え〜っと、なんかいつもと違うベットみたい。

 なんというか、いつもならここら辺で目覚ましが鳴るはず………

 ………って、ここは異世界なんだから目覚まし無いわよね。

 あはは、私ったらお茶目♪

 ………なんてやってないでさっさと着替えよう。

工藤 彼方

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


シルフェイド幻想譚 回顧録

2日目前編 予言者の少女

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「とりあえず、次の町へ行ってみようか」

「そうだな、まだ2日目だが急ぐに越したことはないな」

 クロウの言葉に、

「私は納得した訳じゃないからね」

 と返しつつ、北へ向かった。

 

 

 


 北へ向かってる途中、民家が見えた。

「あんな所に民家があるね………水が切れかけてるから分けて貰おうかな?」

「………あれだけ水は大切にしろと言ったのに」

 とりあえず民家に向かって進んでみると、

「………様子がおかしい」

「これは………」

 走って民家の近くに行くと、壁がすすけていた。

 中に入ってみると、壁が壊れていて、夫婦と思しき死体があった。

「………酷い」

「傷から見るにトカゲ兵士にやられた様だ」

 家の中は閑散としていて、人が住んでいたとは思えなかった。

「行こう、カナタ………」

「待って。この人達を埋葬するから………」

 それかしばらくかけて夫婦を埋葬した。

 

 

 

 

「確か地図によるとまっすぐ北に進むと村があるって書いてあったけど………」

 目の前には大きな神殿があった。

「なになに『ここは太陽の神殿 トーテムに導かれし者を歓迎する』………?」

「この神殿から不思議な力を感じるな………」

 奥に進むと、

「………ねえクロウ」

「どうしたカナタ?」

 彼方の表情が凄く晴れやかな笑顔を浮かべている。

 しかし、クロウにはその笑顔がとても怖く感じた。

「どうしてこのドア開かないのかな?」

「鍵がかかっているからだろう」

 目の前にある不思議な色のドアは押しても引いても開かない。

「でも鍵穴がないよ?」

「不思議な鍵が必要なのだろう」

「…………」

 彼方の表情がみるみるうちに変化する。

「なんか私に恨みでもあるのかーーーーーー!!」

「カカ、カナタ!!? 落ち着け!? ここで暴れても何にもならないぞ!!?」

「うるさーーーーーーーい!!! むきーーーーーー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ただいま彼方が不思議な扉の前で暴れております。

しばらくお待ちください

シルフェイド幻想譚 回顧録スタッフ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「はあっ、はあっ…………」

 しばらくドアを殴りつけ、ようやく疲れて落ち着いた。

「落ち着いたか? カナタ?」

「ありがとう、クロウ………」

 荒い息を整え、

「行こう、クロウ。ここには用はない」

「そうだな………」

 こうして、太陽の神殿に深い傷跡を残し、彼方は次の村へ向かっていった。

 

 

 

 


「………ジメジメしてるねこの洞窟」

「水の音が聞こえることからこの洞窟に水が流れ込んでいるな」

 たいまつを灯し、近づいてくるコウモリやクモを切りながら、奥へと進む。

 だいたい洞窟の中間にさしかかると、大きな湖があった。

「どうやらこの洞窟の上方から水が流れ込んでいるな。向こう側に何かあるのは確かなんだが………」

「どうして分かるの?」

「あちら側にも空気が流れているからな」

 そう言って、洞窟を抜けていった。

 

 

 

 洞窟を抜けて、洞窟に流れ込む水をせき止め、近くの村へ歩を進める。

「のどかな村ね。良い感じ………」

「ここには封印の民という人々が住んでいるという」

「とりあえず、話を聞いてみましょう」

 町の真ん中にある井戸の所に行くと、水をくんでいた人が話しかけてきた。

「おっ、旅人が来るとは珍しいな。もしかして『予言者』に会いに来たのかい?」

「予言者?」

「ああ、町はずれの薬屋に住んでるんだ。何も言わなくてもすぐに会わせてくれるよ。
 俺も予言して貰おうを思ってノックしたらさ、もう俺が来ることが分かってたんだもんな。流石予言者だよ」

(クロウ、どうする?)

「我が言うまでもなく会う予定なのだろう?」

(ばれてた?)

「無論だ」

 

 

 

「えーと、明日の昼にトニーさんが来て、それ以外は誰も来ないのね?」

 お母さんが確かめるように聞いてくる。

「うん………トニーさんは結婚が取り消されないかどうかを聞きに来るみたい」

 本人のプライバシーに関わるからあまり言わないけど、今回は特別。

 だって、お母さんの事も見えているから。

「他には、明後日までお客さんも相談したいという人も誰も来ないよ」

 ほらね、明後日までお客さん来ないから。閑古鳥だ。

「分かったわ、それじゃあ今日はもうお店を閉めても大丈夫なのね……なんだかいつも悪いわね、ウリユ」

 ここで謝ってくるのも分かってた。

「えっ、そんなことないよ………だってわたし、目が見えないから店番も出来ないし………」

 だからちょっとでもお母さんの役に立ちたいし、と告げると、

「もう、この子ったら………とりあえず、今日は誰も来ないならお店を閉めてくるわね」

 そう言って、お母さんは部屋から出て行った。

 

 


 あの子には辛いことをさせていると思う。

 目が見えないとはいえ、未来が見えるなんて………神様が居るとしたら残酷かもしれない。

 そう考えながら、入り口を見ると、緋色のマントを着た女性が立っていた。

 

 

続く

 

 

 

2日目突入! 後書きに書く事ねぇーーーー!

シル幻内でもお金ねぇーーーー!!(泣

と言うわけで今回もステータスその他諸々変化無し!

次回をお楽しみ!!