「Tear...」登場人物紹介
・神楽 風音(かぐら かざね)
このSSの主人公で本名は相沢祐一。「ゲーム」により親友や親戚達を失い、それ以後「夜の一族」や「龍」に追われる身に。「夜の一族」の黒葉たちとの戦いで傷つき、記憶を消された後、藤宮望とフィリス矢沢に助けられる。顔は女顔で長髪で記憶を失ったと思えない程戦闘能力が高く、頭も良いが、俗に言う無駄な事は全然出来ない。特技は料理とピアノ。能力は「時」で、御神流と併用して使っている。何故小太刀二刀御神流が使えるのかは今の所不明だが、「夜の一族」からは最も危険な「呪われた子供」としてマークされている。
「僕はただ…みんなの笑顔を守りたい。ただ、それだけ…ですよ。」
・藤宮 望(ふじみや のぞみ)
古流剣術藤宮一刀流の使い手で、高町恭也とは親戚の間柄。春休みを利用して義妹のわかばと共に親戚の高町家に遊びに来ていたが、その時に神楽坂で倒れていた風音(祐一)を助けた。風音に片想いしており彼の記憶探しを手伝う事になるが、それにより彼女も「夜の一族」との戦いに巻き込まれる。 能力は「衝撃波」 特技は剣術とダンス。心臓を患っていて、長時間の戦闘は不向き。
「一人で、何でも背負いこまないでください…。」
・フィリス 矢沢(フィリス・やざわ)
香港にある組織「龍」によって作られたリスティのクローン。(LCシリーズ)現在は海鳴大学付属病院の医師。重傷を負った風音(祐一)を能力を使って助けるが、この事をキッカケに彼女も望と同様に風音に片想いする事に。HGSという能力の使い手で、その能力の1つ「治癒(ヒーリング)」で風音を助けた。ちなみに他にも「フィールド」(バリアのようなもの)を張って攻撃を防いだり、空を飛ぶ事が出来る。同じHGSの能力者であるフィアッセ・クリステラとは同い年の親友という関係。
「まだ…続いてたのですか…。」
・白河 ことり(しらかわ ことり)
風音(祐一)の幼馴染で、彼女も祐一と同様「呪われた子供」の一人。CSSの関係者で歌が上手い。祐一とは10年前に出会っており、幼い頃から祐一の事が好き。誰とでも仲良くなれる器用さと明晰な頭脳の持ち主だが、辛い物と犬が苦手。朝倉純一の義妹であり恋人でもある朝倉 音夢を救う為に初音島を出て行った祐一を連れ戻す為に海鳴市に来たが、それは「龍」や「夜の一族」との戦いも意味していた。翠屋の店長である高町 桃子とは文通友達でフィアッセ経由で知り合った。能力は「旋律」で、その実力は風音に匹敵すると言われている。
「風音くん…あなたは…祐一くんなのですか…。」
・水越 眞子(みずこし まこ)
家は初音島にある大病院で大金持ちの次女。女性なのに男らし性格のせいで同姓にモテる。自分の家の財力を駆使して祐一の居場所を突き止めた。ことりとは親友であり、風音(祐一)をめぐってのライバルでもある。彼女もことりと同様に音夢を救う為に初音島を出て行った祐一を連れ戻す為に海鳴市に来た。彼女もことりや風音と同様「呪われた子供」だが、「夜の一族」からは「エーディリヒの狩人」として恐れられている。ガーベルコマンドーの達人で、「覚醒」の能力と併用して使っている。だが、その反面家事の方は全く駄目。
「かえろう…あいざわ…初音島に。」
・二見 美魚(ふたみ みお)
「人魚の肉」を食したと言われる二見一族の末裔で「呪われた子供」。夜道を歩いていた時に影人の影鬼に襲われたところを風音(祐一)に助けられ、それがキッカケで彼に片想いすることになる。最初は能力は持っていなかったが、里村茜の能力を継承し「氷雨」の能力を得る。と言っても戦闘経験が無いに等しいので能力者としてはまだ未熟。ちなみに祐一の後輩である美坂栞とは文通友達だった。
「誰かに守られるだけの自分はもう嫌だから…。」
・藤宮 わかば(ふじみや わかば)
藤宮望の義妹で、本当の父親は鳴風秋人。だが、この時点ではまだその事実に気付いていない。春休みを利用して望と一緒に高町家に遊びに来ていたが、彼女も次第に望やフィリスと同様に「夜の一族」との戦いに巻き込まれていく。だが、普段は望と共に「翠屋」を手伝ったり、なのはと遊んだりして、楽しく過ごしている。能力はフィリスと同様に「治癒」。だが、潜在能力は風音(祐一)と同様まだまだ未知数。
「神楽さん…。望ちゃんをお願いします。」
・高町 恭也(たかまち きょうや)
喫茶店「翠屋」の店長高町桃子の息子にして、「小太刀二刀・御神流」の、達人クラスの使い手。父の残した教えの通りに弟弟子の美由希に御神流を教えている。優しい性格だが、朴念仁でぶっきらぼうなところがある。「夜の一族」の直系である月村忍とは恋人である。風音(祐一)との出会いにより「夜の一族」そして「龍」との戦いに再び巻き込まれる事に…。
「忍は…絶対に守る。俺の命に代えても…。」
・月村 忍(つきむら しのぶ)
恭也の恋人であり自称「恭也の内縁の妻」。しかし、その正体は吸血鬼の血を引く「夜の一族」の末裔で、他人の血を飲む事によって、いろいろな能力を使う事ができる。かなりの天才でさくらの家の倉の中で眠っていたノエルを修理したのも彼女。風音(祐一)と翠屋で始めて会った時に、何故か風音に対して「殺したい」という衝動が湧き上がり、彼を襲った。
「貴方…「呪われた子供」でしょう。だから…死んでちょうだい。」
・綺堂 さくら(きどう さくら)
忍の叔母で彼女も「夜の一族」の一人。だが、彼女の場合は忍のように純潔ではなく、人狼と吸血鬼の血を引くワーウルフ・バンパイア。恋人である相川真一郎とは2年前に結婚した。風音(祐一)について何か知っているせいなのか、風音との関係はあまり良くなく、いつも何かを模索する。めっぽう酒に強く、占い好き。
「 そう…。ならいいけど。」
・神咲 薫(かんざき かおる)
400年来悪霊や妖怪を祓ってきた退魔・破魔の家系神咲一族の人間で霊剣御架月(シルヴィ)の初代伝承者。かつて所持していた霊剣十六夜(イザベラ)は現在では神咲家の養子となった耕介が受け継いでいる。風音(祐一)とは過去に会ったことがあるらしく、彼の過去についてはある程度知っている。最近の過激すぎる「夜の一族」の行動に不信感を抱いており、風音に協力する事に。ちなみに神咲那美は彼女の義理の妹。又、「夜の一族」狩りである七瀬留美を追っているが、詳細は不明。
「始まるんか…。うちらが今まで避けていた事が…。」
・芳乃 さくら(よしの さくら)
風音(祐一)がイギリスにいた時の友達で、朝倉純一の従姉妹。身体は幼い(小学生くらい)が、祐一に匹敵する頭脳の持ち主で、既に博士号を取得している天才少女。祖母がイギリス人で彼女も「魔女」の血を引く人間の一人。そして、同時に「呪われた子供」でもある。能力は「魔術」を駆使して戦う。鳴風秋人や月代彩とも知り合いでその関係は深い。祐一が初音島を出て行ったのは自分の所為だと言うが、詳細は不明。
「うん。そうだね。信じるよ…。」
・七瀬 留美(ななせ るみ)
風音(祐一)が華音市に引っ越す前にいた御音市でのクラスメートで親友で「呪われた子供」。彼が引っ越した後、クラスメート達と一緒に「ゲーム」に強制参加させられてそれにより親友の長森瑞佳や後輩の椎名繭、そして最愛の人である折原浩平を失う。又、「ゲーム」中に管理者であった月村安次郎に重傷を負わせたことから全世界から指名手配される。「ゲーム」終了後暫く行方をくらますが、「ゲーム」の被害者であり「呪われた子供」である川澄怜や雨流桐花を同志として反「夜の一族」組織「Sanctuary」を結成する。能力は今のところ不明だが、神咲一刀流の使い手でありその強さは綺堂さくらの祖父であるヴィクターや月代彩に匹敵すると言われている。
「ふう…ミッション・コンプリート。」
・杉並 涼(すぎなみ りょう)
朝倉純一や水越眞子の悪友。彼も「呪われた子供」の一人でことりの義姉暦にことりと眞子の監視を依頼されて海鳴市に来た。容姿端麗、スポーツ万能、成績も常に上位と言う風音(祐一)やことりに匹敵するパーフェクトなプロフィールを持つが、どうしようもなくブッ飛んだ性格でその全てをぶち壊しにしている。だが、戦闘になると人が変わり、冷淡な強さを発揮する。能力は「武創」で、刀や槍を出したり、自分の武器を強化してしたりして戦う。
「もう少し気楽に行ったらどうだ…。」
・月代 彩(つきしろ ひかり)
謎の多い少女。十年前の「夜の一族」との戦いのメンバーの一人で当時の最高実力者。十年前から姿は変わっておらず、何か謎がある人物。望たちの故郷風音市に住んでいて、普段は街外れで小さな不思議雑貨店「九月堂」の経営者。いつも客は居ないが生活には困っていない。人との関わり合いを極端に避ける傾向があるが、話せないわけではない。人間的に冷たい印象をもつように振舞っているが、意外とドジを踏みやすい。ちなみに名雪の母 水瀬秋子や恭也の父 不破(高町)士郎とは十年前の戦いを共に戦った仲間である。能力は今のところ謎だが、彼女も望と同様古流剣術の使い手。
「また、戦いが始まるのですね…。」
組織一覧
「夜の一族」
150年前に日本が開国したのと同時に北欧から入ってきた一族。そのほとんどが吸血鬼であり、血を飲む事によって能力を使う事ができるし、殺さない限り死なない。日本に入ってきたと同時に瞬く間にこの国の経済を支配し始め、たったの30年でこの国の経済の83%を手中に収めた。又、この国での影響力も物凄く、時折退屈凌ぎに「ゲーム」と称して人道に反する行為を行う。その為、「夜の一族」に敵対する勢力も十年前から急増している。香港マフィア「龍」と関係を持つ人間も存在する。又、風音市にある「ちから」を狙っている。
「龍」
香港マフィアで「夜の一族」の資金で動いている。主にテロや暗殺などを行う。「戦争屋」と名高いが、基本的には謎が多い。だが、「御神一族全滅事件」に大きく関わっており、恭也達御神一族にとっては宿敵でもあり、「夜の一族」と同様に風音市にある「ちから」を狙っている。又、HGSの研究も秘密裡にやっているという噂もある。部隊は全部で六つの部隊から構成されていて、一番隊から強い順に並んでいる。
「香港国際警防部隊」
陣内啓吾によって造られた対テロ組織。中国最強、あるいは、東洋圏最強の名を欲しいままにする警察機構だが、徹底した実力主義の為に、元その筋の腕利きも多く、あまり評判がよくない。美由希の実母美沙斗も現在ではこの組織に所属している。だが、総力を挙げて「龍」を潰そうと考える人間は少なく、この事から幹部の中に「龍」のメンバーが混ざっているとの噂もある。
「神咲一族」
400年の歴史を持つ退魔・破魔の一派で、かなりの実戦剣術の使い手が多い。主に日本全国に退魔師・破魔師を派遣しており、その町々で派遣された神咲一族のことを「守護者」と言う。だが、八年前の「夜の一族」である氷村遊が起こした事件には全く関わっていないという謎の部分も存在する。
「Wind」
十年前に「夜の一族」の過激派と戦った組織。最高責任者は月代彩で、その他のメンバーとしては丘野信吾や水瀬秋子、不破(高町)士郎が存在していた。「夜の一族」の過激派を全滅させた後に一時解散したが、1ヶ月前に起きたある事件を理由に再結成される。しかし、かってのメンバーである水瀬秋子や不破(高町)士郎は既に死んでおり、戦力不足の状態となっている。ちなみに望やわかばも「Wind」のメンバーである。
「CSS」
クリステラ・ソング・スクールの事で、創設者は「世紀の歌姫」と名高いティオレ・クリステラ。現在はその娘であるフィアッセ・クリステラが校長を務める。毎年大規模なチャリティ・コンサートを行っているが、それにより「龍」とは敵対している。その為、十年前からボディガード育成にも力を入れ、生まれつき肋骨が一本欠けて生まれた子供「呪われた子供」(英語で書くと「a ill−hated child」)を世界中から集めて、ボディガードもしくは音楽家として教育している。ちなみに風音(当時は祐一)とことりもそれによってCSSに入学した。
「Sanctuary」
御音市の「ゲーム」の生き残りである七瀬留美が結成した反「夜の一族」組織。当然の事ながら「龍」とも対立しており、その点から「香港国際警防部隊」とはほぼ同業組織と言っていい。だが、やり方は過激で戦い方に容赦が無い。その為、各国の「死の商人」(軍産複合体)にも敵視されている。世界規模最近は主に日本で活動しているが、本部はアメリカ。組織自体が巨大だが、そのバックには反「夜の一族」的な巨大企業がついている。