3月26日―――PM6:00   海鳴市    藤見台墓地

時は少し前に遡り、風音達が去った後の藤見台墓地では・・・
 
??「・・・行ったか。」
 
神咲薫は風音達が去っていくのを確認して、墓地に入り「ある墓」で立ち止まる。
 
その墓は・・・風音達も訪れたAlisa Lowell(アリサ・ローウェル)の墓だった。
 
そして、薫はアリサの墓に花を供える。
 
それから暫くして・・・
 
薫「・・・祐一くんのことありがとうな。でも、そろそろ出てきたらどうなん?」
 
と墓に向かって言った。すると・・・
 
??「うん。ゴメン。ゴメン。」
 
その声に合わせてアリサが出てきた。
 
薫「いや、ええよ・・・。」
 
薫はそんなアリサにふっと笑う。
 
アリサ「薫。久し振りだね。元気してた?」
 
薫「ああ。元気しとるけど。那美達も相変わらずだし。」
 
アリサ「そう。良かった。ところで・・・彼女は見つかったの?」
 
アリサがそう言うと薫は何も言わずに横に首を振った。
 
薫「・・・いや。まだ見つかっちょらん。」
 
アリサ「そう。でも、今の薫じゃ復讐鬼と化した彼女には勝てないよ。」
 
薫「わかっちょる。彼女を止められるのは祐一くんだけという事くらい。」
 
アリサ「そうだね。だから、さっきユーイチに力を与えたけど・・・。でも、それでも今のユーイチじゃ勝つ事は出来ても、彼女は止められない。」
 
薫「そうや。だからこそ・・・うちがこれ以上犠牲者を出さない為にも早く彼女を見つけて止めんとな。力の差は歴然としとるけど・・・刺し違えてでも・・・。」
 
アリサ「・・・お願いね。彼女は・・・あの時の私そのものだから。」
 
薫「うん。絶対止めてみせる。彼女を・・・七瀬留美を・・・。後輩達を・・・綺堂さん達を死なせる訳にはいかないから・・・。」
 
薫はアリサの墓前で呟く。
 


Tear...
 
Story.17   HUNTERS
 


PM6:50―――海鳴市  ファミレスWest  Town前
 
杉並が到着してから数分後・・・Weat Townの駐車場では・・・。
 
駐車場に軍隊専用のワゴンが止まり、その中から数人の人が降りてきた。その姿からして軍人か賞金稼ぎと言っていいだろう。
 
??「・・・ここだな。」
 
??「ああ、奴等はこのファミレスにいる。」
 
??「情報どおりだな。クククッ。」
 
数人の男達は駐車場で会話をしていた。
 
??「でも、逃げられたらどうする?」
 
??「心配するな。その時の為にこのファミレスの周りに俺達以外にも25人の仲間を配置しておいた。それに・・・。」
 
??「あっ、なるほど。」
 
一人の男がポンと相槌を打つ。
 
??「そう。猟犬だ。これで奴等を簡単に取り逃がす事はまずない。」
 
賞金稼ぎの一人はそう言うと猟犬の頭をなでる。
 
賞金稼ぎ1「よし・・・。行くぞ。あのファミレスにいる奴等は全員殺せ!!特に神楽風音と白河ことりはな・・。」
 
そして、リーダーらしき男はポケットの中から手配書を取り出して数人の男達に見せる。それは・・・風音とことりの手配書であった。
 
                  ラジャー  
他の賞金稼ぎ達「「「「「了解。」」」」」
 
そして・・・男達はリーダーらしき賞金稼ぎに敬礼するとWest Townを包囲した。
 


同時刻―――ファミレスWest  Town

風音達はこれからの事を話し合っていたがその途中で・・・。
 
風音「はっ・・・。」
 
杉並「んっ・・・。」
 
風音と杉並は只ならぬ気配を感じた。
 
風音「杉並さんこれは・・・。」
 
杉並「囲まれたな・・・。」
 
風音「ええ・・・。敵は恐らく・・・30人位ですね。どうします?」
 
杉並「そうだな・・・。俺達二人で倒そう。婦女子達を戦わせる訳にもいかないしな。」
 
風音「そうですね。特にことりさんは僕の為に能力を使ったばかりですから相当疲れている筈ですし。」
 
杉並「よし。じゃあ行くか。」
 
風音「はい。」
 
そして、二人は席を立つ。
 
風音「すみません。ちょっとお手洗いに行ってきます。」
 
杉並「すまん。ちょっと俺も席を外す。」
 
二人はそう言って席を立とうとするが・・・
 
フィリス「杉並さんはいいですけど・・・。」
 
望「風音さん、トイレはいいですけけど逃げないで下さいね。」
 
眞子「まあ、もし逃げても追っかけるけどね。」
 
望と眞子に釘を刺された。風音は彼女達のその言葉に冷や汗を流すしかなかった。
 
ことり「望ちゃんに眞子ちゃん、それはちょっと言い過ぎ・・・。」
 
彼女達の言葉を聞いてことりも冷や汗を流す。
 

PM6:55―――海鳴市  ファミレスWest  Town前
 
風音達が外に出ると・・・誰もいないが人の気配でいっぱいだった。
 
風音「誰もいませんが・・・茂みとかに隠れていますね。」
 
杉並「ああ。しかも逃げた時の為に猟犬まで連れてきているな。」
 
風音「ええ。どうします?」
 
杉並「こちらから先制攻撃でもするか。俺達を狙う賞金稼ぎだからな。」
 
風音「そうですね。じゃあ行きますか。(やっぱりいたのですね。僕達を狙う賞金稼ぎって)」
 
                  そうう
杉並「ああ。まずは俺から。槍雨!!」
 
杉並がそう言うと、空から槍の雨が森に降り注ぐ。
 
 
賞金稼ぎ1「ぎゃあああああああっ!!」
 
賞金稼ぎ2「ぐえっ!!」
 
賞金稼ぎ3「畜生・・・能力か。」
 
賞金稼ぎ4「こ・・・こんなガキに・・・。」
 
賞金稼ぎ5「く・・・くそう。」
 
茂みから断末魔の声が聞こえる。
 
杉並「ふん。やはり、茂みに何人か隠れていたようだな。」
 
風音「そうですね。でも、きっとまだいますよ。」
 
風音がそう言うと同時にいろいろな場所から賞金稼ぎが現れた。
 
賞金稼ぎ6「いたぞ。50億が!!」
 
賞金稼ぎ7「しかも20億もセットだ!!」
 
賞金稼ぎ8「50億ゲ〜ット!!」
 
賞金稼ぎ9「いくぜ〜!!」
 
賞金稼ぎ10「ヒャ―ハハハ!!」
 
賞金稼ぎの一人がそう言うと一気に5人の賞金稼ぎが風音に向かって刀を振り下ろす。しかし・・・
 
                                                                                                かざとき
風音「貴方達相手にあまり使いたくありませんが・・・出でよ・・・「時」を司る太刀「時雨」!!そして、出でよ・・・同じく「時」を司どる太刀「風時」!!」
 
時空から二本の小太刀を出す。
 
そして、自分と相手との間合いがほぼ零になった時・・・
 

                             こらん
風音「終わりです。御神流奥義之弐 『虎乱』!!」
 

賞金稼ぎ達に連続攻撃を浴びせた。
 
賞金稼ぎ6・7・8・9・10「「「「「ぐ・・・ぐああっ・・・。」」」」」
 
風音の『虎乱』による連続攻撃によって賞金稼ぎ達は倒れた。
 
それを見て杉並は・・・
 
杉並「ふっ・・・やるな。この調子で行くぞ!!」
 
そう言って風音の肩を叩く。
 
風音「ええ。でも・・・殺すのは無しですよ。」
 
杉並「甘いな。だが・・・そこがお前らしくていいよ。」
 
二人は会話の後にまだ隠れている賞金稼ぎ達に向かっていった。
 


そして・・・20分後
 

      しんとう
杉並「伸刀!!」
 

賞金稼ぎ「ぐぎゃあああああっ・・・。」
 
杉並「よし。これで30人目と・・・。」
 
僅か20分で二人は自分達を狙う賞金稼ぎを全滅させた。
 
風音「・・・終わりましたね。賞金稼ぎを雇って僕達を殺すなんて「夜の一族」らしくありませんが・・・。」
 
杉並「ああ・・・。確かにらしくないな・・・あっけなさすぎるし。」
 

その時だった。
 
??「Good  Lack!!」
 
 
ドカンドカンドカン!!
 

何処からか爆弾が投げられそのまま爆発した。そして・・・仮面を被り黒いマントを羽織った男が現れる。
 
風音「まだいたのですか?」
 
杉並「・・・気をつけろ。コイツさっきの賞金稼ぎとは格が違う。」
 
風音「じゃあこの人は・・・「夜の一族」!?」
 
杉並「そうみたいだな・・・。」
 
そして・・・仮面の男が喋る。
 
??「チッ!!上手く避けやがって!!ブリャアッ!!だが・・・まあいい。これも愛する里村さんを手に入れる為の試練と思えばどおってことない。」
 
風音・杉並「「はあ!?」」
 
二人はマントの男の台詞を聞いて呆然となる。そして・・・
 
??「って・・・呆れやがって!!こうなったらこの仮面をはずす!!能力を使ってお前等一気に片付けるぞ、オラァ!!」
 
仮面の男はいきなりキレて仮面をはずす。そして、仮面が取り外されて素顔を表す。
 
杉並「・・・凄い波動だ。」
 
風音「ええ・・・でも、何でか知りませんが彼の顔をどこかで見た事があるような気がします。」
 
杉並「何っ!?」
 
杉並は風音のその台詞を聞いて驚くが・・・。
 
??「テメエらいつまで食っちゃべってるんだ!!そんなヒマがあったら俺との戦いに集中しろ!!ブリャアッ!!この「夜の一族」が
   ほたるび
一人蛍火が今からテメエ等を火葬してやるからなあ。オラァ!!」
 
風音「でも・・・今は戦うしかありません。」
 
杉並「そうだな。」
 
こうして、戦いが始まった。
 

風音達と蛍火との戦いが始まったのと同じ頃Weat  Townでは・・・
 
さくら「みんな・・・彼の事を聞きたいみたいだね。」
 
望「はい・・・。」
 
フィリス「ええ・・・。」
 
ことり「うん・・・。」
 
眞子「まあね。」
 
四人はその言葉に頷く。
 
さくら「いいよ。教えてあげる。風音くん今いないし。」
 
ことり達はそれを聞いて頭に?を浮かべる。
 
さくら「でも、これから話す事は決して風音くんに伝えないと約束して欲しい。それが守れないのなら話せない。」
 
ことり達はそれを聞いて驚き唖然とする。
 
眞子「ちょっとさくら・・・。それってどういう・・・。」
 
眞子はさくらのその台詞にたじろぐ。
 
ことり「眞子ちゃん・・・落ち着いて。分かりました。約束します。」
 
ことりのその言葉を聞いてさくらはやっと納得したのか口を開く。
 
さくら「彼の正体は・・・ことりちゃんの考えている通りだよ。」
 

ことり「えっ・・・。と言う事は・・・。」
 
さくら「そう・・・。神楽風音くんは君達が捜していた人・・・相沢祐一くんだよ。」
 
ことり達5人「えっ・・・。」
 
ことり達はさくらのその言葉に驚愕した。
 
 
 
to be continued ・ ・ ・


あとがき

菩提樹「どうも最近就職戦線の真っ只中で多忙な菩提樹です。さて、今回のゲストは・・・。」
さくら「芳野さくらです。やっと風音くん=祐一くんっていう事が分かっちゃったね。」
菩提樹「はい、そうですね。それに風音くんもパワーアップしましたしね。でもこれからが大変です。」
さくら「『ONE〜輝く季節へ〜』のキャラも登場決定したしね。」
菩提樹「はい、確かに。でも、最近は七瀬さんをいつ登場させるかで悩んでいます。」
さくら「でも、次の風音くん達の敵って「ONE〜輝く季節へ〜」で登場するあのキャラ?」
菩提樹「何の事ですか?」
さくら「ごまかしたね。(どう考えてもあのキャラだとしか思えないよ。)」
菩提樹「まあ、これから就職戦線が忙しくなりますので執筆も大変になってきますが、皆さんよろしくお願いします。」
さくら「またね〜。」