『全てを太陽の色に染めよ されば扉は開かれん』

 そんな一言が頭によぎった。

「………?」

 足下には9枚のタイル。

 試しに乗ると乗ったタイルとそれに隣接したタイルの色が変わった。

「つまり、乗ると一定法則で色が変わるタイルを全部赤くすればいいのね!」

 そうして、彼女はパズルにのめり込んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


シルフェイド幻想譚 回顧録

三日目中編 知恵より力………?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――― 彼方がパズルに挑戦して30分後……… ―――

 


「や………やっと解けた………」

 タイルは9枚全て赤になっていた。

「長かったな、カナタ………」

「ええ、これで苦労も報われ―――」

 彼方の言葉が止まった。

「どうした、カナ―――」

 クロウも言葉を止めた。

 目の前には、総計13枚のタイルがあった。

「………行くわよ、クロウ」

「分かった、カナタ………」

 


――― 更に30分後……… ―――

 

 

「むきーーーーーーーー!!!!!」

 解けないでいた。

「お、落ち着けカナタ!?」

「うっるさーーーーーーーい!!」

 トーテムで強化された筋力は凄まじく、壁を殴るたびに神殿が揺れた。

「………ところで、時間は掛かるが、良い方法を思いついたのだが………」

 彼方はしばらく考え、そして、

「その方法で行きましょう………」

「分かった。ではやり方を説明しよう。
 ………まずはここをこうして…………」

 

 


――― そして、12時間後……… ―――

 

 

 

「よし、これで完璧だ」

 横には、扉。

 目の前には、かつて壁だった物。

 今は奥の部屋へ通じる大穴が空いている。

「………」

「………」

 お互い、無言である。

「………どうした、カナタ?」

「…………」

 クロウが口を開くも彼方は無言である。

 そして、

「よし、先へ進みましょう」

 彼方は現実を直視した。

「えっ!? ツッコミも無しか!!? ………うーむ、罪悪感のカケラも無いのか肝が据わっているのか………」

「なにか言った?」

「いや………何でもない」

 こうして、彼方は壁を乗り越えたのであった。

 

 


「さて、太陽の剣には守護者がついている。こちらが負けても死ぬことは無いがかなり強いぞ」

「百も承知よ」

 クロウとそうやり取りをして太陽の剣の前に立つ。

 

――― 我は太陽の剣……… ―――


 頭の中に響くような声。

 

――― トーテムに導かれし者よ、汝は我が力を欲するか? ―――

 その声に答えるように、

「私は、力を欲する!」

 声を張り上げた。

 

――― ならば、我を持つにふさわしき力を示すのだ ―――

 

 その瞬間、剣から炎が吹き荒れ、炎を纏った鳥になる。

「相手はかなり手強い、気を付けろ!」

「分かってる!」

 イーグルブレイドを構え横に薙ぎ払う。

 剣の守護者はその一撃を受け止め、こちらに向かって炎を巻き起こす。

「きゃあ!」

 炎は彼方に直撃するも、素早くマントを振り、着火を防ぐ。

 燃えにくいマントで無ければ一瞬で燃え尽きていただろう。

「危なかっ―――」

 その瞬間、クチバシが彼方を吹き飛ばす。

 咄嗟に受け身を取って、唯一覚えていた治療のフォースでその傷を癒す。

「セイ!」

 剣を構え、飛び上がって大上段に斬りつける。

「まだまだ!」

 着地した瞬間に剣を返し下から切り上げる。

「ラストォ!!!」

 切り上げた反動を使い、守護者の首を切る。

 甲高い叫びを上げ、守護者が倒れ伏した。

――― いいだろう、認めよう、その力……… ―――

 

 炎の鳥が消え失せ、声が響く。

 

――― 汝こそ我を手にするにふさわしい者……… ―――

――― さあ、我を手に取るがいい……… ―――

 

 そして、一本の剣がその場に刺さった。

 

 

 

 

「これが、太陽の剣ね………」

「思ったより軽いようだ」

 剣を手に取る。

 刃や柄がぼろぼろになっている。

「………今にも刃こぼれしそうだな………あと数十回切れるかどうか、と言った所だな………」

 腰に吊るようにして剣をしまう。

 そしてその場を去った。

 

 

 

 ………のだが。

「ちょっと待って………」

 彼方が先ほど苦戦して出来なかったタイルの部屋でそう呟き、タイルを踏む。

 すると、数分もしないうちにタイルが赤くなり、扉が開いた。

「このぶち抜いた壁に哀愁を感じるのだが………」

「………さあ、行くわよ」

 彼方の背中には哀愁が漂っていた。

 

 

続く

 

 

………戦闘シーンが薄くて申し訳ありません………………

というわけで何とか太陽の剣を入手した彼方でした。

 


現在の装備


太陽の剣(太陽の神殿にて入手)

旅人のマント

集中の腕輪


使ってみよう!

お題・太陽の剣


カナタは太陽の剣を使ってむだ毛の処理を始めた!

「あまり粗末に扱うとリクレールに怒られるぞ?」

(私は優しいから起こってませんよ)←にじみ出る怒り放出中

「怒ってるーーー!!!」


さてさて、次回もお楽しみに〜。