※このSSは、かなりご都合主義があります。 そういうのが嫌いな方は読むのを控えたほうが良いかもしれません。
あと、全員生き残ってたり、誰かのED後とかそういうのもありません。 その辺は気にしないでください。
4月某日 天気は快晴。
俺……衛宮士郎は公園の真っ只中にいる。
周りにはきれいな桜の木、俗に言う『お花見』だ。
4月には恒例となるこの行事も、藤ねえの「お花見するぞー」の声ですることが決定したのだが……
何で、こんな面子になったんだ??
お花見 衛宮一行の場合
「どうしたの士郎? そんなしかめ面をして」
「先輩、なにかいやなことでもあったんですか?」
「シロウ、体調が優れないのですか?」
発案者である藤ねぇ、家族同然である桜、俺のサーヴァントであるセイバー。
そして、桜のサーヴァントであるライダーもいる。
この4人は問題ない。
「へぇ、なかなかきれいな桜じゃない」
「確かにこれはきれいな桜だ……この女狐さえいなければ良いのだが……」
「たまにはこういうのもいいわよね〜」
次に、遠坂と一成と美綴だ。
こいつらは俺が誘ったからOKだ。 もちろん、アーチャーも来ている。
「ふむ……こういう席での酒は悪くはない。 一杯飲むのが楽しみだ」
「宗一郎様、お供させていただきますわ」
「ならば私も同席させていただこう」
さらに、葛木先生にサーヴァントのキャスター、アサシン(偽)までいる。
俺は誘ってはいないが、寺に一緒に住んでいる一成に誘われたんだろう。
ここまではいい。
しかし……
「ふーん、日本ではこんなお花を見て楽しむんだね」
「■■■■■■ーーーー!!!!」
何故いるイリア……俺は誘った覚えはないぞ……
って言うかバーサーカー、叫ぶな。 うるさい。
しかも、体がでかいから結構邪魔だぞ。
そして、おまけにこの3人……
「へえ、お祭りみたいなものとは少し違うな」
「ふん、雑種どものやることだ。 くだらないに違いない」
「それなら帰ったらどうだ? ギルガメッシュよ」
青タイツに金ピカ、エセ神父が何故いる……
お前らがここにいる理由が分からん……
因みに、アサシン(真)やバゼット、慎二などはいない。
キャラとして扱いにくいかららしい。
「む、どうした雑種よ。 何思いつめているんだ?」
ギルガメッシュにしては珍しく、他人の心配をしてきた。
お前らが悩みの種なんだがな……
「なあ、お前らやイリア達は何故ここにいる? 誘った覚えはないぞ?」
とりあえず、聞いておくだけ聞いてみる。
何か分かるかもしれん。
「あ、私は盗ちょ……じゃなくて、愛の力で分かったんだよ♪」
なるほど、イリアは俺の家に盗聴器を仕掛けているか。
帰ったら探索&イリアお仕置きを考えなければ……。
「気にするな、衛宮士郎よ」
「気にするに決まってるだろ」
「ふっ、ならば教えてやろう。 我々はランサーによる偵察だ。 ランサーにかかれば簡単に分かる」
「あ、ちょっと待てよ。 それは言うなって言ったろ」
言峰たちはストーキングか。
訴えれば簡単に勝てそうだな。
ってか、本当に言うとは思わなかったぞ。
「あーもう、何人いてもいいじゃないの士郎。 お腹減ったから早く食べようよ〜」
「タイガの言う通りですシロウ。 私も早く食事を取りたいのですが……」
むぅ、我らが食の大魔神様たちがご立腹になってきている……
しょうがない、早く弁当を食うか。
「わかったよ。 それじゃあ食べる準備をしよう」
「今日は先輩と私と姉さんが、腕によりをかけて作った弁当ですよ」
「朝早く起きるの、大変だったんだからね」
そう言いながら俺達は弁当を準備する。
重箱に詰められた弁当は和洋中そろってて、どれも美味そうだ。
我ながら、よく作ったと思う。
因みに和が俺で洋が桜、中が遠坂だ。
「うわぁ、流石士郎たちね。 お姉ちゃん、感激だよぅ」
「いつもながら、素敵な食事ですね」
普段から良く食べる(異常なまでに)、食魔人様の二人は喜んでいる。
「ふん、それなりに上手くは出来ているな……」
「素直に、褒めたらどうですか? アーチャー」
ライダーに言われたアーチャーは、赤くなりながらそっぽを向いた。
まあ、あいつが素直に褒めることはないだろうしな……
こっちが準備している間に、一成や美綴も持ち寄ってきたものを準備している。
「野菜が主体の精進料理だ。 寺の修行僧達が作ってくれた一品でどれも美味だぞ」
そう言って、重箱を並べていく。
言うだけあって、どれも上手そうだ。
そんな中、美綴が苦笑いをしながら弁当を持っている。
何故かまだ、蓋を開けていない。
「どうしたんだ美綴? 早く並べるぞ」
「いやぁ……みんなのを見ていると、あたし自信がなくなって……」
「心配要らないよアヤコ。 誰も馬鹿にしないって」
「そうだぞ嬢ちゃん。 心がこもっていればいいんだよ」
イリヤとランサーが勇気付ける。
他のみんなも、うんうんと頷きながら肯定している。
「そうか……じゃあ、開けるぞ……」
そう言って美綴は、重箱を開ける。
それを見ようと、重箱を覗き込む他全員。
「「「「「こ……これは……」」」」」
全員が息を呑む。
「あたし……ちょっと料理は苦手で……」
あははと言いながら、手で頭を掻く美綴。
しかし、これは苦手どころではないと思う。
見た目があまりにも酷いのだ。 それはもうこれ以上ないというぐらいに。
だが、誰も酷いとは言い出さない。 馬鹿にしないと言った手前、言えないのだ。
たった一人を除いて……
「……主将、これ本当に料理ですか?」
誰もが言えない禁句を、桜が爆弾投下してしまった。
しかし、次の瞬間………
ぐいっ!!
ザシュ!!
パァァァンッッ!!
(中略)
ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!
ザッバーン!!!!!!!
とりあえず、何があったかを記しておこう。
爆弾発言した桜は、イリアに襟をつかまれて上体を起こされ……
セイバーによって斬られ……
藤ねぇの虎竹刀で面を喰らい……
アーチャーの干蒋莫耶で切り刻まれ……
葛木先生の蛇のようなパンチが鳩尾に突き刺さり……
アサシンの燕返しを受け……
バーサーカーの大きな拳を喰らい……
ライダーの鎖が体に巻きつき、そのまま上空へ投げ飛ばされて……
言峰から黒鍵が投げられ、刺さり……
ランサーのゲイボルクをまともに受け……
ギルガメッシュのゲート・オブ・バビロンを全て受け……
キャスターの魔術の嵐をことごとく喰らい……
遠坂のガンドが全段命中して……
公園の池へと落下していった……
この光景……15歳未満のお子様には見せられないな……
というか、みんな顔が生き生きしている。 よほど楽しかったんだろうな。
因みに一成は、俺の横で般若心経をずっと唱えており、美綴は顔を引きつらせながら苦笑いをしている。
「まあ、見た目はこれだけど味はそこそこだから……」
美綴は苦笑いしたまま言う。
そんな事言われても、説得力がないのだが……
「ほう、そういうのならば一つ……」
と、いきなり葛木先生が美綴の弁当に手を伸ばし、から揚げ(に見えるもの)を口に運ぶ。
そして、よく噛みながら味を確かめている。
「むっ…なかなかいけるな」
「「「「「「「えっ!!!!!」」」」」」」
先生の言葉に驚く俺達。
信じられないぞ、おい……
と、ライダーとアーチャーとギルガメッシュも弁当に手を伸ばし、それぞれ口に運んでいっていた。
「ふむ、本当に美味しいな」
「とてもよい味付けがなされていますよ」
「見た目があれだが、この味なら我も満足いくぞ」
以外にも、好評の言葉が次々と。
美綴も、一安心したようだ。
と、葛木先生と言峰の二人も自分の鞄を漁り、重箱を取り出した。
「ただ、誘われるだけでは申し訳ない。 よって、一応作ってきた」
「私も同じだ。 何も持って来なかったら失礼だろう」
流石は大人の二人。 藤ねぇとは大違いだ。(因みに藤ねぇは『俺に言われて』飲み物を大量に買って来た)
「衛宮と同じで和食を作ってきた。 ぜひ食してくれ」
そう言いながら、葛木先生は蓋を開ける。
そこには、煮物から揚げ物と多種多様の料理が並んでいる。
「「「「「「お〜〜〜〜」」」」」」
全員それを見て感嘆の声を上げている。
本当に美味しそうだ。
っていうか桜、お前いつの間に復活したんだ?
まぁ、SSだし気にすることではないか……
「さて、それでは私の料理も御開帳と行こうか」
そう言いながら、言峰も蓋を開ける。
ん? ランサーとギルガメッシュの顔が妙に汗だくになっているが……
と、弁当の中身が見えてきたぞ
「私は中華料理だ。 一品しかないが美味しいぞ」
そういって、見えたのは……真っ赤な色の中に見える白い食べ物……
弁当一面に麻婆豆腐かよ……
しかし、確かに美味しそうに見える。
あ、バーサーカーがレンゲ(特大サイズ)を持っていった。
「馬鹿、それを食うのはやめるんだ!!」
「そうだぞ、命を粗末にしたいのか!!」
ランサーとギルガメッシュが叫ぶ。
しかしもう遅い。 バーサーカーの口に麻婆豆腐は運ばれていき……
「■■■■■■■■ーーーーーーーーーーーー!!!!!」
雄叫びを上げ倒れこんだ……って、倒れこんだ!?
「バーサーカー!! どうしたのよ!!」
イリヤが近づくと、バーサーカーは泡を吹いて倒れていた。
簡単には倒れないバーサーカーを一撃…もとい一口で倒した。
口の周りが妙に赤くなっている。 そんなに辛いのか? この麻婆豆腐は!
まあ、とりあえず……
「とりゃ!!」
麻婆豆腐は池に投げ捨てた。
あ、池の鯉が浮かんでくる。
「む、何をする衛宮士郎。 せっかく作ってきたのに勿体無いではないか」
「あんな危険なものは置けないからな。 死者は出したくないし、言い訳は出来ないぞ。
既に被害が出ているからな」
そういうと、言峰はおとなしくなった。
因みに後ろからは、「いいぞ!!」とか、「雑種よ、よくやった!!」と言う歓声が聞こえてくる。
あいつらは被害者らしいな。
まあ、これで一通りそろったな。
それじゃあ、始めるか。
「それじゃあ、今から乾杯の音頭をとるが、準備は良いか??」
「「「「「「「「おおーーーーっっ!!」」」」」」」」
「よし、かんぱーーーーーーーーい!」
「「「「「「「「かんぱーーーーーーーーーーーーい!!!」」」」」」」」
こうして宴が始まった。
宗一郎、アサシン、キャスター、言峰の場合
「うむ、やはり風流があってよいな」
葛木先生がグラスを傾けながら言う。
こういう雰囲気が妙に似合うな………
「宗一郎様、お注ぎ致しますわよ」
キャスターは葛木先生のグラスに酒をどんどん注いでいく。
なんか、キャバレーみたいな言い方だな……
「ふっ……こんなに、ほのぼのとしたのは何年ぶりだろうか……」
アサシンも先生と同じように酒を飲んでいた。
こっちは自分で注いでいるのが、唯一の違いだろうか。
「確かに。 つい先日まで敵対していたのが嘘のようだ」
何故かこのグループに溶け込んでいる言峰。
話によると、たまにこの4人で居酒屋に行ったりするそうだ。
何か嘘くせぇな……
アーチャー、ランサー、ギルガメッシュ、ライダー、セイバー、藤ねぇの場合
「む!! ランサー、それは私が取ろうとしていたものだぞ。 横取りはいけないな」
「いいじゃねぇか。 早い者勝ちだよ」
ランサーがそのままウインナーを口に運ぶ。 余裕の笑みをつけて。
あ、アーチャーの肩が震えてるぞ。
「アーチャー、それぐらいで怒るのはいかがなものかと思いますよ。 大人気ない」
「ライダーの言うとおりだな。 所詮は偽者。 我と違って野蛮であったか」
珍しいな。 ライダーとギルガメッシュの意見が合っているなんて。
「何を勘違いしているんだ? 私は怒ってなどいないさ。 言いがかりはよしたまえ」
「それを怒っているって言うんですよ。 石化させられたいんですか?」
ライダーの脅しが入ったか……流石にアーチャーも引いたな。
まあ、しょうがないか。
因みに、藤ねぇとセイバーは……
見ないでおこう。 見ただけでお腹が膨れそうだ。
遠坂、桜、美綴、イリヤ、一成、俺(士郎)の場合
「む、本当に美綴の弁当美味いな」
「うむ。 見た目はモザイクがかかりそうなぐらいなんだが、味はしっかりしている」
「あんた達、褒めているのか貶しているのかハッキリさせなさいよ」
美綴は少し怒気のある声で俺と一成に言うが、俺らは貶しているつもりはない。
だが、遠坂と桜は俺らとは違うようだ。
「しっかしこれって、ラブ○なの暴力ヒロインとネタが被っているわよね」
「主将、幾ら頑張ってもシナリオはないんですから諦めた方がいいですよ?」
「あんた達は〜〜〜!!!」
遠坂と桜が言うやいなや、いきなり立ち上がり二人を睨みつける美綴。
しかし、二人は既に立ち上がって脱兎のごとく逃げ出していた。
「まちなさ〜〜〜い!!」
追いかけだした美綴。 その場には俺と一成、イリヤが残った。
「まったく、あいつらは……」
「まあ、いいじゃないか。 今日は花見だから許してやれ」
「一成にしては珍しいこと言うな」
「まあ、たまにはな」
そう言いながら、無意味に笑い出す二人。
しかし、俺の横からトントンと肩を叩かれた。
振り返ってみると、そこにはイリヤがいた。
手には箸。 箸には里芋の煮っ転がし。
「はい、シロウ。 アーン♪」
と、俺の口に箸を近づけるイリヤ。
う……上目使いが可愛い……
っと、呆けている場合じゃない。 そう思って一成のほうへと振り返ってみる。
すると全てを悟ったような顔で俺の方を見ていた。
「衛宮。 俺はお前の好みに対しては何も言わん。 遠坂のような女性でなければ誰でもいい。
たとえこんな幼い少女でも、二人がよければ何も言わん。 うむ、善也善也」
一成……お前なんかキャラが違うぞ。
イリアはイリアで、箸を近づけてくるし……
と、何か後ろから物凄いオーラを感じるぞ……まさか……
「私達が行っていた間に、随分と楽しそうなことになってるじゃないの?」
「先輩……私は魅力がありませんか?」
「あーあ。 衛宮って、ロリが好きだったんだ……」
何かと勘違いしている皆さん。
もう、何言っても通じなさそうや……
そう思いながら俺は、イリヤの里芋をパクリと食べた……
因みにバーサーカーは倒れたままなので、放置しっぱなしだ。
1時間後………
「さて、大分盛り上がってきたところで、カラオケ大会いくわよ〜〜〜!!」
急に藤ねぇが、こんなことを言い出してきた。
っていうか、食ってばかりだった藤ねぇは盛り上がってたのか?
疑問は色々残るが、藤村組の方々がカラオケセットを準備していく。
こりゃあ、やらなきゃいけないっぽいなぁ………
「一人一曲は歌ってもらうわよ!! それじゃあ、張り切っていこう!!!」
こうして、カラオケが始まった……
一番手 一成
普段、こういうこととは縁のないと思われる一成からか……
どんな歌を歌うんだ?
♪〜〜〜♪〜♪〜〜〜〜〜〜
お、始まったか。
「与作は〜〜木〜〜〜をきる〜〜〜〜〜ヘイへイホ〜〜〜〜〜」
何故に「与作」!? 古すぎるだろオイ!!
しかし、何気に上手いな……
後から聞くところによると、一成の爺さんはこの曲が大好きで一緒に聞いていたら覚えてしまったそうだ。
握り拳作りながら歌っちゃって……
二番手 桜
次は桜か……
まあ、期待していいだろう。
♪〜〜〜♪〜♪〜〜〜〜〜〜
まさか……この歌は……
「サクラサク〜ミライ〜コイ〜ユメ〜♪」
何故D.C.!?
っていうか何で知ってるんだ?
まあ、タイトルと自分の名前が合っているし、今日はお花見だからちょうどいいか……
三番手 ライダー
ライダーが何歌うかは興味あるな……
サーヴァントとしてこっちに来て歌が歌えるのか微妙だが……
♪〜〜〜♪〜♪〜〜〜〜〜〜
このメロディは……
「卒業してもかわら〜な〜いよ〜 約束を交わしたあの人〜♪」
は!? 第二ボタンの誓い!? 何で知ってるの!?
まさか、桜の影響を受けてとか……
それだったらもう二人とも末期症状だな……
四番手 ギルガメッシュ&ランサー
この二人か……
期待していいのかぁ?
♪〜〜〜♪〜♪〜〜〜〜〜〜
「照れ〜てるとき髪をかきあげ〜る〜僕のクセをからかうん〜だね〜」
「僕の背中には羽がある」か……
この二人、何気に上手いもんだ。 意外な才能だな。
五番手 キャスター
♪〜〜〜♪〜♪〜〜〜〜〜〜
「失えば〜そこ〜は〜悲しい〜せ〜かい〜が〜」
「孤独」かよ!!
まあ、サビの部分はキャスターにぴったりだな。
何せ、「愛する人愛するために生きてくんだ〜」だからな。
六番手 セイバー
普段、俺らが学校行ってる間にテレビとか見てただろうからな。
何を歌うか楽しみだ。
♪〜〜〜♪〜♪〜〜〜〜〜〜
これは……もしかして……
「久遠の荘園は〜塵となり灰となり潰えても〜死が二人を別つまで〜♪」
おわっ!! 何故この歌を知っているんだ?
普通に18禁ゲーの歌じゃないか!!
……まさか、隠していた借り物のノートパソコンがばれたか!?
そうでなきゃ、この歌を知る方法はないし……
そもそも、なんでこの歌がカラオケに入ってるんだ?
しかも2番から。
(因みに、士郎も18禁ゲーをやってはいけません。)
七番手 アサシン&葛木&言峰
妙な組み合わせの3人だな……
繋がりが激しく謎だ。
♪〜〜〜♪〜♪〜〜〜〜〜〜
「「「でいご〜の花が咲き〜風を呼び嵐が来た〜〜」」」
「島唄」かよ!!
しかも3人で一緒に。 うーん……シュールな光景だ……
何気にいい声してるしな。
八番手 美綴
最近の若者だし、期待していいだろうな。
♪〜〜〜♪〜♪〜〜〜〜〜〜
「あ〜た〜りまえと信じ〜続けたこ〜とも〜♪」
何で「Face of Fact」なんだよ……
これも18禁ゲーの歌じゃないか………
俺の周りはこんな奴ばっかなのか……?
はぁ、気が滅入るなぁ……
九番手 藤ねぇ
藤ねぇが歌うのはもう分かってる。
あの歌しかない。
♪〜〜〜♪〜♪〜〜〜〜〜〜
「六甲おろ〜しに〜颯爽と〜〜♪」
はぁ、やっぱり「六甲おろし」か……
まあ、イメージとしてはかなり似合ってんだけどね。
十番手 アーチャー
未来の自分が歌うのか……
何を歌うのかは気になるな……
♪〜〜〜♪〜♪〜〜〜〜〜〜
「それでも〜一体この僕に〜何が出来るって言うんだ〜」
「ヘミソフィア」ですか……
イメージ的にはかなり合っているな。
歌ってる姿も違和感が無いし……
十一番手 イリア
次はイリアか。
セイバーと同じで、朝から家にいるはずだからテレビを見ていると思うが……
セイバーと一緒にやっているってことは無いよな?
むしろ、そう願いたい。
♪〜〜〜♪〜♪〜〜〜〜〜〜
「プリティで〜キュアキュア〜ふ〜たりは〜〜プリキュア〜〜〜〜♪」
何だこの歌は? 聞いててかなり頭が痛くなってくるぞ。
まあ、イメージ的には似合っている感じはするなぁ。
十二番手 俺(士郎)
っと、俺の番か。
まあ、他の皆が結構普通じゃなかったんで、俺も少し違う路線で……
♪〜〜〜♪〜♪〜〜〜〜〜〜
「罪という名の〜追憶の〜罰〜溢れ出す〜雫消え〜悲しみに〜♪」
「それは舞い散る桜のように」のOPで「Days」だ。
ゲームもよかったし、この曲も大変良い。
お気に入りの一曲だ。
しかし、何でこの曲がカラオケに入ってるのか、本当に謎だ……
十三番手 遠坂
次は遠坂の出番か……って、あれ?
遠坂の奴、歌い出さないぞ? どうかしたのか?
「遠坂〜何で歌わないんだ〜〜〜」
すると、遠坂は顔をうつむいてぼそぼそと言う。
「…………からよ」
「はぁ?」
声が小さすぎて聞き取れない。
「なんて言ったんだ? 聞こえないぞ?」
「歌なんて知らないからよって言ったのよ!!」
歌を知らない? この期に及んで何を言い出すかと思えば……
まあ、魔術のことしか頭に無かった遠坂らしいといえばらしいな。
しかし………
「え〜遠坂さん付き合い悪いよ〜」
「ふん、女狐め。 場の空気を読んで欲しいな………」
「まあ、姉さんは貧乳だから……」
「いや、ツインテールが原因だろ?」
「お二人とも違いますよ。 リンの赤い服が全ての原因なんですよ」
…………(以下略)
延々と遠坂に対する誹謗中傷が飛び交う。
あ、やっぱり遠坂が切れてる。
「あんた達、覚悟はいいわね?」
闇のオーラを纏い、宝石にありったけの魔力を込めた遠坂が全員を睨む。
俺はとっさに自分に対して『熾天覆う七つの円環』を投影し展開する。
その瞬間………
ドゴォォォォォッッッッ!!!!!!!!!!
爆発が起きた。
かなり小規模だったが………
まあ、桜の木を吹き飛ばしたくなかったんだろう。
その時、一陣の風が吹いた………
その風によって、桜が舞い散る。
うん。 これこそ花見って感じだな。
周りは死屍累々となっているが、やはりこれが俺の日常だろう。
色々と騒がしく、喧しいかもしれないけれど……
それでも楽しんでいる自分がいる。
こんな花見も……たまにはいいと思う……
多分……
終