「………で、再び迷った訳なんだけど………」

 本日二度目である。

「カナタ………今日は厄日か?」

「でも、楽しいね」

 クロウとウリユに言われながらも足を進める。

 すると、視界が開ける。

「雪?」

 そこは雪原だった。

 しかし、ある部分を境に完全に途切れている。

「初めて見た………」

 不自然だが、綺麗だった。

「む………? カナタ、鞄が揺れているぞ?」

 クロウの言葉を不思議に思い、鞄を開けて調べてみる。

「………? 魔王の心臓が………」

 怪しく光を放っていた。

「ここで使うのか?」

「みたいだね………」

 天に向かって掲げる。

 すると、彼方を導くように透き通る橋が延び始めた。

 手に持っている魔王の心臓も激しく脈動している。

「この調子なら明日の今頃には………」

「僕は汽車のなか〜」

「橋が架かるね」

「ああ、そうだな」

 二人にスルーされ、いじけている彼方を尻目に、二人は橋の向こうを見続けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シルフェイド幻想譚 回顧録

六日目後編 封印の神殿へ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「さて、ようやく封印の神殿に至る道を発見出来たな」

 現在夜の九時。

 眼下には封印の神殿と思われる建物がうっすらと見える。

「絶景だね」

「でも、飛び降りるわけにはいかないわね」

 目の前には崖がある。

「すぐ近くに洞窟があるから、そこを辿っていくんでしょうね。行くわよ」

 ウリユが頷き、彼方は洞窟へと入っていった。

 

 

「薄気味悪い洞窟ね………」

 異様な気配に包まれた洞窟だった。

「オマエ………コロス」

 いきなり襲いかかってくるトカゲの骸骨を一刀のもとに切り捨てる。

「この洞窟………何か変だ、気を付けろカナタ」

「強そうな骸骨さんだね。わたしも頑張ってみるよ」

 特に強烈なトラップなどもなく、下の階まで降りて行く。

「…………? 金属音?」

 下の階に降りてからしばらく進むと金属同士を叩きつける音が聞こえた。

「せい! ………何なのだ、この亡霊共は………」

 そこには、かつて砦で戦った隊長クラスのセタがいた。

「人間を殺すなどと言いながら私に襲いかかってくるとは………こいつらは人間と竜人の区別もつかないのか………?」

「どうやら無差別に襲いかかって来るみたいね」

 彼方が発した言葉に、セタが振り向く。

「もうこんな所に人間が………む、お前は………砦を襲った人間か!」

「そうよ、久しぶりね」

 セタの歯を噛みしめる音が聞こえる。

「ならば我が部下の仇、ここで取らせて貰う!!!」

 ロングブレイドを振りかざし、突進してくる。

「浅い!」

 それを軽く受け止め、左の盾で殴り飛ばす。

 くの字に身体を曲げて吹き飛ぶセタ。

 受け身を取って何とか体勢を立て直す物の、盾で殴った時の衝撃で骨が数本折れている。

 荒く息を吸い、裂帛の気合いを込めて切りかかるが、

「………ごめん。ヤァァアアア!!!」

 月の剣が大上段で振り下ろされた剣ごとセタの身体を一文字に切り裂く。

 切り裂かれた後も、しばらく呟くセタを背に、彼方は歩き出した。

 

 

「ここが、封印の神殿………」

「静かな神殿だね………生き物なんて一匹もいなさそう」

 夜に見る神殿はただ静かさを湛えていた。

「ここには敵がいないようだな………フォースも使えないようだ」

 神殿の中に立ちこめる空気は静かで、二人はしばらくその場で風の音を聞き、

 風の吹き込まない建物の中で、眠りについた。

 

 


続く

 

 

 

丘六十日更新記念、あとがき拡大スペシャルーーーー!!!!

行ってみよう!!

 

現在の装備


聖なる月の剣(中編より装備開始。月の神殿で入手)

チェインメイル

ヘビィシールド

ウリユのお守り(シイルにて入手)

重要アイテム

月の聖印(シンからお礼として貰う)

太陽の聖印

 

仲間

ウリユ(シイルにて仲間になる)

 


使ってみよう! 拡大版!!


お題・月の聖印

カナタは月の聖印を掲げて叫んだ!

「お月様がうめき声をあげた! ム〜ン!!」

「…………」

 

お題・ウリユのお守り

カナタはウリユのお守りを握りしめた。

少しだけ勇気が沸いたような気がした………

「予言者の娘が心を込めて作った物だ、大事にするのだぞ」

 

お題・聖なる月の剣

カナタは聖なる月の剣を抜き、振り回してみた!

何故か自分の髪の毛が数本切れて宙に舞った!

「危ない! 危ないから!!」

 

お題・テーブル

カナタはテーブルを置いてくつろいだ!

しかしイスがないので空気イスだ!

「全然くつろいでないぞソレ………」

 

 

さあ、佳境というかモロ終盤。次回はそんな佳境に入った時、工藤家で何があったか! こうご期待!!