この話が始まる少し前・・・




「よう、奴らは?」

「保安官か?・・・まだ来ていないよ・・・・・・今日は何の用だい?」

「ああ、マスター、これを張っといてくれ・・・」

「手配書かい?まったく、悪人はもういいのに・・・」

手配書を掲示板に張る。

「なになに・・・5000ドル?気前いいねぇ・・・名前は・・・」

「ミシオ・・・ミシオという名で通っている。過去の経歴やフルネームなど一切不明なのだが・・・」

「どうした?」

「どっかで聞いたことがあるような・・・」

































ゴールドラッシュでアメリカが賑わっていたころの話・・・

至上最強なガンマンの、

ちょっとした話。































Snow・A・Snow〜西部編・天野美汐〜































荒野を一人、馬に乗り走る。

彼女の名は天野美汐。

10歳の時、船が難破して両親と共にアメリカ大陸に流れ着いた。

もともと天野家は陰陽術に長けており、川澄家とは交流がある。

そのため、東の川澄、北の天野などと称される。

彼女は死んでしまった両親から陰陽術の全てを習い、アメリカを旅している。

ありとあらゆる霊を祓いながら。






馬が歩みを止める。

「どうしたのですか?ミコト?」

目の前をみると、

「やっと見つけた!」

「・・・また、あなたですか?」

格好は12歳くらいの女の子、腰のホルスターには羽をあしらった銃を差している。

「まあ、ボク達は腐れ縁みたいなものだしね。どちらかと言うと恋人同士みたいなものだねっ!」

女の子が馬から下りる。美汐も馬から下りる。二人とも腰のホルスターに手を当てながら、

「なにを言いたいのですか・・・月宮あゆ」

「まあ、つまり・・・」

あゆがホルスターから銃を抜く。構えながら、

「そろそろこの関係にも決着をつけようってことだよ!ミシオ!!!!」

咄嗟に横に飛ぶ。一瞬前までいた所に弾痕が穿たれる。

腰のホルスターから愛銃『退魔二式』を抜き、撃つ。装弾数9発の対霊・人間用銃である。ちなみに美汐の設計したものである。

転がりながら起き上がり、起き掛けに三発。残りの弾は五発。

あゆの方は岩陰に隠れながら射撃。あゆの銃は『エンジェル』と呼ばれるもので、装弾数六発の羽のように軽い銃。

美汐が懐から何かを投げる。咄嗟にあゆが撃つ。

それは火炎瓶だった。あゆのいる岩陰に落ちる。

「うぐぅー!!」

あゆが飛び出す。しかし、いるはずの場所に美汐がいない。

瞬間、後ろ銃を構えるあゆ。しかし、美汐はそれよりも早く動く。

美汐があゆの横に回る。それに気づき、あゆが銃口を美汐に向けた瞬間、

バンッ!!!

「なっ!」

『エンジェル』のシリンダーが爆発した。美汐は『エンジェル』の銃口めがけて撃ったのである。

「さて・・・満足ですか?」

『退魔二式』ホルスターに納め、馬に乗る美汐。

「くっ!逃がさないよ!!」

あゆも自分の馬に跨ろうとする、が、

ドンッ!ヒヒィーーーーン!!!!!

「うぐぅーーー!!!ボクのタイヤキ君の手綱をーーーーーーーー!!!!」

馬に振り落とされるあゆ。そんなには目もくれずそのまま走り去っていく美汐。

「逃げるなぁーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」

荒野に響くあゆの叫び声。存分に木霊を残した。






しばらく走ると、街が見えた。

「ちょうど食料も切れましたし、寄っていきましょう」

すぐ町についた。

美汐が街の中に入ったとき、ふと思った。

(静か過ぎる・・・人の気配のほかに魔の気配がかすかにする・・・やれやれ、早く決着がつくといいのですが・・・)

バーの戸を開け、中に入る。

その瞬間、それまで騒がしかったバーが一気に静まる。

「ベーサム、ムーチョオー♪」

演奏をしていた三人組の一人だけが歌っていたが、すぐに止められた。

気にせずにカウンターに向かうと、

「あ、あの、お食事でしょうか・・・?お、お代は結構ですので・・・・・・」

なにか勘違いをしているみたいだった。その時、

「オラァ!マスター!!酒だぁ!!!」

入口の方から叫び声が聞こえる。

「あ、あの・・・」

「なんだぁ?文句でもあるんかぁ?」

カウンターに座っている美汐に向かっていくチンピラ。

「おう、ねえちゃん?そこの席は俺の特等席なんだよ、とっととどけぇ!!」

「やめな!!!」

上の方から威勢のいい声が聞こえる。一階に降りてくる。

「ドイツもこいつも・・・ジェンマ!ウェイン!クリント!セザール!威勢がいいのは名前だけかい!」

「会いたかったぜぇ?アニー」

「あたしは金を払わない客とは二度と会いたくないね!」

急にチンピラがアニーを抱く。

「いいじゃねえかよ?そんなつまんねえ意地張ってるより、さっさと俺の女になれよ?」

パン!!!気持ち良く響くアニーのビンタ。

「このアマ!こっちが下手に出てたらいい気になりやがって!!!!」

チンピラが腕を振りかぶり、殴ろうとするが、

「姉ちゃんに手を出すなぁーーーーー!!!!!」

チンピラの足に体当たりをかます子供。

「ビリー!!!!!」

「何しやがる!!このガキ!!!!!」

チンピラが子供を美汐に向かって子供を投げる。冷静に正面から受け止める美汐。

しかし、少女の体では受け止めても反動で後ろに下がってしまう。

「おう、姉ちゃん、ガキのした事だ許してやんな。お詫びに奢ってやるよ・・・マスター、ミルクだ!!」

マスターがミルクをカウンターに置き、チンピラがカウンターを滑らせる。コップが美汐の前に止まる。

「腰抜けで女のガンマンにはそれで十分だろぅ?」

やれやれといった感じで、コップを滑らせ相手の目の前に返す。

「おれの気のせいかなぁ?ミルクがこっちに戻ってきやがった。いかんなあぁ?安い酒はよぉ」

美汐に近づく。

「何とかいえやぁ!」

「うるさいから私の視界範囲から消えてください」

「んだとぉ!!てめぇやんのか!?こらぁ!!!」

「こういう展開を予想して行動を取ったのではないのですか?トラの威を借る狐さん?」

「何だとぉ!ガキの癖にオバサンみたいなこと言いやがって!!!!」

ライフルを構えようとするチンピラ、しかし構え終わるよりも早く懐に入り込み、『退魔二式』を顎に当てる。

「こんな狭いところでそんな長いものは無意味ですよ、銃の使い方をしっかり学んでから挑んでください。それに・・・」

撃鉄を起こしながら、

「物腰が上品といってください・・・死にたくなかったらですが?」

とか言い放つ。

チンピラは後ろに下がりながら、

「お、おぼえてやがれぇ!!!!」

お約束の科白を残して逃げるのだった。






「すごい・・・あのパイクをまるで子ども扱いするなんて・・・・・・あんた、クレイジー・バンチじゃなかったんだね・・・」

一連の騒ぎに固まっていた人たちが動き出す。

「何の騒ぎだね?」

戸をあけて保安官が入ってくる。

「いまさら来たって!」

ビリーが叫ぶ。

「パパなんか、臆病者だぁ!!!」

「ビリー、我慢してくれ・・・今あいつらを刺激するのは危険だ・・・」

アニーが割って入る。

「でも、このままじゃあ!」

「だが、この旅人さんがいれば・・・!」

「残念だけど、その人はそんなに大層な人間じゃないよ・・・」

保安官の後ろにあゆが立っていた。心なしか息が上がっている。多分走って追いかけてきたのだろう。

「その人の名前は、ミシオ!!!ミシオだよっ!!!!!!」

みんなの顔が驚愕のものになる。

「なんだって!こんなお嬢さんが!」

「信じられん!」

美汐に駆け寄るビリー。

「うそだ!うそだって言ってよおばちゃん!!!」

瞬間、ビリーの頭を掴む美汐。

「物腰が上品と言ってください・・・と言いましたよね?」

「う、うそだよね・・・お姉ちゃん・・・・・・?」

ビリーが震えながら聞く。

「残念ながら・・・事実です。私の名前は美汐です」

「最強のガンマンもさすがに子供には勝てないみたいだね・・・さてと、じゃあ表にでてっ!!!」

場が急に静まり返る。

「け・・・決闘だ・・・・・・」

クリントが震えながら、叫ぶ。

「決闘だぁーーーーーーーーーーーーーー!!!!」







「ルールは簡単だよ・・・五歩後ろに下がって振り向いてから撃つ。観客もたくさんいるからズルは考えないほうがいいよ」

「そんなことをする必要は無いでしょう。それに・・・」

美汐が木の陰に目をやる。

「それもそうだね。・・・あーあ、やっと決着がつくと思ったのに・・・」

あゆもホテルのテラスを見る。

「じゃあ、いくよ!」

風が吹き荒れる。

「一つ!」

美汐とあゆが動く。

「二つ!」

観客が固唾を呑む。

「三つ!」

二人の足音しか聞こえない。

「四つ!」

急に、風が凪いだ。

「五つ!」

二人がホルスターから銃を抜き、

横に飛び、

美汐は木陰を、

あゆはホテルのテラスを、

それぞれ撃った。

「がぁ!」「ぐぇ!」

木陰で誰かが倒れる、同時にテラスから人が落ちてくる。

「これは!」

保安官が木陰の男に、マスターが落ちてきた男に駆け寄る。

二人とも共通して左胸を撃ち抜かれていた。

「この二人が組めば・・・きっと勝てる・・・・・・」

アニーが呟いた。






バーには街の住民が全員集まっていた。

「さてと・・・まずは奴らの名前と構成、目的からですね」

美汐を中心に会議を始める。マスターが口を開く。

「あいつらはクレイジー・バンチ、О・ディオを中心とした荒くれ物の集まりだ。メンバーは全部で十五人・・・」

「けっこういるね・・・面白そうだね!」

不謹慎な声をあげるあゆ。

「目的は、この街の金だ。この近くには金山があってな、ゴールドラッシュで賑わっていたころがあったんだ・・・」

マスターが悲しそうに呟く。

「今じゃあ見る影も無いが、この街の金を狙っているのだろう・・・」

「では、今後どうするか、対策と方針を提案してください」

さながら学級委員長である。さすがはお『ばさん臭いとか言ったら私のファンに吊るし首ですよ?』

・・・機知に富んでいる。

「はーい」

「どうぞ、あゆ」

「罠を仕掛けるのはどうですか?」

美汐が考える。

(罠ですか・・・それなら戦闘能力のない住民でも仕掛けられる・・・)

「そうしましょう・・・さしあたっては、皆さんに手伝ってほしいのですが・・・」

「あたしはいいよ!」「ボクも!!」

真っ先にアニーとビリーが賛成する。

「俺たちも・・・」

「やれるだけ・・・」

「やってみる・・・」

「怖いけど・・・」

四人組が賛成する。

「やれやれ、年だからそんなには役に立たんが・・・」

マスターも賛成。

「なら、関係ないが・・・」

「私達も・・・」

「たたかうぅぅぅぅぅよぉぉぉぉぉーーーーーーー♪」

三人組・・・いや、スリーアミーゴス(スリアミ)も賛成。

残っているのは・・・

「私は・・・」

保安官が口にするその前にビリーが保安官のバッチをひったくる。

「これは、お姉ちゃんがもっていて!パパは・・・このバッチをつける資格なんかないよっ!!!!」

保安官が前に出る。

「私は・・・抵抗して被害が出るのを恐れていた・・・」

保安官の口が開く。

「だが、時には戦わないといけない・・・」

決心したように、

「美汐さん・・・いや、名も知らぬ旅の人・・・そのバッチは預かっていてください・・・私がその資格を取り戻す日まで!」

賛成を決めた。

「確認ですが、敵が来る時間は?」

「今から八つ鐘がなってからだ・・・」

「それでは私とあゆが材料を探してきます。皆さんはいつでも動けるように準備をしてください」





そうして材料が集まった。鐘は四つ目が鳴り終えた直後である。

シャベル、にんじん、まぐそ・・・もといバフン、ダイナマイト、美汐特製の火炎瓶、

ビリーのパチンコ、コールタール、フライパン、そして・・・

「これですね・・・」

それは、マスターの持ち物のポスター、しかもHなものだった。

「ど、どこからそれを!!!」

マスターは入念に隠していたようだった。

「まあ、マスターの趣味は置いといて、手順は話したとおりです。皆さん、お願いします!」

罠の仕掛けが始まった。






そして、八つ目の鐘がなった。

「いよいよです・・・」

馬のヒヅメの音が響く。

最初に四頭入ってきた。

しかし、最初の二頭が落とし穴に落ち、もう一頭がにんじんに気をとられ騎手を落とし、

最後の一頭の騎手がアニーの投げたフライパンをまともに食らう。

次の四頭は騎手がパチンコを食らい、火炎瓶が炸裂し、そして・・・

ドサッ!!!最後の一頭の騎手が落ちる。はいずりながら、

「なんで・・・こんなポスターが・・・・・・」

とかいって倒れた。

次の四頭はダイナマイトで吹き飛ばされ、О・デュオ含む三頭はロープの罠でデュオ以外が脱落。

つまり、丸裸状態である。





「出て来い!!店ごと蜂の巣にするぞ!!!」

デュオが怒鳴る。美汐とあゆと保安官が立つ。

「待ってください」

美汐が保安官を止める。

「あなたは残っていてください・・・万が一私達が倒れた場合のために・・・」

保安官が渋々応じる。

「お姉ちゃん!!!まけないで!!!!!!」

ビリーの声援を背に受け、美汐とあゆがドアをくぐっていった。





外にはО・ディオが六本の銃身を束ねた、美汐の背丈くらい大きいガトリング銃を構えていた。

「ほう、一人で来るとはいい度胸じゃねえか?」

美汐が後ろに目をやる。あゆがいたはずの場所にいない。

「あゆ・・・いまさら共倒れを狙うつもりですか・・・・・・」

キィ!バーのドアが開き、保安官が出てくる。

「あゆさんが戦わないなら私が戦う!!!」

「おうおう?威勢がいいねぇ!」

「ちょっと待った!!!」

屋根の上から声が響く。

「タイヤキ求めて幾千里!美汐追いかけて幾万里!!悪党と美汐を打ち倒すボクの名は!!!!」

妙な口上はじめるあゆ。

「月宮あゆ!!!とうっ!!!!!」

バキン!「あっとととと!うわぁーーーーーー!!!!!」べチン!!!!

・・・詳しく説明すると、まずジャンプしようとして足に力をかけた瞬間屋根を踏み抜き、

バランスを崩して屋根の縁まで行き、

落ちた。うつぶせ状態で・・・

「起き上がったら『うぐぅ、鼻が痛いよ・・・』とか言うでしょうね・・・」

うんざりしたように美汐が呟いた。

「うぐぅ、鼻が痛いよ・・・」

ほんとにその通りだった。

「あなたは何をしたいのですか・・・」

「かっこいい登場」

「誰の影響ですか・・・」

「天沢潤っていうこの前隣町で逢った人。格好良かったよ」

美汐の眉が一瞬動く。

「話は後です」

「てめえらいつまで俺を無視したら気が済むんだ!!!!」

「・・・ね?保安官は下がっていてください」

無言で応じる保安官。

「まあいい、虫けら一匹増えたところで・・・」

美汐たちが銃を抜く。

「このガトリング銃の餌食になることにはかわらねえからなぁ!!!!!!」

О・ディオがガトリングを美汐めがけて撃ってくる。

冷静に動き回りながら距離を詰める。

「ガトリングの弱点・・・それは!」

瞬間的に加速してディオの懐に潜る。

「銃身の回転を無理に止めると安全装置が働くこと!」

両手で回転する砲身をつかみ、とめる。

「何ぃ!!!!」

「今です!!」

「うん!!!!」

横から『エンジェル』で弾丸全てを使ったシクスズダウン(六連射)を放つ。

О・ディオが倒れた。






そのとたん、ディオの姿が馬に変化していく。

「これは!」

(これでしたか・・・魔の気配は・・・)

「そういえば聞いた事がある・・・」

マスターが呟く。

「О・ディオは昔軍人で、所属していた部隊が全滅して、生き残ったのは一頭の馬だけだった・・・て話・・・・・・」

(なるほど、恨みの媒介にはちょうどいいですね・・・)

一頭の馬が町を走り去っていった。








「さて、あゆ?」

「なに?」

「天沢潤とはいつ、どこで、どういういきさつで逢いましたか?」

「美汐に逢う二日前くらいかな?」

あゆがしみじみと語りだす。

「町でおなかがすいて、tai焼き・・・もとい鯛焼きを作ろうとして・・・」

何かオチが見えてきた。

「小麦粉が無いのに気づいて買いに行って・・・」

「小麦粉を泥棒でもしたのでしょう?」

美汐が突っ込む。

「なぜそれを!もしかしてエスパー?」

「話の流れです、それはいいとして・・・」

「・・・その逃げている時にぶつかったんだよ」

「そうですか・・・」

あ、となにかを思い出したようにあゆが、

「そうだ、潤君から手紙を預かってたんだっけ」

ポケットから手紙を取り出した。

宛先は『天野美琴』、差出人は『天沢潤』となっていた。

封を破くと、そこにはもう一枚の手紙。

取り出して宛先を見ると『天野美汐』、差出人は『相沢祐一』となっていた。











前略、天野美汐様。

船がアメリカに流れ着いてから五年がたったな。

体のほうは大丈夫か?

まあ、おばさん臭いから健康のほうは問題ないだろうがな。(笑

俺が来た目的は、美汐にただ逢いたかっただけだ。

そして、美汐に・・・言いたいことがあるから・・・・・・

俺はサクセズタウンの隣町にしばらく滞在する。

まあ、早いとこ来てくれや。

暇で暇でしょうがない。

じゃあな。

相沢祐一より。




P.S. これから俺が迷惑かけるかも知れんが、

それは俺であって俺ではない。

まあ、気張っていこう!

それじゃあ!







なんてことが書かれていた。






「もう、行っちまうのかい?」

アニーが美汐に聞く。

「ええ。あの人はほっとくとなにしでかすかわからない人なんです・・・」

頭を抑える美汐。

「あ、そうでした保安官・・・」

「バッチだったらいいですよ。私は、自分に自信をもてましたから!!!!」

保安官の言葉に美汐はうなずいた。

「ごめんよ・・・」

急にアニーが謝る。

「実は町には金なんて一つも残ってないんだ・・・」

美汐がやれやれといった感じで、

「お金ならいくらでも持っているもの・・・」

バックを開けると札束がごろごろと入っていた。

「ね?それに、私の仕事は守ることですから。それじゃあ」

美汐が馬を走らす。姿があっという間に遠くなっていった。

「お姉ちゃんーーーーーーーーーー!美汐お姉ちゃんーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

ビリーが叫ぶ。

「ぼく、お姉ちゃんみたいな人になるーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」

「そういえば、思い出した!」

保安官が叫ぶ。

「ミシオって史上最年少で連邦保安官になったやつだ!」

そういえば、とみんながうなずく。

「そして、彼女の周りで不可思議な事件が起こると同時に、
 
 腕試しに来たものたちのおかげで町は無法地帯になったから自分に賞金をかけ、旅してるって・・・」

「つくづくすごい人だったな」




































 西部編 〜Bに続く〜  

















森部「やっと終わった・・・」

美汐「終わってないでしょうが」

森「固いこといわない」

美「事実です」

森「さて、次は何編書こうかな?」

美「あれ、最終章を書くんじゃないのですか?」

森「そのつもりだったんだけど・・・名雪たち書かんと・・・・・・」

美「そうですか・・・」

森「ああ、大変だ・・・」