「あああ、相沢さん!?」
「よかったわねー、美汐」
「はぅ」
「ほれ、部屋に戻るぞ。俺1人じゃ迷う。じゃ、麗奈さん、俺たちは帰ります」
「はいはい、またねー」
麗奈さんは颯爽と着物を翻して消えた。
むぅ、さすがは女将。
仕草1つとってみても決まってるな。
俺は赤くなった天野を連れて部屋に戻った。
風呂でのこともあるし、夕食のこともある。
さて、今日最大の難関である夜、か。
どうなることやら・・・不安は募るばかりだ。
旅館ですよ。 第5話〜布団、1つですか?〜
部屋の扉に手をかけたところで天野に袖を引っ張られた。
振り向くと、袖を握ったまま俯いている。
うぅ、だから天野にそういう仕草をされるとヤバイというに。
「天野、どうかしたのか? 更衣室に忘れもんでもあったか?」
「いえ、そうではないのですが・・・あ、う、そのー」
珍しく言葉を濁してるな。
普段はヒドイ言葉でもザクザクと切り裂くようにでるのに。
そんなに聞きにくいことなのか?
「さっきの言葉、なのですけど」
「?」
「だ、だから、付き合う可能性があるっていう! あれ・・・です・・・けど」
・・・あの言葉か。
あー、そりゃ聞きにくいだろうなぁ。
というか俺も答えにくいし、もう言いたくないぞ。
恥ずかしいし。
「あれ、どういう意味でしょうか?」
はぁ、答えなきゃならんのか。
「そのままだよ。天野と付き合う可能性もあるってこと」
「な、なんでですか? 相沢さんの周りには可愛い人がもっといるではないですか」
「名雪たちか? ま、あいつらも可愛いけどな。それなら天野だって負けてないだろ」
天野って自分のことを低く見過ぎだよなぁ。
今のセリフを教室で言ったりしたら嫉妬の視線を浴びるぞ。
やれやれ、無自覚ってのも怖いな。
ようやく俯いていた顔を上げ、不思議そうな顔になる。
「私が・・・可愛い、ですか?」
「なんだ、心底ありえない、って顔だな」
「だって私は可愛くないでしょう。笑わないですし、無愛想ですし、暗いですし」
「・・・少なくとも今日の天野は可愛かったよ」
言ってて自分で恥ずかしくなった。
あまりに天野が卑屈だから言ってしまったが。
俺はあまり直接的な表現は得意じゃないのになぁ。
天野は赤くなり俯き、小さな声で言った。
「・・・ありがとうございます」
「・・・おぅ。さっさと入ろうぜ?」
忘れてたけど、部屋の前だった。
麗奈さんがいないでよかった。
見られてたら何を言われるかわかったもんじゃない。
扉を開けるが、天野は袖を離していない。
気にしないことにして、そのまま部屋に入る。
そして、愕然とした。
「お、おおおぉぉお!?」
俯いて下を向いている天野は見えてないらしい。
ヒョイと顔を上げ、固まる。
「な、ななななな!?」
そして同じ反応。
麗奈さん・・・やってくれましたね。
部屋をもう1度よく見る。
既に布団が敷いてあった。
そこまでは何の問題もナッシングだ。
1つの布団に枕が2つ並んでいなければパーフェクト。
残念ながら目の前の光景はパーフェクトじゃないようだ。
1つの布団に枕が2つ並んでいるから。
「天野、俺には麗奈さんがわからない」
「私にもわかりません。というか実の母なのかに疑問を持ち始めました」
うむ、それも考えたほうがいいだろう。
しかし似てるので間違いなく血の繋がった親子だと思うぞ。
とりあえず中まで入ることにする。
「布団ならここにあるはずです」
天野は部屋の隅にある扉をあける。
その中は――――――何もない、暗い空間だった。
否、紙切れが1枚。
俺はそれをヒョイと拾い、読み上げる。
「『布団は足りない部屋で使うから。そこにはそれだけで十分でしょ?』」
「「・・・・・・・・」」
2人して部屋の中央に敷かれた布団に目をやる。
さらに枕に目をやる。
それから、手紙をもう1度だけ読み返す。
アクション。
「全っ然、十分じゃないです、麗奈さん!!」
「電話します、電話!!」
麗奈さんの手紙の内容に俺は叫んだ。
天野は布団により端っこに寄せられたテーブルの上の電話に飛びついた。
どうやら麗奈さんに抗議するらしい。
すぐに向こうで誰か出たらしく天野が勢いよく喋る。
「女将を出しなさい! 今すぐに!」
『――――――』
むぅ、ダメか。
この位置じゃ聞こえないではないか。
俺は電話の内容が聞こえるように受話器に耳を近づける。
『女将―――今、少―――を離れてお―――が』
「くっ、今が何処で何してるかわかりますか?」
ちっ、まだ聞こえない。
さらに耳を近づける。
ふと気づくと天野を半分くらい抱く感じになってるが、このさい気にしない。
聴覚に全神経を傾ける。
今度はちゃんと聞こえるな。
『おそらくは各部屋を回ってるかと思います』
「・・・そうですか。お手数をおかけしました」
『いえ、お気になさらず』
「では、ありがとうござ―――「入るわよ〜♪」―――!!」
突然ノックも何もなしに部屋の扉が開く。
そして響くは麗奈さんの声。
天野が一瞬で電話を切り、瞬時に入り口を向こうとする。
しかし、それはマズイ。
「うわっ、天野、今は動くな!!」
「へ? きゃあぁ!!」
天野を後ろから抱きかかえるような体勢で電話の声を拾ってた。
そんな状態で動かれたら俺は後ろに倒れてしまうことになる。
咄嗟に天野の肩を掴んで倒れるのを防ごうとする。
けど俺の体重を天野が支えきれるわけなく。
何とも都合よく後ろに敷かれていた布団に2人して転がった。
俺たちは倒れながらクルクルと回り、俺は天野が下になって頭なんかを打たないようにはした。
が、その結果。
「・・・あちゃー、邪魔しちゃった?」
「ちちちち、違います! 麗奈さん、誤解です!」
「そそ、それよりも早く離れてください! お母さんも逃げたら殺しますよ!」
俺は何とか下になり、俺自身も布団のおかげで痛みもなかった。
しかし天野の頭やら顔やらを守るために自分の胸に天野の頭を抱いている。
天野は天野で俺の上に乗り、俺の胸に抱かれてるわけで。
さらには浴衣を掴んでるから、はたから見たら互いに抱き合ってるように見える。
だめ押しで見られたのが麗奈さんだ・・・しかも抱き合った後という最悪シーンから。
どうせなら最初から見てれば誤解も生まれなかっただろうに。
なんでタイミングよく倒れた後に俺たちを見るのかなぁ。
「祐一さん、動かないで!!」
「・・・はっ?」
天野を解放しようとしたところで唐突に言われて思わず止まる。
その表情が真剣だったから。
天野も声の質から何か感じたのか大人しくなった。
「いいから、少しだけ待ちなさい。動かないで」
麗奈さんは浴衣の中に手を突っ込み、引き出すと同時に―――――
パシャパシャパシャ
―――――シャッターを連続して切った。
「待たんかい!! いや、やめてください!!」
速攻で天野を解放する。
くそっ、一流女優か、この人は!!
本気で騙されたじゃないか!
実の娘である天野なんて声だけで騙されたわ!!
「お母さん!! そのカメラを渡してください!!」
「そうはいかないわ! こんな貴重なシーンを逃すわけにはいかないの!」
「麗奈さん、それはダメです、何に使う気ですか!!」
「親戚一同に送るのよ!!」
「そんな恥ずかしい写真を送らないで下さい! からかわれます!!」
「俺と天野は何でもないですよ! さっきのは事故です!!」
それから10分ほど室内で俺&天野vs麗奈さんの戦いは続いた。
結果は麗奈さんの勝利。
写真は取り返せず敵の手に渡ってしまった。
あぁ、アレが俺の両親とか水瀬家に行ったらどうしよう・・・
「で、さっきのはそういうこと。なるほどね」
とりあえず抱き合ってた理由を説明した。
麗奈さんにとっては原因など、どうでもいいらしい。
納得はしてくれたが興味なさそうだ。
「それはもういいです。諦めましたから。それよりコレは何ですか?」
ビシッと部屋に敷かれている布団を指差して天野は言い放つ。
嘘や冗談は一切許さない、という威圧感を込めた視線だ。
「美汐と祐一さんの仲を深めようと」
麗奈さんはいたって真面目に答えた。
ストレートだが嘘でも冗談でもないのだろう。
今日一日で理解したが、この人はこういう性格だ。
本気で俺たちに何かあればいいと思ってる。
天野はピシッと固まった。
「ときに祐一さん?」
「はぁ、何ですか?」
またしても真面目な顔。
本気かどうかわからんけど、とりあえず真面目に聞くしかない。
適当に聞いといて真面目な内容だと困る。
「さっき抱き合ってたときだけど・・・どうだった?」
「そうですね、柔らかくて抱き心地は最高で―――違う!!」
「胸とか、どうだった?」
「思ったよりもあって、気持ちよか―――麗奈さん!!」
真面目に聞こうと思った俺がバカだったようだ。
そして真面目に答えた俺は真のバカかもしれん。
さきの勢いは何処へやら、天野は赤くなって外を向いてる。
俺も何処かへ逃げたい。
「ま、冗談は置いといて。布団は本当に予備ないよ」
「・・・マジですか?」
「ちょっと団体さん来てるから。必要なだけ使ってるのよ」
「・・・俺たちも必要なんですけど」
「これだけでいいでしょ?」
布団をポンポンと叩きながらのたまう。
くそぅ、俺は立場上の問題で逆らえない。
無理に泊めてもらってるから、逆らうと追い出されそうだ。
肝心の天野は俺の発言のせいで思考回路がショート。
万事休す。
というか本当に予備がないなら、どうしようもない。
「ふぅ、わかりました。俺たちはこれだけでいいですよ」
「な、相沢さん!? 本当に2人で寝る気ですか!?」
天野、再起動。
「たわけ。俺は壁によりかかって寝る」
別にそれくらい何でもないからな。
まー、布団なしだから寒いとは思うけど。
最悪は野宿を想定してたわけだから十分にOKだ。
「ま、それは任せるわ。ごめんね、まさか足りなくなると思わなくて。
これ以降はこんなことにならないように布団とか追加を注文してるからさ」
「あ、気にしないで下さい」
「私は仕事に戻るわ。怒られるし」
「写真、悪用だけはしないでくださいよ」
「はいはい。わかってますよ。おやすみなさい」
麗奈さんは扉の向こうに消えた。
うぐぅ、疲れた。
時計を見てみる・・・ぐぁ、もう11時じゃん。
旅の疲れ&精神的疲れがすっごい溜まってるぞ。
特に後者。
「はぁ〜、天野。俺はもう寝るけど」
「そ、そうですか。では私も寝ましょう」
「「・・・・・・・・・」」
沈黙。
や、一緒に寝るわけじゃないだろう。
緊張する必要は・・・あるか。
同じ布団じゃなくても、同じ部屋というだけで十分に緊張する。
「あー、天野は布団を使えよ? 俺は壁で構わん」
「・・・本当にいいのですか?」
「一緒に寝たいのか?」
「ちちちちち、違います! もう寝ます!」
まったく、こうでもしないと寝てくれないからな。
天野まで壁だか床で寝ます、とか言われたら堪らん。
俺がヒドイ奴になっちまう。
「んじゃ、電気消すから」
パチッという音とともに電気が消え、暗闇となる。
・・・早く寝よ。
壁に寄りかかり、寝る体勢をとる。
朝は身体が痛いかもなー。
「おやすみ、天野」
「・・・えぇ、おやすみなさい、相沢さん」
チッチッチッチッチッチッチッチッ
時計の音が耳に響く。
こういうときって何で時計が気になるんだろう。
というか率直な話だが寝れない。
寝れるわけないだろ。
天野と同室なんだから。
おやすみ、って言ってから何分くらい過ぎただろうか。
ひたすらに静寂。
俺が寝れないことにより、溜め息を吐いた、その時。
ピリリリリリリ
いきなり携帯が鳴り出した。
俺は驚いて反射的に立ち上がった。
天野も同じようにガバッと起きた。
つーか、起きてたのか。
静かだから寝てるのかと思ってたぞ。
とにかく急いで携帯を見ると相手は秋子さん。
・・・しまった、連絡してない。
ピッ
『ゆ、祐一さん? よかった、無事でしたか』
「すみません、連絡し忘れてました。忙しくて、色々と」
あぁ、本当に忙しかった。
それはもう凛ちゃんとか麗奈さんとか天野とか。
『もう、連絡してくれないと困りますよ。
心配で泣きそうだったんですから。3人もですからね』
「何か言ってました? 名雪たち」
『黙っていくなんてズルイ、って。
一緒に行きたかったらしいですね。誰と行ったの、って聞かれました。
とりあえず1人だって教えたら安心したようですけど。
祐一さんの周りの女性が一緒だったら大変なことになってましたよ』
天野さんが普通にいますが。
しかも同じ部屋で寝泊りすることになってます。
とは言えるわけなかった、
「そ、そうですか」
『何処にいるんですか?』
「それは秘密です。とりあえず旅館なんで大丈夫ですよ」
旅館名なんかを言うと、こっちに来られる可能性がある。
あいつらも毎日休まずバイトやらしてるわけじゃない。
1日2日は休むだろう。
もしも来られたら困る。
『わかりました。明日は連絡、くださいね?』
「はい、わかりました。おやすみなさい、秋子さん」
『おやすみなさい。よい夢を』
ピッ
携帯を切って、テーブルに置く。
壁際に戻り寝ようとすると天野が話し掛けてきた。
「秋子さんですか?」
「あぁ、連絡をくれって言われてたの忘れてた」
「1人ですからね。預かってる身としては不安なのでしょう」
「それはそうと起きてたんだな。寝てるかと思ってたぞ」
「・・・寝れるわけないじゃないですか」
ま、もっともな意見だな。
なんせ俺だって眠れないんだからなー。
これだけ疲れてるっつーのに寝れないのは苦痛だ。
壁というのも相まって余計に寝れん。
「変なことはしないから寝ろ」
「相沢さん? その、ですね? 壁に寄りかかって寝れるのですか?」
「・・・正直なとこは寝づらい。ま、たいして問題なしだけど」
「・・・そうですか」
なんでちょっと残念そうな声を出す。
あ、残念なのか。
俺が寝やすいほうが天野としても布団を使ってる罪悪感みたいなもんが薄れるし。
ちっ、嘘でも楽勝とか言えばよかった。
天野の性格を忘れてた。
人に気を使いすぎるんだよなぁ、ったく。
「あの、相沢さん?」
「んー? どうかしたのか?」
俺が聞くと天野は俯きながら言った。
すごく言いづらそうに、俺のほうを見ないようにして。
けどチラチラと見ながら。
「えと、もしも、ですよ? 嫌でなかったら、そのー。
問題なし、って言ってましたし、こんなこと言うものアレなのです、けど。
・・・こっちに、来ませんか? あ、相沢さんさえよろしければ、ですけど
その、やっぱり、寝づらいと思いますし。」
あー、それはアレですか?
一緒に寝ませんか、ということでしょうか?
というか、さっきの残念そうだったのは、問題なし、っていう言葉にか?
誘いづらいから残念そうな声だったのだろうか。
や、そんなことよりもどういうことだ?
あの天野が一緒の布団で寝ようと言ってるんだぞ?
うがぁ、思考がパニくってるぅぅぅぅ!!
「よ、ようするに一緒に寝よう、ということか?」
「そ、そうです。嫌でなければ、です、けど。あ、私は構い、ませんか、ら」
暗くてはっきりとわからないが、たぶん2人とも赤くなってる。
ホントに赤くなってばかりだ、ここのとこ。
しかし、ここまで積極的な天野も珍しいかもしれん。
「・・・あー、それは嬉しいんだが、ホントにいいのか?」
「・・・はい、いいです」
「ん。じゃ、そうさせてもらうよ」
天野が言ってくれてるのに断るのも、なぁ。
別に何かするわけでもなく寝るだけだし。
しいて言えば夕食が今になって疎ましくなったが。
俺は壁から離れて天野が寝てる布団に入る。
予想以上に狭くて身体が密着する。
高校生2人だとキツイのかもしれない。
こういう2人用の布団って他にあるんじゃないのか?
これも麗奈さんの陰謀だったら怖いな。
「天野、狭くないか?」
「だ、大丈夫です。温かいですから」
お互いに背中を向けている。
背中から天野の熱が伝わってくる。
うぐぅ、無駄に緊張する。
何となく黙り込んでしまい静寂が戻る。
うぅ〜、何か言わないと寝るに寝れないぞ。
おやすみ、でも何でもいいのに・・・
「・・・相沢さん、嫌ではないのですか?」
いきなり天野が身体の向きを変え、俺の背中にソッと抱きつく。
俺に腕を回して包み込むように。
正直、困る。
というか恥ずかしいのこと、この上ない。
天野がこんなことするなんて思ってなかったから。
俺はできる限り、いつものように喋った。
「天野と同じ布団で寝ることか? 嫌じゃないけど」
「私は、こういうのも好きですよ」
ギュウゥと力強く抱きついてくる。
あぁぁあぁぁ、胸があたるから止めてくれ。
それ以前に天野が可愛くてしかたない状態になってる。
直接、天野を見たら俺は陥落するかもしれん。
「こうするのにも、すごい勇気がいるんですよ?
今だって、喋ってないと緊張して泣きそうで、震えそうで」
それはわかってる。
俺に一緒に寝ませんか、って言ったときの口調で。
あそこまで緊張した天野は初めて見たから。
今の天野がさっきよりもビクビクしてるのも、わかってる。
「あの、こっち、向いてもらえませんか?」
無理です、絶対に無理です。
今もしも天野を見たら俺の理性くんは消え失せます。
ただでさえ夕食のせいで身体が火照ってるんだ。
それはヤバイ、本気でヤバイ。
「・・・ダメだ。何をするかわからん」
「ふぅ、そうですか。仕方ありませんね」
「悪いな。今、天野を見たら自分を抑える自信がない」
「夕食のせいで火照ってるから余計に、ですか?」
「・・・当たりだ」
なんとなく、恥ずかしくなった。
背中でクスクスと天野が笑ってる気配が俺に伝わる。
うぅ、天野にからかわれるなんて。
「私も身体がポカポカしちゃってますから。大人しく寝ましょうか」
「・・・離してはくれないのか?」
「はい。今日はこのままです。嫌でしたら離しますが?」
「いや。気持ちいいし、温かいから、そのままでいいよ」
天野はさらにくっついてきた。
まったく、これも夕食の影響なのか?
こういうのも悪くはないけど。
しかし・・・天野に段々と嵌っていく気がする。
此処に来てから天野の魅力に引き込まれっぱなしだ。
ふぅ、参った。
背中に抱きついてる天野からは寝息が聞こえる。
俺も寝るとしますか。
優しく抱き締められたまま、俺は深い深い眠りに落ちた。
あとがきのようです。
氷:布団が1つなのは王道のような第5話です。
夏:2人の慌てぶりや麗奈さんのからかいが目立ちますね。
氷:まぁ、現実的にはありえなさそうな話ですけど許してください。
夏:電話中に驚いて転がって抱き合ってるなんて、確率低いです。
・・・でもSSですし、それはそれでいいとは思いますけどね。
氷:そういえば秋子さんが久々に少しだけ登場。
基本的に美汐さん&祐一なのでKanonキャラは出てきません。
夏:出てきても少しだけっていう感じですね。
氷:あまり目立ちすぎてメインが霞んじゃってもダメですから。
夏:まぁ、それで結局は一緒に寝ちゃうんですね・・・はぅ。
氷:そうなんですけど。
こんなの美汐さんじゃない!とかいう苦情がきそうな気もします。
積極的な美汐さんもいいかなぁ、と思ったのですけど。
夏:普段は大人しい、控えめ、消極的、とかいうイメージが強い子ですね。
氷:だから、こういう美汐さんも書いてみたいなー、とか。
ごめんなさい、私の趣味です、はい。
夏:あはは・・・そ、それでは次回に会いましょうね♪