Miracle tea

process 17  学校での昼休み











   結局、昨日は望とわかばに会いに行く事は出来なかった。

   えっと、今日は彩は九月堂か。

   取り敢えず、もう昼だからあゆに会いに行くか。

   俺は彩が作ってくれた弁当を持って外に向かった。

   今日は天気がいいから、少し暑いが外で食べよう、とあゆと約束していた。

   まぁ、そんな理由で中庭に向かった。












あゆ「祐一くん!」

   中庭に着くと、木の下にあゆが座っていた。

   何故か、鳴風(娘)と一緒に。

みなも「こ、こんにちわ…」

祐一「あ、ああ」

   予期しなかった人物の登場に、少しだけうろたえてしまった。

あゆ「早く食べようよ」

祐一「…そうだな」

   心を落ち着かせて、俺はあゆの隣に座った。

   鳴風とは反対の位置だ。

あゆ「やっぱり美味しそうだね」

祐一「そう思うか?」

あゆ「うん」

   そう言ってもらえたことが自分の事のように嬉しかった。

あゆ「月代さんって、料理上手なんだね。ちょっと羨ましいよ」

   うんうん、と首肯する。

   やはり、自分の恋人がよく言われるのはいいものだ。

みなも「あの…月代さんって、月代彩ちゃん?」

祐一「知ってるのか…って、知ってたっておかしくはないか」

   真も橘も…とにかく、あいつら経由の知り合いはみんな知ってたわけだし、こいつが知ってたって問題はない。寧ろ、関係ない。

みなも「うん…そうかも」

   鳴風は複雑な表情で頷いた。

みなも「さも当然、みたいな言い方は好きにはなれないです」

祐一「俺はそんな言い方はしてない。真が彩を知ってたから、仲がいい君が彩を知ってたって不思議じゃないって話だ」

   話が通じないっていうのは結構苛つくんだよな。

   ま、どうでもいいことっていうのもあるわけで。

   別に、鳴風と彩が知り合いでも、そんなことはどうでもよかった。






























みなも「あの…相沢君」

   教室に帰ろうとして、鳴風に呼び止められた。

祐一「何かあるのか?」

みなも「お父さんから、これを預かってて…」

   鳴風は紙袋を差し出した。

祐一「中身は?」

みなも「知りません。開けるなって言われてたから」

   俺は袋を受け取った。

   中からは金属のぶつかり合う音が聞こえた。

みなも「お父さんと知り合いなの?」

   俺は首肯で返し、袋を開けた。

祐一「マジかよ…」

   中身を見て驚いた。

   MOD※。ナイフが二本だった。                  ※MOD…Mater Of Defenceの略。本当にあります。

   勿論、抜き身じゃなくて、皮製のホルダーに収まってる。

祐一「ありがたく貰っておきます、と伝えておいてくれ」

みなも「あ…うん」

   改めて、教室に向かう。

   MOD……おそらく、昨日あれから買ったものだろう。

   名前の意味を考えると、彩を殺すために買ったものには思えない。

   成功させろ、と言いたいか。

   まぁ、こいつの存在は嬉しい。

   刀は今日の放課後には確実に折れるだろうから。

   嫌な予感っていうのは何故かよくあたるし、そういうときは物事が都合いいくらいに巧くいくことはまずない。

   それに、そろそろわかばが隠し事に耐え切れなくなっていてもおかしくはない。

   それを考えると、望との正面からのぶつかり合いになってもおかしくはない。

   俺は、もう二度と彩に剣を取らせたくはないから、俺が守らなきゃいけない。

   真が言っていたように、望が剣の達人であるならだが。

   嘘だとは思わないが、自分の目で確認したわけじゃない。

   完全に信じるのは危険だ。

   とは言っても、彩の言う事なら何でも信じるけど。

   とにかく、考えるよりも先に覚悟を決めるべきか…















セナ「一応はKanonSSだから、他のキャラもだしとかないとね」

あゆ「うん。それは間違ってないと思うよ」

セナ「まぁ、もうちょっとで完結だしね」