気がついたらファンタジー?

全く、どうして俺の周りにはこう不可思議現象がついて回るのだろうか?

ばあちゃんに会ってから和菓子に始まり桜に終わる………

日常というものは無いのだろうか………?

というか日常が俺を避けている。

本来なら今日だって叶といちゃいちゃしようと思ってたのに………

全くどうかしてる。

でも何か一つ大事な予定があったような………まあいいか。

それよりも、今現在の現状。

見た事もない服にマントを羽織り、腰には短めの剣。

杉並でもここまでの仕込みネタはやらないぞ………

まったく………はぁ〜………かったりぃ。

朝倉 純一

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シルフェイド幻想譚 回顧録 〜 二冊目入りました 〜

プロローグ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「………朝、か」

 昨日は彼方探しから何故か宴会にまで発展してしまった。

 身体は相変わらずなものの、動く分には問題ない。

「今日は………学校内部も探すかな………」

 そう思い、夏休み中ずっとタンスに入れていた制服を出そうとして、

「………!?」

 急にめまいが襲いかかってきた。

 視界を紅い壁が覆う。

 倒れたという事が数秒後に分かった。

 そして頭に響く音。

 遠くから誰かが走ってくる音。

「お兄ちゃん!!」

「朝倉君(さん)!」

 そこにはさくらと叶、そして、彼方が居た。

「………戻って、きたん……………だ……………」

 声にならない呟きを残して、意識が完全に闇へと落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

―意識の海に漂う、そこのあなた………私の声が聞こえますか?―

 真っ暗闇の中、女性の声が聞こえてきた。

―――………誰だ?―――

―――私はリクレール………トーテムに呼び覚まされし全ての生命を導く者です………―――

―――………一体なんだか分からないけど、他人の夢でない事は確かだな―――

 目の前には暗闇が広がっていて、身体を動かそうにも全く反応しない。まるで身体など無い様に。

 リクレールと名乗った声は純一の声など気にせずに続ける。 

―――あなたがこの世界に降り立つ前に、いくつか教えて頂きたいことがあります………―――

―――この世界? まさか別世界へ………さくらの仮説が当たったのか!?―――

―――まず、あなたの性別を教えてください。―――

―――えぇと………いわゆるヤローだ………―――

―――あなたは男性なのですね………。―――

―――………細かいところ気にしないのかよ―――

 意識の中でツッコミを入れる。やるせなさを口調で出したが、動作がないのでつまらなく感じる。

―――次に、あなたの名前を教えてください………―――

―――朝倉純一。学生だ―――

―――あなたの名前は純一というのですね………―――

―――では純一さん、次の質問です………。―――

―――こっちには質問の余地無しか?―――

―――これから始まる旅では、多くの戦いを切り抜けなければなりません………―――

 聞いちゃいねえこの女。正直な感想を持って考え込む。

―――そこで、これからの旅を切り抜けるために、あなたを導く神獣『トーテム』の力を一つだけ授けましょう………。―――

―――あなたの求めるトーテムは次の内のどれに当たりますか………?―――

 暗闇の中に三つの光が浮かぶ。

――― 一つは雄々しき白の光。獣を称えた狼の化身。―――

――― 一つは気高く輝く赤き光。翼を称えた鷲の化身。―――

――― 一つは優しさを持つ緑の光。海を称えた海蛇の化身。―――

―――ほいじゃま、緑色の光を………と―――

純一は、緑の光に向かって意識を向けた。

「私はあなたの知恵となりし者」

緑の海蛇が一言呟くと、他の二つの光と共に消えていった。

―――わかりました………。あなたのトーテムはスケイルですね………。―――

―――これで質問は終わりです………。―――

―――残りの説明はあなたが世界に降りてからにいたしましょう。―――

―――さあ、シルフェイドの世界へと降り立つ時が来ましたよ………。―――

―――あの〜、最後までこっちの質問には答えないつもりですか? ………かったりぃ―――

その言葉と共に、意識が徐々に薄れていった。

 

 

 


続く

 

 


はい! 二週目です!

今度は朝倉君が飛びました。

朝倉君がこの世界で何を見て、どういう事をするのか………それは全て彼次第です。

ぶっちゃけプレイしなきゃ分からないというわけです。

今回のトーテムはスケイル。彼方の肉弾戦とは違い魔法、つまりはフォースメインです。

一応、彼は魔法使いを祖母に持ってますから………

では、次回の1日目で再び会いましょう。

シーユー!