はじめに・・・・・
祐一が北川に負けてます(最初は)
そう言うのが嫌な人は回れ右してください。
漢達の生き様?〜聖夜編〜
「と言うわけで! クリスマスパーティを始めるぞ」
おお〜
「なんだそのやる気のない返事は!!」
ををっ!!〜・・・・
「いや・・・・・・・もういいや・・・とにかく!!相沢!さぁ!!クリスマスパーティだ!」
「・・・・・・へぇ」
「お互い、クリスマスの夜は独り身だし・・・たまには俺と友情を深めろ!」
「なんでクリスマスでお前と友情を深めなきゃならんのだ・・・訳を言え、訳を」
「ふっ・・・・お前が一人寂しいクリスマスを迎えようとしているから俺たちが
誘ってやるというのに・・・愚かなヤツ・・・」
「いや・・・理由になってないし」
「何を言うんだ相沢・・・お前が水瀬さん達のパーティーに出席できないのは
とっくに知っているぞ?」
「・・・・う」
「まぁ・・・・お前が従兄弟だろうが何だろうが・・・」
「どうせお前も香里に断られたんだろう?」
ぴしっ
どこかに亀裂が入る
「相沢・・・・」
「北川・・・・」
「「死ね!!」」
互いの拳と拳がぶつかり合う
格闘漫画のノリで
二人は高速戦闘に入る
姿が見えないのに
夜の学校には甲高い打撃音が響き渡る
(って学校だったのか?)
北川の蹴りと拳があらゆる方向から祐一を襲う
その攻撃を祐一は紙一重で
回避!、回避!、回避!、回避!!
「ちっ・・・・・!」
焦れてきたのか
北川の顔に焦りが見え始めた
不意に北川の左ガードが下がる
「相沢!!これで終わりだっ!!」
ギュウル!!
渾身の右ストレート
だが
「終わるのはお前の方だ!!」
その瞬間、世界はゆっくりと動いていたのかもしれない
自分の左頬をヤツの右腕が通り過ぎる
「どぉぉぉぉりゃぁぁぁぁぁっ!!」
ずん!!
鈍い音
祐一のアッパーカットが北川に炸裂した。
北川は二回半ひねりをしながら天空へと飛翔し
盛大に砂煙をあげながら地面に叩きつけられる
こう・・・ずざぁぁぁぁーーーーーー!!と
「北川・・・・恨むなら・・・自分のアンテナを恨みな・・・・あれ実は痛いんだよ刺さると」
砂煙が晴れる・・・・だがそこにはあったのは
「・・・・・アンテナ!・・・ということは・・・空蝉の術!?・・・・本体は何処に!?」
「左斜め後ろだ!」
ヒュゴォ!
祐一の側頭部に北川の回し蹴りが入る
「てめぇ・・・・そのアンテナ・・・・・飾りだったのか・・・・」
血を右手で拭いながら
祐一は震える膝をなんとか抑えながらゆっくりと立ち上がる
どうみても瀕死っぽいがその眼は
炯々と光っている。
「・・・・知っているか?・・・・昔の人は言った・・・・
脚なんて飾りです!!・・・・とな」
「微妙に突っ込みどころ満載だが・・・・・脚じゃなくてアンテナだ」
北川は落ちているアンテナを拾い頭に装着し
「ふっ・・・・・異音同義語と言うヤツか・・・・」
ぐぼはぁ!!
何故か祐一は口から血塊を吐き出す
「・・・・・・くそ!!」
「かかったな!!相沢!・・・・お前は今のツッコミで残っていた僅かな力も尽きたはずだ」
「てめぇ・・・・さっきの一言まだ根に・・・ぶぼはっ!!」
「ん?・・・・何のことだかさっぱりだなぁ〜」
北川は祐一の頭を足の裏でグリグリする
「・・・・・さて相沢・・・・そろそろ引導を渡してやる」
「わかった・・・・好きにすればいい・・・だが・・・・最後に一言」
「なんだ?」
「香里にどんな感じで断られたんだ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・俺が家に誘いに行ったら・・・
『先約があるから』って・・・・・・・もの凄い勢いで扉が閉められた・・・・」
「・・・・・・・・・・(可哀相なヤツ・・・・)」
「それもこれも・・・・・・・みんな・・・・お前の性だぁっ!!(血涙)」
北川は祐一の襟を掴み
木に叩きつけ・・・・
そして
「喰らえ・・・・・・おらぁっ!!・・・・・・・・・・・・・駄目!!駄目!!駄目!!駄目!!駄目!!駄目!!・・・・・・」
まるで噴火の如きの猛攻
北川の拳がマシンガンの様に突き刺さる
「・・・・・・駄目!!駄目!!駄目!!駄目!!駄目!!駄目!!駄目!!駄目!!駄目!!・・・・・・・駄目!!」
「ガリレオ!!」
キラーン!
そして祐一は星となった・・・・・・
後には
北川が立ちつくす・・・・
呟く
「虚しい・・・・・虚しいぜ・・・・・こんなにも虚しいなんて・・・・美坂・・・俺は何処で道を間違えたんだろうな・・・・・・・・・・・・こんな脇役道の道を・・・・」
そして北川の身体が音をたて崩れ落ちる
「身体が動かねぇ・・・・・へへ・・・・・もう終わりか・・・・・
最後に・・・会いてぇな・・・・美坂に・・・・・・美坂?・・・そこに居るのか?・・・・そうか・・・・・・・あぁそうだな・・・・メリークリスマス・・・・・・香里」
雪が降り始めた。
雪は北川の身体に降り積もる
北川はぴくりとも動かずに雪の中に埋もれていった・・・・・・
終わり
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
まだありますよ?・・・・・
さて・・・・・ここで問題、北川に飛ばされた祐一はどうなったのか?
では答え・・・・
視界が白い・・・・・白く霞む・・・・寒い・・・・・ああ・・・そうか俺・・・今・・・雪の中に居るのかな?
身体が動かない・・・・多分明日の一面記事は『クリスマスの夜に高校生凍死!?』で決まりだな
って・・・そうじゃない・・・・だろ・・・・
・・・・・・駄目だ・・・もう意識が・・・・・
「あら?・・・相沢君?」
ああ・・・とうとう・・・天使のお迎えが・・・
「・・・・やめて・・・恥ずかしいから・・・・いいから起きて・・・・んっ」
身体が浮く
目を少し開けると
首にマフラーを巻いた香里の姿があった・・・微妙に首を傾げている姿が可愛い
「って・・・何言ってるのよ!!(///)」
顔が紅潮している
「いや・・・・極限状態における人の本音と言うヤツだ」
「えっ・・・・・それ・・・本当?」
「・・・・・?」
「・・・・・あたし・・・可愛い?」
「・・・・いやっ・・ほら・・・どっ・・どうしたんだ香里いつもの鋭いツッコミは!?」
「・・・・・・・・・だって・・・今日はトクベツな日だから・・・(///)」
「!?・・・・・・」
降りしきる雪の中
二人の視線は絡み合い
そして
そして・・・・・
後日談。
翌日。
学校に来た教師やら生徒やらに発見された北川はやけに満ち足りた顔をしながら寝ていた。
おそらくアンテナが萎えていないので休眠しているだけだろう・・・
まぁ・・・全身の凍傷で約一ヶ月学校を休んだとか
んでもって
一ヶ月後登校してきた北川が見たのは
香里の祐一に対する呼び方が相沢君から祐一に変わっていたり、
昼休みに香里が祐一にあーんしていたりしていて
周りにラブラブっぷりを見せつけていたお二人さんだった。
その後・・・傷心のあまり旅に出ちゃったりした北川だった
つまり・・・・・勝負に勝ったからと言っても女神は微笑むとは限らない。
というお話。
こんな終わり方でいいのかどうかわからないまま終わる。
とりあえず後書き。
・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・。
こんちは・・・『クリスマスSSですかこれ?』といわれて『いえ・・・・解りません』的なSSを書いてしまった作者です・・・・
とりあえずこんなSSでも読んで笑ってくだされば良いかな?
了。