた。

「か…神楽」

「一応見に行きましょう。又、敵襲かもしれませんし」

そう言って二人はリビングをあとにする。


PM8:52  海鳴市  佐伯邸   廊下

風音と眞子が大きな音と悲鳴が聞こえてきた廊下に辿り着くとそこには黒髪の少年と首に鈴をつけた少女とブロンドの髪をした少女が折り重なって倒れていた。何故か眞子のボストンバッグを下敷きにして……。

そして、この廊下にいる人間の中で最初に放心状態から復活したのは眞子だった。

「あっ……朝倉と音夢にアイシア……。どうしてここに?……ってこれ私のボストンバッグ〜!!どうしてこんな所にあるのよ!?車に置いてきた筈なのに」

眞子は慌てて下敷きになっていた自分のボストンバッグを音夢達から救出する。だが……

「んっ……重い?」

そう。自分の想像以上にボストンバッグは重かったのだ。此処に来る前の荷造りの時にはそう重い物は入れなかったので軽い筈なのだが……今のボストンバッグは軽く10キロはある。

ジジ〜ッ!!

眞子はボストンバッグの中身を確認する。

「な……なのは。何でアンタが此処に……?」

そう。ボストンバッグの中に気絶したなのはが入っていた。どうやらさっきの悲鳴はなのはのようだ。

だが、ここで風音も放心状態から復活する。

「あの……眞子さん。一応リビングに戻りません?この人達のことも気になりますし」

「そうね」

こうして風音達はリビングへと戻る。ちなみにこのすぐ後に音夢達も放心状態から復活した。


PM8:54  海鳴市  佐伯邸   リビング

「二人に紹介するね。この三人は初音島って言う島から来た私達の友達なんだ」

「俺は朝倉純一だ。いきなりの登場で驚かして悪かったな」

「朝倉音夢です。名字は同じですが兄さんとは恋人です。そして、いつも親友の眞子がいつもお世話になってます」

「アイシアです。どうもはじめまして」

3人は眞子の説明の後に風音と気絶から目を覚ましたなのはに自己紹介をする。

「どうもはじめまして。高町なのはです」

そして、なのはも自己紹介をした。だが…

「でも、どうしてこんな危険な時にみんなして来たのよ」

眞子は浮かぬ顔をして質問する。

「暦先生からの依頼。お前等をこの街から脱出する手助けをしてくれって頼まれたからね。それと……これをさくらに渡す為だよ」

純一は鞄から一枚のディスクを取り出し眞子に渡す。

「これは……氷村遊の居場所を示すディスク。さくらちゃんに渡しておいてね」

音夢がそう言ったのを合図に純一達は立ち上がる。

「さあて……行くか。音夢、アイシア」

「ええ」

「はい」

純一の言葉に音夢とアイシアは頷く。しかし……

「何処へ行くのですか?折角会えたと言うのに……」

風音はそう言って純一達を引きとめようとする。

「何って……お前等がこの街から脱出できるように『夜の一族』を引きつけに行くんだよ。今、俺達の仲間の何人かがその役をやってるけどそろそろ行かないとみんなにドヤされるからな」

純一は笑顔で答える。

「それに……貴方には借りがありますからね。私達の命を懸けないと返せないほど大きな借りが……」

「えっ……?」

音夢の言葉に風音は驚く。だが、その音夢の台詞を聞いて眞子は「あちゃあ〜」という顔になる。だが…

「二人ともそろそろ行かないと……」

「「はっ!?」」

アイシアのその言葉により話は打ち切りとなった。

「まあ……音夢が言ったことは忘れてくれよ。意味なんか無いから」

「ええ、そうです。忘れて下さい(兄さんは後でお仕置き決定と)」

               くうかんてんい
「と言うことで失礼します。空間転移!!

アイシアの『空間転移』で純一達三人は自分達の仲間のいる場所へと向かった。


純一達三人が『空間転移』で去った後、今度はなのはの話になった。

「朝倉達が現れてから聞くのが遅くなったけど……貴女どうしてここに来たの?しかも私のボストンバッグに隠れてまで」

「そうですよ。桃子さんはこのことをちゃんと知っているのですか?」

最初に眞子が、続いて風音がなのはに質問する。

「……。」

なのはは答えない。だが、15秒経ってから何かを決心したのか口を開く。

「……私が此処に来たのは……戦う為です。翠屋で忍さんが暴れた時のことをお母さんから聞いた時に気付いたんです。私も風音お兄ちゃん達と同じと」

「「……。」」

なのはの告白に二人は何も言えなくなった。だが…少ししてから眞子が口を開いた。

「じゃあ、悪いけど少し胸をさわっていい?別に信じてない訳じゃないけど、一応なのはの言ったことが本当かどうか確かめたいから」

「ええ、いいですよ」

なのはの了解が取れたので眞子は彼女の胸に触れるが……

「……本当だ。肋骨が一本欠けてる」

言ったことが本当だと分かり絶句する。

「ということで私ももうこの街を離れないといけないんです。ちなみに…お母さんには無断で来ました。上手く説明できる自信が無かったから。ですから、私も風音市に連れて行って下さい。宜しくお願いします。」

話が一区切りついたところでなのはは頭を下げる。それに対して眞子と風音の二人は……

「そう言われてもねぇ……」

「無断で来たとなりますと……」

どうすればいいのか迷う。だが、その時だった。

「別にいいんじゃないの?」

いつの間にかさくらが来ていてなのはの頼みを承諾する。

「い……いつの間に」

「気が付きませんでした」

二人ともさくらがリビングにいたことに気付かなかったので少し驚く。

「いつの間に……ってお兄ちゃん達が去ってからすぐ後かな?ボクも君に興味があったから気配を消して話をずっと聞いてたんだ」

さくらはなのはに笑顔で言う。

「……でなのはちゃんの頼みだけど別にいいんじゃないの?彼女は風音君達とは違って御神流は使えないけど、ボクと同じように魔法は使えるみたいだから足手纏いにはならないと思うよ」

そう言って二人を説得する。だが、さくらの説得を聞いてなのはは…

「……あのうどうして私が魔法を使えると分かったのですか?一応魔力は消した筈なんですけど」

自分の正体が分かった理由を聞く。

「強いて言えば目かな。ボクみたいに何年も魔法使いをやってると相手の目を見ただけで自分と同じ魔法使いかどうなのかが分かっちゃうんだ」

「へえ、そうなのですか?私もまだまだですね」

なのははそう言って笑う。

「ということでなのはちゃんについては彩ちゃんにちゃんと言っておくから二人とも気にしないで」

さくらはそう言ってなのはについてどうするのかを決める。だが、その時だった。


「!!」


風音の顔色が突然悪くなる。

「神楽、いきなりどうしたのよ?大丈夫?」

「風音お兄ちゃん、どうしたの?」

眞子となのはは風音に声をかける。

「だ……大丈夫です。只、この街でとんでもないことが起こっていると感じて……そしたら急に気分が悪くなって」

そして、さくらはテーブルに置いてあるディスクに気が付く。

「ねえ、眞子ちんこのディスクは……?」

「あっ、それ?音夢がさくらに渡しておいてくれって。確か氷村ナントカの居場所が記してあるディスクって言ってたけど…」

さくらはそれを聞いてリビングにあったパソコンのスイッチを入れてディスクを入れる。

「ちょ……さくらどうしたのよ?」

「風音君の言葉とこのディスクからもしかして……『夜の一族』は」

さくらは眞子の言葉を無視してパソコンの画面に注目する。

そして、すぐに彼女達は気付くことになる。この海鳴市の正体と『夜の一族』がやった事に……。


同時刻   海鳴市  ???

「浸食率はまだ35%か……まだまだだな」

遊は多数のモニターを見て呟く。だが、その時だった。

「……どうやら神咲の一族も動き出したか」

一番右のモニターから神咲楓が耕介と薫を救助する場面を目にする。

「……この調子だと神咲一族は今回の戦いに参加するまで時間が掛かりそうだな。んっ…?」

一番下のモニターではフェイトとアルフが遊の部下と戦ってる姿を確認する。だが、数秒後に決着がつき遊の部下は全滅した。

「へぇ……俺の部下を倒すとは思ったよりやるじゃないか。それでは……」

遊はそう言うとモニターと直結しているスーパーコンピューターのキーボードを叩く。

「だが、平行世界の亡霊相手にはどうするかね?」

もう一度下のモニターを見るとフェイトが今度はなのはと戦っていた。だが、いきなりのなのはの登場に動揺しているせいか苦戦していた。

「楽しませてくれよ。平行世界の亡霊……と言うよりも親友相手に何処までやれるのかね」

そう言って次は一番左にあるモニターを見ると八束神社で未だに目を覚まさない恭也とそれを見守る那美が映っていた。

「まだ、目を覚ましていないのか。頼むから最終決戦までには目を覚ませよな」

遊はそう言ってモニターから目を離す。そして…

「Project Rスタートだ!!さあ早く俺の元に来い、相沢祐一……いや神楽風音!!この街が完全に元の姿……『本当の地獄』に戻る前にな……。」

と静かに呟いた。

to be continued . . . . . . .



あとがき

菩提樹「どうも菩提樹です。十一月ギリギリの完成になってしまいまして本当に申し訳ございません。さて、今回のゲストは…。」
フェイト「フェイト・テスタロッサです。今回はなのはが風音さん達の仲間になりましたね。」
菩提樹「はい、仲間になりましたよ。」
フェイト「でも、なのはは風音さんのことをどう思っているのですか?そこが一番気になりますが」
菩提樹「今のところは……ゲーム仲間ですかね。なのはちゃんと互角にゲームができるのは彼だけですから」
フェイト「じゃあ恋愛感情とかは……?」
菩提樹「どうしようか迷ってます。なのはちゃんまだ小学生ですから。」
フェイト「そう。チッ…。(舌打ち)」
菩提樹「あのう……フェイトさん?」
フェイト「いや、なのはもヒロインの一人だったら私もヒロインにしてと言おうと思ってたから。」
菩提樹「貴女……抜け目がないですね」
フェイト「ええ、貴方には平行世界の亡霊と言えども親友と戦わせたと言う罪がありますから。」
菩提樹「やっぱ気にしてますね。」
フェイト「ええ、すっごく。」
菩提樹「分かりました。少し考えさせてください。という事で読者の皆様からも風音となのはちゃんとの関係についてですが何か良い案がありましたら遠慮なく情報提供お願いします。」
フェイト「他力本願ですね。」
菩提樹「いいえ、只読者の皆様の意見をお聞きしたいだけです。それでは、次回も宜しくお願いします。」
フェイト「ものは言い様ですね。」
菩提樹「ゲフゥ!!(血を吐く音)」