けーこく
これは、名雪ED後のお話です。笑えないくせに壊れた話になってます。
以上の注意を留意した上で、読みたい方はこのまま、読みたくないという方は、ブラウザの戻るを「えいっ」と、押しちゃってください。
わかりましたか?
名雪日記〜祐一の寝言と夢〜
「明日は名雪よりも先に起きる!」
春がきて以来、祐一は名雪よりも先に起きることはなくなっていた。
そのため、祐一はかつての名雪のように、午後八時に就寝、という暴挙?に出た。
「寝顔見に行こうっと」
名雪は午後九時ごろに祐一の部屋に侵入した。
「う〜ん、可愛い」
名雪は祐一の頬をつついた。
「あ、そうだ」
何を思いついたか、名雪は祐一の部屋を出て、自分の部屋へ向かった。
そして、二分もしないうちに帰ってきた。
「これで、祐一の寝言聞いちゃお」
名雪は盗聴器を持ってきていた。
この際、どこでそれを手に入れたかなどについては気にしないこととする。
「ここと……ここ。うん、じゃ、おやすみ、祐一」
名雪は祐一の部屋を後にした。
〜祐一の夢〜
何故か周りがきらびやかに見えるレストラン。
祐一と名雪は二人でそこにいた。
「へぇ…いい感じの店だな」
「うん、お勧めだよ」
名雪が胸を張る。
「へぇ…」
きょろきょろと周りを見回し、祐一は感嘆の声を漏らした。
「ご注文は?」
ウェイターがやってきて、注文をとる。
「スペシャルで」
「畏まりました」
何の迷いもなく注文する名雪。
「スペシャルってなんなんだ?」
「それは、来てからの秘密、だよ」
「そっか…」
それから暫く雑談が続いた。
「そういやさ、ケロピー食べるとケロピーになるって話、知ってるか?」
祐一がそう言った直後だった。
「お待たせしました、ケロピーのソテーです」
祐一の中で時間が止まった。
たった今、ケロピーの話をしたばかりだというのに、ケロピーのメニューが出てきてしまったのだ。
「わたし、けろぴー食べられるよ」
「よせ!!喰うな!!けろぴーになるぞ!!」
祐一は必死になって名雪を止めた。
「なら、祐一に」
名雪が叫んでいる祐一の口の中にけろぴーを放り込んだ。
「あ」
暗転。
「夢か…」
祐一が目を覚ましたのは教室だった。
「祐一、お弁当」
昼休みになっていたらしく、名雪が弁当を持ってきていた。
「今日は何なんだ?」
祐一は何気なく、いつものように訊いた。
「うん、けろぴー」
再び暗転。
「はっ!」
目が覚めたとき、そこは授業中だった。
「相沢、ようやく起きたな」
教師の声。
「すみません、寝てました」
「謝罪はいい。これでも喰って反省しろ」
教師は祐一に何かを渡した。
「何ですか、これ?」
「けろぴーだ」
「けろぴー!!」
祐一は周囲を見回した。
「み、みんなけろぴーになってる!!」
ここで目が覚めた。
「はぁはぁはぁ…何つー夢だ……。何…午前二時だと……」
祐一はもう一度眠ろうと布団にもぐりこんだが、結局眠る事はできなかった。
「…悪夢だ」
〜その日の名雪の祐一寝言拝聴〜
名雪は祐一の部屋に盗聴器を取り付け、祐一の寝言を聞いていた。
『よせ……けろぴーになる…やめろ……』
『待て…何か…………でもあるのか』
「祐一…魘されてるんだ」
それが自分自身の出ている夢だとは、名雪は夢にも思っていなかった。
〜翌日の祐一の夢〜
「イチゴ狩り?」
「うん、穴場見つけたんだ」
名雪に誘われて祐一はイチゴ狩りに行くことになった。
「穴場ねぇ…」
祐一は山奥のクマでも出そうなところでやくざ風のおじさんが人がくるのを待っている情景を想像した。
はっきり言って怖い。
「ここだよ」
辿り着いたのは廃工場。
「こんなところにイチゴなんてあるのか?」
「うん、あそこ」
名雪が指差した先には『苺』ではなく、『毒』と書かれていた。
「待て、あれは苺じゃない」
「イッチゴ〜イッチゴ〜♪」
名雪が毒と書かれた建物の中に入っていく。
『すご〜い、こんなにたくさんある!』
「よ、よせ…」
『祐一にも分けてあげなくちゃ』
「喰うな、持ってくるな」
『祐一〜』
「持ってくるなと、喰うなとゆうとるんじゃぁああああああああっ!!!!!」
祐一の絶叫が廃工場にこだました。
〜結果〜
祐一はこれらの悪夢のおかげで名雪よりも早起きすることには成功したが、情緒不安定になり、精神科へ通院することになった。
何でも、「えいえいんはあるよ…」と言う少女が見えるようになった、とか。
セナ「ブラックでシュールなSSでした」
名雪「普通のは……」
セナ「ネタが思い浮かばなかった」