『奇跡のkey』



第零話 〜見守りし木より生まれる鍵四つ〜















 とある雪国の街で悲劇が起きた



 少年が大切に思っていた四人の心優しき少女達



 少年に会いたいが故にヒトの姿であらわれた一人の健気な狐の娘 



 少年が第二の母と慕った少年の叔母



 みな、少年の前から消えていった



 少年は深く悲しんだ



 消えていった少女達と深いかかわりを持っていた三人の少女も深く悲しんだ



 だが、少年は三人の少女が悲しむ姿が―――――



 三人の少女は少年が悲しむ姿が―――――



 なによりも悲しかった



 少年と三人の少女は願った



 奇跡というものがあるのなら



 せめて大切な少年が心から笑えるようにと―――――



 せめて大切な三人の少女達が心から笑えるようにと―――――



 

















 始まりの大樹はその身の大半を失いながらも一人の少年と三人の少女を見ていた



 彼らの願いを聞いていた  



 そして始まりの大樹も奇跡を願った
 


 彼らの笑顔が好きだったから
 




















 ―――――そして生まれた



 奇跡のカケラが、奇跡の扉を開くための四つの鍵が



 始まりの大樹より生まれし≪それ≫はものみの丘と呼ばれし場所へ向かう



 奇跡の扉を開くために、一人の少年と三人の少女の笑顔を再び取り戻すために



 三人の少女の名は天野美汐、倉田佐祐理、美坂香里



 物語の中心となりし少年の名は―――――





















 ―――――相沢祐一



 始まりの大樹より再び物語がはじまる