あらかじめのお約束☆

この作品は、けろぴーが主人公です。

で、あるからにして地の文、「けろ」系の科白がとても多いです。

台詞について解読はほぼ不可能だと思ってください。

どうしても解読したい方は、フィーリングで。

以上の事をふまえてお読みくださると大変うれしいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「けろっけろっ………」

 縄に縛られたピンク色の物体が飛び跳ねている。

「けろっ…けろぉっ!!」

 躓いて転んだ拍子に縄が切れてほどける。

 そのまま一気に走り去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Snow・A・Snow 〜 原始編・けろぴー 〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 朝、緑色の物体が目を覚ます。

けろぴー「けろ〜………」

 ケロ族の若者、けろぴー。

 ケロ族の習わしとして一定年齢に達した次の月に初の狩りに出される。

けろぴー「………けろっ!!」

 けろぴーが隣に眠っていたゴリラを蹴飛ばす。

ゴリラ「うぐふぉ!」

 蹴られたゴリラは怒りをあらわにするもけろぴーに付いていく。

 隣の部屋にはケロ族の仲間が大勢いた。

 そして、長老に呼ばれて狩り場へと行く。

長老「げろ! げろげろ!」

 長老が側近と思しきケロ族に合図を送る。

 側近は狩り場に入り、臭いをかぎ分けて獲物を素手で倒して長老へと持って行った。

長老「げろっ!」

 狩り場を指さす長老。

 けろぴーもその中に入り、臭いをかぎ分ける。

 いたのは、犬っぽい生き物。

 早速倒して、肉を頂戴する。この狩り場で手に入る最低の大きさの獲物だ。

 そのままいろいろかぎ分け、少々大型の獣肉も得る。

 そうして狩った獲物を一部長老に納め、残りの肉をゴリラ分けながら自分の寝床に戻った。

 

 

 


 夜、隣で寝ているはずのゴリラがいなくなっていた。

 おおよその見当を付けて探している時、ケロピーは一瞬だが花の匂いを感じた。

けろぴー「けろ………?」

 かすかな匂いをたどると緊急用の倉庫に続いていた。

 倉庫の中は非常用のマンモスの肉とその他の肉、ワラなどがおいてあった。

 そして、寝ているゴリラ。その横に骨。


《ケロピー脳内展開》

ゴリラは自分のパートナー。

そいつが倉庫で寝ている。

横には骨。

肉がないからこいつが食った。

ここの食料は非常食。

手を出したら………?

Dai!!!

《展開終了》


 有無を言わさずいきなり殴り飛ばす。

 そして証拠を隠滅するために骨を自分の懐に入れ、そのままゴリラを引きずって寝床に戻った。

 背後で肉がまた一個無くなったのにも気付かずに………

 

 


 翌日………

 狩りを終え、ゴリラと歩く。

 ふと、倉庫が気になり、覗く。

 ゴリラが何かを察知し、ワラを積んだ山に飛び込む。

???「けろっ!!!??????????」

 何かが一瞬飛び出し、それに飛びかかるゴリラ。

 ピンク色をした何かに盛るゴリラを、

けろぴー「けろぉ!!!!」

 本気の一撃で黙らせ、ピンク色の何かに近寄る。

 体皮の色こそ違う物の、どこからどう見てもケロ族だった。

 耳にはきれいな花。

ケロ族?「けろ? ………!!!!!??」

 ケロピーがのぞき込んでいることに気が付いて即座にワラに隠れるピンク色のケロピー。 

 直後、「くぅぅぅぅ………」という音が聞こえたので、とりあえず先ほど狩った肉を渡す。

ぴんく「けろ!」

 渡された肉を平らげたピンク色のケロ族が、ワラの中から飛び出してけろぴーにキスをする。

 そして素早くワラの中に入っていった。

けろぴー「………けろ………………」

 よく分からないがうれしい感情をかかえてゴリラを引きずっていった。

 

 


 それから数日間、毎日通った。

 時には骨を渡したり、時にはアクセサリーを渡したりもした。

 いろいろと、彼女は喜んでいるみたいだ。

 そんなある日………

 

 

 

 外から轟音が響く。

 凄まじい音と振動を伴って、近隣の部族『ゲー族』が乱入してくる。

 ゲー族は勇敢な部族で、時にはマンモスをも狩るという部族である。

 そんなものが元来穏和なケロ族の住処に来たのである。

 逆らえるはずもなく全員が奥で震えていた。

 ………自分の部屋で寝ていたけろぴーとゴリラを除いて………………

 

 

 

 

 起きていつもの様に広場に向かおうとするが、気配がいつもと違うので入り口からのぞき込んでみた。

 そこには見慣れぬ他部族が大量にいた。

 現状を確認する。

《ケロピー脳内展開》

いつもいるはずのメンツがいない。

でもって変な奴ら大量。

何かを探している。

最近何か来た物………

ワラの中のアレ!!

《展開終了》

 展開が終了した瞬間、奥の倉庫から声が上がる。

 見ると一人のゲー族がワラの中の子を担いでいる。

 時間がない。

 即座に近場の変な乗り物みたいのにまたがり、全力でペダルらしき物を漕ぐ。

 当然、操作方法など知らないので勢いに任せてみる。

ゲー族「ゲロォ!!!!????」

 突然の事に抵抗も出来ずに跳ね飛ばされる。

 一通りなぎ倒した後、乗り物から降りてワラの中に居た子を助ける。

ゲー族「ゲロ! ゲロオオオオ!!」

 リーダーと思しきゲー族が周りのゲー族に声を上げ、ケロピーを倒せと叫ぶ。

けろぴー「けろろろろっろろろろろっろ! けろぉ!!」

 全てを殴り倒し、リーダーに殴りかかる。

リーダー「ゲロォ!!」

 それを咄嗟にガードし、距離を離す。

 が、次の瞬間に勢いのついたけろぴーの頭突きを食らい、そのまま吹き飛ぶ。

リーダー「ゲロ…………ゲロォ!!」

 リーダーが声を上げた瞬間、全員が乗り物に飛び乗り、走り出す。

 そうして、ゲー族は去っていった。

 

 

 

 その後、

長老「げろげろげーーーーー!!」

 当然のごとく、怒った長老がけろぴー達を追放する。

 災いの芽は早めにつみ取り、部族を守る。

 追放され、当てもなくさまよっていると………

けろぴー「けろ? ………けろけろ」

 ちょうどいい感じの洞窟を発見、その日はそこで夜を明かす事にした。

 けろぴーがワラで寝床を準備する。

 ………ぴんくけろぴーのスペースと自分のスペースをくっつけた状態で。

 けろぴーが寝床に入ると同時にゴリラが隣に来たのでぶっ飛ばし、ぴんくけろぴーを隣に寝かせる。

ぴんく「けろぉ………………」

けろぴー「……………………………………!!!」

 寝ている間に寄り添ってきたぴんくの感触に興奮しながら眠りについた。

 

 

 

 気が付くと、花畑にいた。

 目の前には向こうへ走っていくぴんく。

 本能的に追いかける。

 距離が縮まり、こちらを振り向かせる。そこには………

 ゴリラ。

 どっからどう見てもゴリラの顔。

 体皮はぴんくだが、どう見てもぴんくの皮を被ったゴリラ。

 そこで目が覚める。

 

 

 

 目の前には、ゴリラ。

 ぴんくの影などどこのもなく、視界のほぼ100%がゴリラの顔。

 しかもどアップ。

 これで、さわやかに目覚めろ?

 無理。

 したがって………!

 けろぴーが立ち上がり、まだ寝ているゴリラの首を掴み、

 そのまま餅つきの要領で地面にペッタンペッタンと打ち据える。

 五回はそうやって餅つきをして気分が落ち着いたところで洞窟内を見渡す。

 ………何か、いる。

 こっちを向いている。

 というか手元見てる。

 あ、気が付いた。

 逃げた。

けろぴー「けろぉ!!」

 即座に追いかける。手に持っている物が摩擦ですれている様な気がするが気にしない。

 先には洞窟の出口と、朝出会ったゲー族のリーダー。

リーダー「ゲロゲロゲロ………」

 とりあえず、ぶん殴ろうとして目の前まで走っていくが………

 ボコンッ

けろぴー「けろ!? けろぉーーーーーー…………」

 その手前に仕掛けられていた落とし穴に引っかかり、落ちていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 数分後…………

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

けろぴー「ふはぁ………けろぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 穴から気合いと根性で這い上がり、近くに残っていた足跡を追跡する。

 しばらくすると、ゲー族の集落にたどり着く。

ゴリラ「………(くんくん)」

 集落の圏内に入った瞬間、ゴリラが目を見開き匂いをただひたすらかぎ分ける。

ゴリラ「………!!(キュピーン!!!)」

 目が輝くと同時に猛スピードで集落に突っ込んでいった。

 あわてて後を追いかけると、

 倒れているゲー族、ゲー族、ゲー族………

 なにかに目覚めたゴリラは強かった。

 で、目覚めた原因は………

ゴリラ「ウホホホ………」

メスゴリラ「ウホォ〜ン」

 総勢、十匹のメスゴリラだった。

 ただでさえ、ぴんくが連れ去られて忙しい状況。

 これもまた、天命というわけで………

 まず、七〜八回餅つきの刑にされ、その後高く放り投げて壁に向かってスマッシュ。

 もはや生きてるのが不思議なくらいボコボコになっているゴリラを引きずって更に奥へと進む。

 

 

 

 奥へ行くと、開けた場所に出た。

 そこには崖の部分に丸太を組んで作った床があり、ゲー族のリーダーと長老、

 垂直に立っている丸太に縛り付けられているぴんくがいた。

けろぴー「げろぉおおおおお!!」

 走り込んだ助走を全て拳に込めてリーダーに殴りかかる。

 それを思い切り顔面で受けたリーダーも鋭いボディーブローをたたき込む。

リーダー「!………ゲロロロロッ!!!!」

 お互い、もはや考え無しに拳を打ち付ける。

けろぴー「げろぉぉぉぉぉ!!」
リーダー「ゲロォォォォォ!!」

 お互いの拳同士がぶつかり合う。

 その刹那。

 床が崩れ、その場にいた全員が崖の下に落ちていった。

 

 

 

 


 落ちた先で縛られていたぴんくを助け、リーダーとゲー族長老、ゴリラをたたき起こす。

ゲー族長老「ウガァアアアアアア!!」

 起こした瞬間に走り去っていく長老。直後………

 グルォォォォォォン!!! ギャアアアアアアアアア……………………

 凄まじい雄叫びと共に聞こえる絶叫。

 そして、こちらに進んでくる巨大ななにか。

 誰もが思った。

 この場で、全員死ぬと。

ゴリラ「ウフォガァ!!」

 それは、恐怖からの行動だったのかどうかはわからないが、ゴリラが投げつけた石によって戦いは始まった。

けろぴー「けろぉぉぉ!!」

 その辺に落ちていた木の棒で殴りつける。

 ゴリラもがむしゃらに殴る。

リーダー「………………ゲロォ!!」

 リーダーもそれに加わり、二人と一匹が攻撃を加え続ける。

 ただひたすら殴り続ける。

 そのとき、ぴんくの声が耳に入った。

 ただの声ではない、心の底からほっと出来る様な声。

 その声に、巨大ななにかがひるむ。

 その隙を、逃さず、声を聞きつつ、高く飛び上がる。

けろぴー「けろろろろ! けろおおおおおおおおおおおお!!!!!」

 飛び上がってからの頭突きを受け、そのまま巨大ななにかは引き下がっていった。

 

 

 

 落ちたところからしばらく歩くと、いつか夢で見た様な、巨大な花畑があった。

 みんなで、無我夢中に駆けめぐった。

 

 


けろぴー「けろろろろろー!!」

原始編 〜おしまい〜

 

 


後書き

森部「…………」

祐一「…………」

栞「…………」

祐「………なにか言い残すことは?」

森「………書くの遅れて大変申し訳ありませんでした………………」

栞「………これのどこが中世編ですか?」

森「………だってさ書きたかったんだもん」

ザクッ! ←なにかが切られる音。

祐「やれやれ、気分次第で書く物変更するとは………」

栞「でも、次こそはちゃんと中世編ですよね?」

祐「じゃなかったら、作者が死ぬかもな」

森「………(びくっ)」

栞「では、今度こそ中世編で会いましょう!!」