Miracle tea

ボツ設定の数々






セナ「というわけで、ボツにした設定を公開します」

祐一「まず何だ?」

彩  「process15のキスの後です」

祐一「何で?」

セナ「最初は同意なしの予定だったから…」

祐一「は…?」

セナ「でも、それやると話に収拾がつかなくなるからやめたんだよね」

彩  「ですから、当初はその後に予定されていた霞さんとみなもさんが狙われるという話が全面カットになりました」

セナ「しかも、公園での出来事に彩が祐一に敵愾心を抱くという設定だったから」

祐一「ドロドロになる予定だった?」

セナ「ウィ、ムシュー」

彩  「フランス語ですか?意外と上手ですね」

セナ「メルシーボクゥ」

彩  「さて、次はそのままの流れで到達するクライマックスです」

祐一「というと?」

セナ「彩と望が戦ってて、君と真が颯爽とドマーニで登場するっていうシーンとか」

祐一「これは…」

セナ「初期プロット」

彩  「実は、これによって話の内容が完璧に変わってクライマックスも完璧に違ったんですよ」

祐一「え?」

セナ「ちょっとだけ再現してみますね」
















   俺は視界に望と彩の姿を確認する。

真  「祐一!!」

   言われなくてもわかってる。

   望と彩の間にドマ―二を割り込ませて、ドリフトを決める。

祐一「何とか間に合った」

   俺はヘルメットを脱いで、ドマ―二から降りた。

彩  「まだ賭けに拘るんですか?」

祐一「いや。俺と君の事…その全てに決着をつけに来た」

彩  「何を…?」

   訝しがる彩を無視して、俺はナイフを抜いた。

   そして、自分の腕に一条の線を引く。

   そこから流れる、真紅の液体。

彩  「ひ……ぁぁあ…あぁ………」

   俺は、彩が血液恐怖症である事を知っていてこの行動を取った。

   刃物で人を切れば、血が流れるという事を教えるために。




中略



   俺は逃げ出した彩を追って、神社の神木の傍までやってきた。

彩  「あなたは……私から剣を奪った。もう、風に何もしてあげられない」

   彩は神木に背を預けながらこっちを向いた。

   そこには、俺と剣を交えた悠久の時を生きる少女はいない。

   ただ、恐怖に怯える少女がそこにいた。

祐一「目を…逸らしてただけなんじゃないのか?」

彩  「そうかもしれませんね。あれだけの人の命を奪っておいて、自分の命はかけられないのですから」

祐一「何だ。わかってるんじゃないか」




中略



祐一「最後にさ、こいつを飲んで採点してから行ってくれないか?」

彩  「どうしてですか?」

祐一「本来の目的と、最後の賭けさ」

彩  「どんな賭けを?」

   俺はポットからお茶をコップに注ぎ、彩に手渡した。

祐一「簡単さ。完璧ならもう二度と戻ってこなくてもいい。だけど、そうじゃないなら、いつか戻ってきてくれ」

彩  「私が嘘をつけば簡単にあなたの負けですよ。それでもいいんですか?」

祐一「ああ」

彩  「わかりました」

   一口、口に含んだ。

彩  「………」

祐一「………」

   一瞬の沈黙。

   それが、永遠のように長く感じられた。

彩  「駄目…です。まだ、改善の余地はあります」

祐一「なら、賭けは俺の勝ちだな」

彩  「どうして…こんな心残りを作ってしまうんですか?」

祐一「彩に、本気で完璧だって、言わせたいから」

彩  「馬鹿です。あなたは馬鹿ですよ…」

祐一「わかってる」

彩  「では、行ってきます」

祐一「あぁ。必ず帰ってこいよ」





以下略




セナ「こんなのになる予定でした」

祐一「何か、こっちのほうが壮大な話って感じがあるな」

彩  「そうですね」

セナ「さ、次」

祐一「まだあるのかよ」

セナ「あるんです」

彩  「process19と20の間にひなたさんと過ごす一日があったはずなんですけど」

セナ「話数の都合でカット」

祐一「鬼だ」

彩  「後は、最終話の琴葉さんの話の一部のカット。あのお手玉の持ち主の女の子との会話。process19後のわかばさんの行動もカットされています」

祐一「やりすぎじゃねぇか?」

セナ「かもね」











セナ「では、ここまで読んでくださった皆様、掲載させていただきましたtaiさん、本当にありがとうございました。続編は子作り日記になっちゃいそうなので作りませんが、何度かこの話を読み返していただければ、とても嬉しいです。また、読んでるけど、感想なんか書いたことないぞ、という方。感想をいただけるととても嬉しいです。
   以上、セナでした」