目覚めは良好。

ただ、例によってスケイルが潜り込んでいなければ本当に最高だったが。

身体に疲れは残っていない。

フォースの力も充実している。

何もかもが完璧だ。

………しかし、これだけは総じて言える。

かったりぃ、と。

朝倉 純一

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シルフェイド幻想譚 回顧録 〜二冊目入りました〜

三日目前編 お守りと招待状と鍵屋と私

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、今日も来てくれたんだ………今日もお話ししてくれるの?」

「おっけー」

 身体をほぐしたり朝食を食べたりした後に、ウリユの所へ行った。

「じゃあ、何お話ししよう? ………あっ、そうだ、昨日言ってたお守り、まだ出来てないの………」

「まあ、ゆっくり作ればいいよ。時間はいっぱいあるんだし」

 実際は残り後十一日しかないのだが、お守りが出来るには十分な時間だ。

 その言葉にウリユが頷いてから、話は続く。

「このお守りはね、小さな木の板を三角形に切って、そこに模様を彫り込んで作るんだよ」

 軽く微笑むウリユ。

「へぇ………効果はなんなの?」

「このお守り、旅の安全を願うものなんだって」

 ちょっと照れくさそうに言うウリユ。

「ジュンイチお兄さん、旅していると時々魔物に襲われたりするでしょ?
 だから、無事に帰ってきますように、って思って………」

 そこでウリユの声が一旦止まる。

 数秒の静寂が訪れ、

「………予知出来るとね、お守りなんてなんの意味もないって思うけど………
 でも、お兄さんの未来は見えないからあった方が良いのかなって………」

 それにね、と付け加え、

「今になって分かったんだけど、お守りって未来が見えないからこそ作るものなんだよね。
 何かを祈ったり、願ったりする事、ずっと忘れていたのかな………」

 そこで、ウリユは軽く息を吸った。

「わたし、ジュンイチお兄さんの事応援してるから………だから、ずっと元気でいてね」

 

 それからしばらく、スケイルを交えた三人で雑談に花を咲かせた。

 


「ジュンイチお兄さん、毎日来てくれてありがとう………旅とかお仕事も、がんばってね」

 それに軽く手を振って答える純一。

「また明日、お話しできたらいいな………」

「できるさ。まだ時間はあるから」

 ウリユの呟きに、純一は呟いた。

「じゃあね」

 そして、ウリユの部屋を後にした。

 

 


「で、俺たちはリーリルにいるわけだが」

「また移動シーンカットですか」

 新しいフォースを習得するために来たわけなのだが、入り口の前を城の兵士がうろついていた。

「あーすみませーん。トカゲ人間達の砦を二人で落とした人がいるって聞いたんですが、ご存じないですかね?」

「ええ、よく知ってますが?」

 その一言にスケイルが口元を押さえていた。

「えっ、本当に? じ、実はですね、
 その人をお城に招待するようにと言われて招待状を持ってきたのですが、なかなか見つからなくて………
 あっ、招待状ってこれなんですけどね、良かったらその人に渡しておいてくれませんか?」

 と言って、便せんを一枚取りだし、純一に渡す。

「それじゃあ、後は頼みましたよ! いやー、これで休暇の続きをエンジョイ出来ます。ありがとうございました!」

 疾風のように走り去っていく兵士。

「なんだったんだ、ありゃ………」

 残された純一は一人、呟いた。

 

 


 リーリルから南に下り、ちょっと西寄りに進むと、一軒の民家があった。

 近づいてみると、鍵屋だった。

「なあ、ちょっと聞いてくれよ」

 店内に入ると、店長がこう切り出してきた。

「俺って鍵屋なんだけどさ、やばいもんが出来ちまったんだよ………」

 そう言って、形容しがたい色の鍵を取り出す。

「ほらこれ、封印の民にしか開けられない筈の不思議な扉を開けちまう鍵でさ………」

 そこからマジでやべぇぜとうわごとのように呟いていた。


「で、買わないか?」

「いや、今はあんまり必要ないから………」

 純一が首を振る。財布状況もそんなに良くない。

「じゃあ、ちょっとだけ不思議な扉について話してやる。
 すぐ隣にもある扉なんだが、賢者サリムが作った絶対に壊せない扉なんだ。
 開け方を知っているのはシイルに住んでる封印の民かサリムの知り合いだけだと思う」

 セールストークをするかの如く、まくし立てる店長。

「いや、今は………」

「ウチの田舎に飾ってあった大地の鎧をかっぱらうつもりなら最低四つはいるけどな」

「その話、詳しく聞かせて貰おうか」

「………はぁ」

 純一の急激な態度の変化に、スケイルはため息をつくしかなかった。

 

 

 

続く

 

 


三日滅す。………三日目っす。

Fateもやらず、ショコラもほったらかし。

みずいろには区切りをつけたものの、積みゲーが多すぎる中、

昨日、CLANNADやってました。

………ことみぃぃぃぃぃぃ!!!!!!