俺と優華さんのキスを見てたからなのか
 
 
もの凄く怒っている
 
 
水瀬名雪
 
 
美坂 栞
 
 
川澄 舞
 
名付けて修羅三人衆がボロボロな北川を背負い・・・・・・・
 
 
 
 
立っていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
           Kanon大走査線
                        〜相沢祐一を確保せよ!〜
                                                      最終回
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
こういう状況を修羅場と言うのだろうか?
 
 
 
 
 
 
 
 
店の奥にある座敷にはテーブルを挟んで
例の三人と優華さんが対峙している。
 
正直言って何が起こるのか全く検討がつかない
 
 
まぁ・・・・今とりあえず俺に出来ることは
四人の好物をそこら辺のコンビニで調達してくることだけだ
 
こういう時、男と言うのは全く役に立たないなぁ・・・・
 
 
と店から逃げ出しながら思ってみたり。
 
 
 

 
 
 
 
 
夏なのに、今この時、この場所だけ、冬になっていたのかもしれない
 
 
 
そう北川 潤は
後に語ったという。
 
 
祐一が自転車で逃亡後
修羅達はもの凄い形相で優華を睨みつけている
 
 
怖い。
 
北川はそう思った
 
 
 
 
優華を見てみると
彼女は何食わぬ顔でお茶を飲んでいる
 
強者。
 
 
 
この無言の時を破ったのは
祐一の従姉妹である
水瀬名雪であった
 
「失礼ですが・・・祐一とどういったご関係で?」
目が鋭い
それに便乗するかのように
 
 
「そうです!貴方は祐一さんの何なんですか!?」
栞も言う
 
 
 
 
 
「関係?・・・・関係ねぇ〜・・・・」
優華は少し考えるように呟くと
 
 
 
 
 
 
 
爆弾を落とした。
 
 
 
 
 
 
 
 
「関係は・・・キスするような関係かな?」
 
 
 
 
がしゃん!!
二人は一斉に持っていたコップを落とす。
 
「え・・・えぇぇぇ!!?」
「・・・・・・えうー・・・」
 
耳たぶまで紅く染まる二人
こう今にも頭から湯気が吹きでそうだ
 
「どうでもいいけど早く祐一を返す」
 
今まで無言だった舞が言った。
 
「祐一を返す?・・・どうして?」
 
「祐一は私達と一緒に帰るんだよ!」
「そうです!祐一さんはあたし達と帰るんです!」
 
 
どうやら立ち直ったらしく
二人はさも当然のように言い放つ
 
「返さないって言ったら?」
 
「その時は力づくでも連れて帰る・・・・・
 
再び不穏な空気が辺りに流れ始める・・・・・
 
 
ちゃき・・・・
舞が腰から警棒を取り出す
護身用のヤツだ
 
「・・・上等だよ・・・相手になってあげる!」
 
 
かくして女4人無制限バトルロワイヤルがその火蓋を切った。
 
 
 
 
 
 

 
 
 
「ただいま〜・・・・」
おそるおそる店の扉を開ける
手にはコンビニの袋が一つ
全てみんなの好物だ
 
「あれ?・・・祐一お帰り」
「え?・・・はいただいま」
 
 
目の前には缶ジュースを飲んでいる優華さんが居た。
 
「優華さん?・・・あいつらは?」
 
「・・・・ああ?・・あの娘達ならそっちの部屋で寝てるよ」
 
「・・・・・・・・何したんですか?」
 
「ん?・・・・ちょっと襲われたから一人ずつ首に当て身をね」
「・・・・なら良いです」
 
俺は買ってきたモノをテーブルに置く
「優華さん・・・はい・・好きでしょ?だんご」
そう言いながらだんごのパックを袋から取り出す
「うん・・・」
 
ぱくっ
 
優華さんがだんごを食べ始める
 
「・・・・なに?」
 
優華さんが怪訝そうな顔でこちらを見た
どうやら
俺が見ていたのに気づいたようだ
 
「いや・・・只単に幸せだなぁ〜って」
「何それ?・・・あたしの食べてる姿がそんなに変?」
 
そういいながら又ぱくっとだんごを食べる
 
「ねぇ・・・祐一」
 
だんごを全て食べ終わった優華さんが言った
 
「あたしね・・・・・っつ!!」
 
突然何かを言いかけた優華さんがテーブルを押しのけ
俺に抱きついてくる
優華さん
そう言うことは
昼間じゃなくて夜にやりましょうよ
 
「何言ってんの!?こんな時に!!」
 
あれ?聞こえちゃってました?
 
「どうせわざとでしょ?」
「もちろん・・・・で・・・どうしたんですか?」
「んー・・・あえて言うなら封印が解けたかな?」
「封印?」
 
 
 
嫌な予感がするなぁ
 
 
 
バン!!
 
襖が勢いよく開く
 
 
予感的中
 
 
そこにいたのは微妙に上気した顔の例の三人衆であった。
目がやばい
なんて言うか・・・血に飢えた野獣のような・・・
 
 
「ぼさっとしてないで!!逃げるよ!」
優華さんが俺の手を掴んで走り出す。
 
何処に行くんだろうね?
 
後ろからは追っ手がやってくる
その速さは通常の3倍
このままでは追いつかれるのも時間の問題だ
 
 
「祐一!!待つんだお〜!!」
「祐一さ〜ん!!」
「祐一・・・・・待たないと・・・・・・・・・斬る」
 
うわっ・・・・絶対に待ちたく無くなってきた。
特に最後
 
 
「こっち!!」
優華さんが曲がる
 
 
 
そこには・・・・
何故か大型のジープがあった・・・・
 
なんで?
 
「早く乗って!!」
 
ぐいっと車内に押し込まれ
 
ジープは急発進する
 
ぎゅるるるるるる!!
 
「あっ!・・車なんてずるいです!」
「卑怯なんだお〜」
「・・・・・・」
 
後ろから怨念の籠もった
声がするが
 
俺にどうしろと?
 
 
そして車は道路へと飛び出し
 
そのまま名雪達の前から走り去っていった・・・・・・・。
 
 
 
 
 
どのくらい進んだのだろうか?
あと小一時間と言ったところで夕方になるそんな時間
 
 
 
 
 
「ねぇ・・・祐一?」
車を運転しながら優華さんが言った。
 
「何ですか?」
「えーっと・・・その・・・なんて言うかな?・・・」
 
いつもの優華さんらしくない
 
「どうしたんですか?いつもの優華さんらしくないですよ?」
「ん〜・・・・そうなんだけどね・・・ほら改めて言うとなると勇気がいるじゃない?」
 
優華さんの顔は今にも爆発しそうなぐらい紅い
 
 
・・・・なるほど
そう言うことか
 
「えっと・・・あのね?・・・あたしはゆ「優華さん」・・・・・・・何?」
最後まで言わせなかったせいか
少し目がつり上がっている
 
「優華さん・・・一度しか言いませんから良く聞いてくださいね?」
「・・・・わかった」
 
 
 
 
 
「俺、相沢祐一は・・・・」
 
 
 
 
一旦言葉をきり
 
 
 
 
想いを告げた
 
「世界の誰よりもあなたを愛しています。」
 
 
「あっ・・・・・」
優華さんの顔が嬉しそうに紅潮する。
 
 
そして・・・・
 
 
「・・・・・・あたしも祐一をこの世界の誰より愛しています。」
 
そう互いに想いをうち明けながら
車内で重なり合う二人
 
 
 
 
こうして俺たちの旅は始まった。
だがそれは長く険しい道のりなのかもしれない・・・・
 
でもそんな道も優華さんとなら乗り越えられる
 
そう信じている。
 
 
 
 
 
 
 
FIN
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
エピローグ
あるいは始まり
 
 
 
 
 
 
長かった夏休みもとうの昔に過ぎ
 
俺は今、休み前と変わらぬ日々を過ごしていた。
 
まぁ・・・・変わったことと言えば
幾つかあったりもする
 
一つ目は名雪が一人で普通に起きるようになったこと
 
二つ目はみんなからの『奢れコール』がなくなったこと
 
そして最後の三つ目
休みになると
優華さんが車で遊びに来てくれることかな?
 
 
 
 
ちなみにのろけです・・・はい
 
 
 
 
北川なんかマジで悔しがってたからな〜・・・・
 
 
 
 
 
そう言えばこの前いつもこっちに来てもらってばかりなので
今度は優華さんの家に行こうとしたら
「やめて・・お願いだから」
と涙で訴えられてしまった・・・・
 
 
何故?
 
 
いまでも優華さんの家は謎です。
 
「これで良しっと・・・・・」
俺はノートを閉める。
 
「あら?・・・相沢君なに書いてたの?」
「ん?・・・ああ日記をな・・・」
 
「なんだ相沢お前日記なんて書いてたのか?」
横から北川が聞く
 
「まぁな・・・・でお前何しに来たんだ?
 もうすぐ授業が始まるぞ」
「・・・それがなちょっとしたビックニュースがあってね」
「・・・・・で?」
「今にわかるさ」
 
そう言って席に戻る
何なんだ?
 
 
しばらくすると
担任の石橋が入ってきた
 
「あ〜席に座れ・・・今日はお前達に紹介する人がいる・・・」
石橋は入って来るなり
そんな事を言った。
 
 
「実は今日から教育実習生が来ることになった・・・では入ってきてください」
 
がらっ
教室の扉が開く
 
 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ・・・・
 
 
                   ・  ・  ・  ・  ・
今、壇上の上では教育実習生とやらの自己紹介が始まろうとしている
男子どもは大喜びだ
なにせ
 
 
 
 
 
女の人だし
 
 
 
石橋が止めても聞きもしない
 
・・・・ん?
ふと北川の方を見ると
 
にやり
 
と笑っていやがった。
 
そうか・・・あいつ知ってたな
 
 
俺はこれからおこる
 
出来事から今だけでも逃避するため窓の外を眺める
 
 
 
「え〜っと・・・渡 優華です 2週間という短い時間ですがよろしくお願いします。」
 
 
 
あぁ・・・いい天気だなぁ・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
おそらく外伝に続く
 
 

後書き
 
 
 
ここでこのお話はひとまず終了です
あとは外伝を2.3回ぐらいです
 
いかがでしたでしょうか?
 
最後は少し詰めすぎの様な気がしますが
 
 
そういや・・・かのんきゃら全員だしてないなぁ・・・・(美汐とか)
まぁ・・・・外伝での出番待ち!・・・という事にしておいてください(汗
 
 
そういう訳でして
 
いままで応援してくださった皆様ありがとうございます。
 
 
次は新しい長編か、これの外伝で