どうも、朝倉純一です。
現在時刻は大体零時丁度といった辺りでしょうか?
元気です、それなりに。
俺は今、
水の底にいます。
実は、陸より暖かいです。
しかしながら………
………なにか嫌な予感がするのは気のせいだと思いたい。
まあ、とりあえず一言で言うと。
………かったりぃ。
朝倉 純一
シルフェイド幻想譚 回顧録 〜二冊目入りました〜
二日目前編 母なる海の杖
「遺跡の中心に何か強い気配を感じます………」
遺跡に降り立ち、歩いて進む。
「なんというか、敵がいっぱい………」
周りを見るとトカゲ系の水生生物が大量にこちらをにらんでいる。
「………強行突破?」
「ですね」
集中を強め、水中にある酸素に反応する炎を作り出す。
「Go Ahead!! って一度言ってみたかった!」
トカゲが飛びかかるよりも早く、炎が放たれた。
「ふう………何とか中心までたどり着いたな………」
「中心にある物って………この杖一本ですか?」
目の前には月明かりに照らされた杖が浮かんでいた。
―――我は母なる海の杖………―――
頭の中に声が響く。
―――世界に現れし最初の魔王の『力』を封じた器なり………―――
―――始源の一角獣より生まれし子よ、汝は力を欲するか?―――
「う〜ん………とりあえず欲するという事で」
「そんな投げやりに答えなくても………」
―――ならば我が身に宿りし魔王の力を滅せよ。さすれば我を縛する封印は解かれん―――
その言葉が響いた瞬間、
「グギャアアアアアアアアアァァァァス!!!」
額に角を持った、巨大な白い竜が姿を現した。
「………マジ?」
「マジです。やりますよ」
手に炎を集中させる。
見た感じ水竜と言ったところか。
「雷光覚えてくるんだった………」
「無い物ねだりしても始まりませんよ? 来ます!」
巨大な爪を振るって攻撃を仕掛けてくる竜。
「この!」
爪に炎をぶつけ、勢いを殺す。
その間に集中を高め、必殺の衝撃をたたき込む。
「………ぴんぴんしてるな、おい………」
ダメージを与えているものの、元気に動いている。
衝撃のダメージに怯んでいたが、すぐに攻撃を再開する。
掠めただけで大打撃な竜に対して、こちらはまともにダメージを入れられない。
戦いは始まったばっかりである。
「………まだまだ!」
胸を爪の一撃で深くえぐられるも治療で即時に回復する。
「朝倉様! このままじゃジリ貧ですよ!?」
数発の衝撃を浴びせたものの、大打撃にならない純一と、一撃が死に繋がる竜の一撃。
不利なのは明白だ。
「一か八か………!?」
精神集中を解く。
「必殺! 三連衝撃!!」
キューブ戦でやった集中無し火炎三連打の要領で衝撃のフォースを放つ純一。
「ギャオオオオオオオオオ!!」
デタラメに振るってくる爪の一撃を出来るだけ避け、食らったら治療する。
「そらそらそらそらーーーーーーーーっ!!!」
幾ら一撃の威力が必殺に至らずとも最高威力のフォース連打。
さしもの竜も次第に動きを鈍くし、
「良かろう、我が中の魔王を倒せしその力、認めようぞ………」
竜がそう口にした瞬間、静かに消えていった。
―――封印は解かれた………さあ、我を手に取るがいい………―――
一瞬、まばゆい光が立ちこめ、目の前には一本の杖が、静かに浮かんでいた。
その杖を手に取る。
「これが………母なる海の杖………………」
手に取るだけでその力が身体の内を駆けめぐった。
「集中無しでフォースを唱えられるような感じが………する」
「………? 地下の方で何か力を感じましたよ、朝倉様」
スケイルの言葉を聞き、とりあえず地下に向かう事にした。
続く
はい、母なる海の杖を手に入れました。
解説!
母なる海の杖
永き間、封印されていた幻の杖。
理力を使う者に凄まじい力を与えてくれるという。
雷光
純一が覚えておけば良かったと言ったフォース。
複数の敵に稲妻を落とし、ダメージを与える。
水中だとダメージが上がる。
………純一は感電しないのだろうか?
純一が言っていた集中無しでという意味は、ゲーム中の効果で、
毎ターン開始時に集中が+3される
という鬼な効果を誇っているためです。
ちなみに、
火炎・治療 → 集中1
衝撃 → 集中2
必要なため、ノータイムで衝撃を放つ事が可能です。
反則アイテムを手にした純一君に敵はいるのか!?