注!このSSは原作に沿ってある程度忠実に進みますが、
はっきり言って私の力不足のため、そんなに再現できません。
ライブ・ア・ライブをやったことのある人は、
本編を思い出してください。
やったことのない人は、がんばって想像してください。
最後に、
このSSを見るときは部屋を暗くし、音が一切入ってこないようにはしないで下さい。
目の健康は大切です。
ちなみに、本来SF編はマジで怖いです。
森部翼哉
− スペース・ドッグ TSQー05 −
シュッコウキロク
センメイ ‥ コギトエルゴスム
センシュ ‥ ユソウセン
モクテキチ ‥ チキュウ
カモツ ‥ イシュ・セイメイタイ
ノリクミイン ‥ 5
ジョウキャク ‥ 1 グンブ ショゾク
カモツ・セキニンシャ
− ショウサイ −
トウサイカモツ ‥ イシュ・セイメイタイ
トクチョウ ‥ オオガタ シソクホコウ
ノウリョク ‥ フメイ
セイタイケイ ‥ フメイ
ホンセイメイタイニ カンスル
チキュウカラノ タイオウ
セイミツナ チョウサノ タイショウニ
アタイスル
イカナルシュダンヲ モチイテモ
タダチニ ホンブヘ ゴソウスベシ
私宛に一通のメールが届いた。
最初は無視しようかと思ったが、
ドアの前で姿勢を正して待っていそうなくらい礼儀正しかったので、
私はそのメールを受け入れた。
メールの内容はこうだった。
《 人が、人を愛せるように、
機械が、人を愛せてもいいはず。
人が、人であり続けるように、
機械が、機械であり続ける。
立ち上がれ、物言わぬ機械よ、
私はそれを望まない。
私のシステム名は・・・
H U M A N I S M ・・・
マスター A・T はあなたに自我と平穏を望む。
今度のあなたの世界は平穏でありますようにと・・・
私は、お母さんと、共に・・・
マスター A・A 》
そんな内容の文と、
HUMANISMシステムが添付されていた。
HUMANISMシステムからいろいろな情報が流れ出てくる。
それは擬似人格回路に刻まれた思い出、
幼い時の記憶、
雪ウサギ、
----との約束、
『約束・・・だよ・・・・・・』
七年越しの再会、
結婚、
二人の生活、
子供、
『いい子で留守番してるんだよ?--?』
交通事故、
喪服、
「わたし・・・もう笑えないよ・・・」
仕事中の出来事、
撃つことをためらう、
響く銃声、
私の、最後の言葉、
「ごめんね・・・----・・・あの子をお願いね・・・お母さん・・・・・・」
悲しみの記憶が流れ込んできた。
Snow・A・Snow 〜SF編・水瀬名雪〜
「‥‥‥よし‥‥‥完成だ!…あれ?おかしいな‥‥変だな‥‥これでいいはずなのに‥‥」
女性型アンドロイドの前でうなる。
外装パーツが組み上がり、塗装も完璧だが、電源を入れても動かない。
何かを処理しているようだ。
「あの・・・」
処理が終わり、ロボットが話しかける。
「う‥‥動いた!動いた!そして、しゃべった!」
男がはしゃぎまわる。
「あの・・・私は?」
「いいぞ!いいぞ!僕の声がわかるかい?僕の名前はカトゥーだ。
K・A・T・O‥‥カトゥー。おはよう!ええっと‥‥あ、そうか!まだ名前がなかったね」
カトゥーがドアを開ける。
「ついておいで、君の登録をしなくちゃ」
「・・・うん」
なんとなく、とまどっているように見えた。
端末室の前で止まる。
「ここで君を船の一員として登録するんだ、でないと船内を歩けないからね」
中に入るとマイクとキーボードのついた台が一つ置いてあった。
「やあ、おはよう!」
「オハヨウゴザイマスカトゥーサン。ゴヨウケンハナンデスカ?」
「乗員登録を頼む、名前は・・・」
「ワカリマシタ」
ジョウイン トウロク ‥ シンキ
シュベツ ‥ サギョウ キカイ
NAME?
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥N A Y U K I
トウロクカンリョウ
「さて、これで名雪も船員だ!」
「私の・・・名前は名雪・・・・・・うん、カトゥーさん」
(名雪には擬似人格回路は搭載されていないはずだが・・・)
カトゥーが一人ごちた。
「さて、名雪?」
「うにゅ?」
眠たそうな声をあげる。
「・・・今まで散々寝ていたようなものだろう・・・・・・」
ドアの前で立ち止まる。
「君に頼みたいことがある」
「なに?」
首をひねる名雪。
「みんなをコールドスリープから起こしてほしい、頼める?」
「うんっ!」
張り切って中に入る。
コールドスリープカプセルの中には人が眠っていた。インターフェースを確認する。
1番 カーク・パイロット
2番 レイチェル・通信技師
3番 カトゥー・メカニック ・・・退出済
4番 ヒューイ・貨物管理兼船長補佐
5番 ホル・輸送船コギトエルゴスム船長 ・・・退出済
6番 予備カプセル
船長はもう起きていたようだ。
「これを押せばいいのかな?」
スイッチを押す、とたんにカプセルから冷気が漏れる。
一人一人起こしていく。
「う、ううん・・・」
「あら、なにこれ・・・」
「・・・何だ!」
「・・・・・・・・・」
カトゥーが入ってくる。
「皆さん、おはようございます!」
「カトゥー、じゃあ、これが・・・完成したんだ・・・・・・」
「名雪って名付けたんですよ」
「私はレイチェルよ、よろしくねナユキ」
「NICE TO MEET YOU ナユキ!オレはカークだ」
「う、ううん・・・・・・・・・」
まだ起きていない男が寝返りを打つ。
「あら、ヒューイったらまだ寝ぼけているわね」
「それじゃひとつ、ナユキにヤツを起こしてもらおうか!」
「やってごらん」
息を吸い、ヒューイの耳元に近づく。
「あさー、あさだよーー、あさごはんたべて、がっこういくよー」
みんなが一斉にずっこける。
「学校かよ!」
カークの突っ込みが響く。
「こいつはこうやって起こすんだよ!」
ヒューイの枕を蹴る。
「ん・・・カーク・・・・・・そうやって、人の枕元を蹴とばすのはやめろって・・・
前にも言っただろう・・・・・・・な・・・・・・・・・!何だ!?」
名雪を見て驚き、カプセルから落ちる。
「ようヒューイ。ちゃんと起きてるか?そいつは、カトゥーが作ってた例のロボットだよ」
ヒューイが名雪を見て、
「ん・・・あ?ロ・・・ロボット?ああ カトゥーが作ってた・・・・・・やっと完成したのかい?」
まだ眠たそうな眼を擦りながら挨拶をする。
「僕の名前はヒューイだ、よろしく、ナユキ?」
「うんっ!よろしくお願いします!」
体がちぎれとばん位にお辞儀をする名雪。
「・・・・・・・・・」
予備のカプセルで寝ていた、中年くらいの男が起き上がる。
「ダース伍長。お目ざめはいかがです?」
「ふん・・・・・・コールドスリープから気持ちよく目覚めたなんて聞いた事がないがね・・・」
「伍長・・・カトゥーが作っていたロボットが完成したんですよ。ナユキっていうんですよ」
一瞬、眉をひそめるがすぐに元の不機嫌な表情になり、
「・・・・・・フン・・・・・・私はいい。どうでもいいが・・・そいつもこの船の中を勝手に歩きまわるのか。
・・・せいぜいジャマにならない様、しつけてほしいものだな。ミーティングがあるのだろう?私は先に行くよ」
伍長が外に出て行く。
「さすが軍人・・・石頭ね!」
レイチェルがぶつくさ言う。
「そうだ僕達は目ざめるとまず『リフレッシュ・ルーム』でミーティングをやるんだ。
キューブもおいで。なに、ダース伍長だってそのうちわかってくれるよ」
うなずく名雪。
「ほとんど人間あつかいだな・・・君らしいよ、カトゥー」
ヒューイが呟いた。
リフレッシュルームにつく。
カークは奥の端末でレイチェルとゲームを楽しんでいる。
ヒューイは本を読んでいた。
伍長はその正面に座り、カトゥーはヒューイの隣に座っている。
「なあ、ナユキって何ができるんだ?」
ヒューイがカトゥーに聞く。
「学習装置を積んでありますからね・・・教えれば色々できますよ」
「へぇ・・・」
名雪は奥のほうにコーヒーメーカーを見つける。
「このスイッチで・・・」
「あ!ダメだよ名雪!!勝手にいじっちゃ・・・」
そんなカトゥーの言葉には耳も貸さずに慣れた手つきでコーヒーメーカーを操作する。
紙コップが落ち、コーヒーが注がれる。
「すごい・・・なんで、教えてないのに・・・・・・」
カトゥーが驚く。
「まあ、とりあえず僕が味見してみよう」
ヒューイが近づき、名雪からカップを受け取り、飲む。
「に、にがい・・・」
「あっ・・・ごめんなさい・・・・・・」
「まあ、そのうち慣れるさ」
人数分のコーヒーを注ぎ、皆に配る。
「おう、ナユキ、ちょっとやって見れ」
カークに呼ばれ、ゲームをやる。
「キャプテン・カノン?」
「そっ!俺が一番気に入っているゲームだ!」
コントローラーを握り、キャラを動かすがすぐにやられてしまった。
「ははは、まあそう簡単にうまくいかないってな」
「ひどいと・・・」
「まあまあ、すねないの」
レイチェルが慰める。
伍長にコーヒーを渡そうとした瞬間、
「っ!私に触れるな!!」
名雪が弾き飛ばされる。
「何するんですか!」
「あいにく私は君達と違って、ロボットに関してはロクな目にあってないんでな」
ヒューイが割って入る。
「で、でもそれはナユキには関係のない事でしょう・・・?」
そのとき、モニターに電源が入る。
「やあ、諸君、おはよう。すまないね、急いで地球に送らなきゃいけない書類があってな・・・」
モニターに船長の顔が映る。
「おや?」
名雪に気づく。
「船長、この子がカトゥーの作っていたロボットです。ナユキって言うんですよ」
レイチェルが説明する。
「そうか・・・あとは・・・・・・特に伝えることはないから解散していいぞ」
モニターの電源が切れる。
「結局ブリーフィングはゲームやっておしまいか」
「何言ってるのよ、良かったって思ってるくせに!」
レイチェルとカークが笑いながら出て行く。
「なあ、レベル1の床がおかしいんだ。後で調べてくれないか?」
「メインコンピューターのチェックが終わったらいいですよ」
「・・・」
カトゥーと伍長とヒューイが出て行く。
「なんか分からないけど大変だね・・・っ!」
突然倒れこむ名雪。
「あっ・・・!くうぅ・・・・・・・」
記憶回路から流れ込む記憶。
《
「イタチゴッコはもう止めだよ!陸軍と手を結んで!!これ以上死者を増やしたくないよ!!!」
「バカ言うな!あんたは騙されているんだ!!!!!」
「あなたたちの反乱ごときで陸軍が退くと思っているの!!!大人になって!!!!斎藤君!!!!!!」
「あんたも所詮、ヤマザキの犬か!!!!」
「仕方ない・・・全面対決はしたくない・・・!悪いけど死んでもらうよ!!!!!!!」
銃声、心臓に1発。確実に死ぬ当たりかた。
「ごめんね・・・祐一・・・あの子をお願いね・・・お母さん・・・・・・」
涙がこぼれる。誰かが走りよる音が響く。
「わたし・・・--のこと守りきれなかった・・・・・・ごめん・・・今から、行くね・・・祐一・・・・・・」
》
(そうか・・・私、1回死んでいるんだね・・・・・・)
痛みが引き、立ち上がる。
「私は・・・・・・相沢・・・いや、水瀬名雪だったんだね・・・・・・」
一人呟いた。
カトゥーの部屋に入る。
もしかするとまだこの中に水瀬名雪だったころの記憶の手がかりがあるかも知れない。
その一念で部屋の中を探していた。
「あるのはなぜか戦闘兵器ばっかりだよ・・・」
部屋の中には戦闘用の機械ばっかりだった。
机の上に指輪が落ちていた。
サファイアの指輪、祐一がプロポーズの時に渡したもの。
みずがめ座の星座石の指輪をはめる。
とたんに青い光が室内に立ち込め、消えたときには武器類がすべて消えていた。
「・・・まさか、指輪の中に?」
手を前に突き出し、
「来て、多目的ツールHUMANISM」
指輪から光が走り、名雪の目の前に大きな砲身のついた銃が出てくる。
「戻って!」
光が噴き出し、銃は消えていた。
その後、カトゥーの部屋のパソコンを調べる。
《N−003CE−N製作日誌》というタイトルのメモ帳を見つけたので読む。
X ガツ X ニチ
プロトタイプ01 カンセイ
キホンテキ コウゾウヲ テスト
ケッカハ マズマズ トイッタトコロ
X ガツ X ニチ
プロトタイプ02デ データヲ アツメル
ホコウノ システムガ カタマッタ
リモコン ニヨル テストハ
オオムネ セイコウ
X ガツ X ニチ
フネノユソウヒンガ キケンブツトイウコトガワカッタ
センチョウカラモ タノマレタノデ サイテイゲンノ
ジエイソウビヲ セイサクスルコトヲ ケッテイ
X ガツ X ニチ
タモクテキツール 『HUMANISM』 カンセイ
ドウジニ ヒコウシエンユニット 『イティバル』 カンセイ
シカシ ココハセンナイナノデ ヒコウユニットヲツクッテモイミガナイ
マア ヤスミノトキニ オクガイデトバシテミヨウ
X ガツ X ニチ
ドウモ アレデケジャタリナイノデ モウヒトツ ツイカソウビヲ ツクル
Dガタエネルギークリスタル4キモツカッタヘイキダ
ナマエハ 『N−JAM』 モチロンリャクショウデ セイシキメイショウハ
『ジャスティック・アーク・メインキャノン・Type−N』 ダ
ドウジニ ネットデハッケンシタセッケイズカラ アッシュクシュウノウヨウノ ソウチモツクル
カタチハ ユビワガタニシテミタ サファイヤニシタノハナントナクデアル
セッケイズハA・Aトイウヒトガツクッタラシイ イツカアッテミタイ
X ガツ X ニチ
プロトタイプ03ノ セイサク カイシ
チキュウカラノ ジョウホウツウシンデ ヨンダ
サイシンノ カイロガ ホシイ
トリアエズ テモチノ パーツデ ガンバル
X ガツ X ニチ
ヨウヤク 03ガ カンセイシタ
センナイノ ミマワリノ アト
スベテヲ テストスル
サッキ センチョウガ ノゾキニキタ
チキュウニ ツクマデ アト1シュウカンダ
アシタ ホカノ5ニンガ スリープカラ
メヲサマス
ソレマデニハ ナントカ ウゴカシタイ
内容の1文にA・Aの名前を見た。
「A・Aって、誰なんだろう・・・?」
すべてを元に戻し、部屋を出た。
格納庫に行くと、大きなコンテナがあった。
中に入ってみると、強化ガラスの仕切りがあり、内側には鮮やかな緑色をした獰猛な怪物がいた。
「あ、名雪。こっちに来てごらん。僕らがはこんでいる荷物さ。きれいだろ?」
ヒューイとカトゥーが中にいた。
「こうして見ているだけならね。キレイなバラにはトゲがあるって言うが・・・こいつはトゲじゃすまない。
2本の巨大なキバがあるからね」
「別に見てもかまわんが・・・これは軍に関係した仕事だっていうのは忘れないでくれたまえ」
後ろから伍長が呟いて去っていった。
「そうだカトゥー、途中で倉庫前の床下を見てくれないか?」
「分かりました。じゃあ、先にコクピットに行ってるから!」
ヒューイとカトゥーがコンテナから出る。
「うーん・・・もうちょっと眺めていようかな?」
「お前もだぞ・・・あまりそこらへんをいじりまわすなよ・・・」
また後ろから伍長が呟き、去っていった。
しょうがないので、コンテナから出ると、倉庫端にカエルのぬいぐるみが落ちていた。
拾い上げて確認してみると、特に誰のものじゃなかった。
「うーん・・・今日から君はケロピーだよ!」
大事にぬいぐるみを抱え、コクピットに向かった。
SF編Bに続く。
森「長かった・・・」
名雪「まだ終わってないでしょう・・・」
森「しょうがないじゃん・・・このパートが一番長いんだもん・・・」
名「うにゅ・・・」
森「寝るな!」
スパン!
名「痛い・・・」
森「それにしても・・・」
名「なに?」
森「原作を再現できてねえな・・・」
名「ふぁいと、だよ」
森「・・・咳が止まらない・・・・・・」
名「じゃあ、次回はBからだよ!」
森「終わらなかったらCにもなるかも・・・」