祐一の愛した星少女
(Kanon:) |
プロローグ
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written by シルビア
2003.10 (Edited 2004.3)
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相沢 祐一はこの世を去った。
……長年寄り添った、相沢 祐一の妻であり続けた女性を残して。
妻は夫の遺品を片づけていた。
ふと、鍵のかかった机の引き出しから、一冊の手記らしきものを目にとめた。
自分の見たこともない手記を手にとった彼女は、不思議な思いにとらわれた。
(これは一体、何でしょうか?)
中身を知りたい誘惑に囚われた彼女は手記を見ることにした。
彼女はその手記を机の上に置いて、その表紙をめくった。
タイトルらしき文字が書かれていた。
「俺の愛した星少女」
(何ですって〜!)
少し嫉妬に燃えた妻はさらにページをめくった。
手記は語る……
「
かつて、人は夜空を眺め、そこに物語を綴った。
神話や伝承は夜空を見る楽しみを、現在生きている人に与える。
俺はかつて8人の少女と恋におちた。
彼女達との恋は、俺に多くの物語を残した。
俺は星空を眺め、彼女たちの面影を象徴するような星を見るとき、
時折、彼女達との恋の物語を思い浮かべる。
『トゥーバーンの少女』 月宮あゆ
『アクエリアスの少女』 水瀬名雪
『アンドロメダの少女』 美坂栞
『さそり座の少女』 美坂香里
『シリウスの少女』 沢渡真琴
『アル・リスカの少女』 天野美汐
『アタランテーの少女』 川澄舞
『スピカの少女』 倉田佐祐理
この手記は、私のかつて愛した8人の少女達に贈った俺の心の物語である。
相沢 祐一
」
だが、このページを見た妻の感情はすこしばかり和らいだ。
彼女はその中に自分の旧姓である一つの名前を見つけたからである。
(あなた……私の事も書いたんですか。恥ずかしいです)
妻はいまだに若い頃の面影を残す、気品にあふれる女性である。
妻はその頬に赤らみのある表情を浮かべた。
今でこそ妻とはいえ、夫の祐一の恋の遍歴を全ては知らない。
祐一ほどの男性ならば、多少は恋をした過去があってもそれほど不思議ではない。
彼女とて、それを追求するような野暮な真似を好んでするものでもない。
それに、ここの人物にしても、その名前ぐらいは生前に祐一から聞いたことはあった。
それは自分に出会う前の祐一の恋であろうことは、彼女に容易に想像できたのだ。
祐一の心を捉えた少女達には嫉妬の心もあろうが、それよりも、自分のしらない夫の過去の話がここに記されている……そういう予感は彼女の心を刺激した。
夫が自分の事をどのように表現したのか、それも気になっている。
そして、彼女はゆっくりとページをめくっていく。
秋子:「作者さん、今回のSS連載では私の出番はないんですね?」
作者:「そうですね、専用の話はありませんが、アシスト役なら用意しましょうか?」
秋子:「それって冷たくないですか?」
作者:「ああ、冷たいかも。
だが、今回のSSゲストとしては秋子さんは適役だと思う。
そこでお出でいただいたわけです」
秋子:「ゲストですか? 私は何をしたら良いのです?」
作者:「解説をお願いしたい。
今回は神話とかの話がやたらと絡むので知的な秋子さんは適役でしょう。
また、全てのKANONキャラをご存じなのは、祐一以外では、秋子さん
だけだろうと思い、その意味でもお願いしたいのです」
秋子:「分かりました。ところで、このプロローグの人物は誰ですか?」
作者:「企業秘密です♪」
秋子:「作者さん、私の決めセリフを盗らないで下さい。
現時点では秘密ということですね?」
作者:「一応、会話調とかで判断できないようにはしたつもりです。
これは最終話への伏線でもあるので」
秋子:「ただ、"これから作者が描く少女の誰かである"、ということぐらい
明かしませんか?」
作者:「そうだな。
それに、最終話を読まなければ、読者も自分の好きなキャラを当てはめる
ことができるというメリットもあるな。
この連載SSはマルチ・エンディング可能なものになるかも」
秋子:「最終話にはある少女が登場しますよね?
彼女を選んだ理由は何でしょうか」
作者:「そうだな、最終話に限っては、俺の好みだとでも言っておくよ。
それ以外の案については、読者の好みと想像に任せるよ」
秋子:「今回の連載の魅力は何だと考えてます?」
作者:「KANONキャラの場合、星や神話の話で誰に何が似合うかな、それだろな」