ランジェリーガールをお気に召すまま 花間燈(MF文庫J)
下着にまつわる悩みをまるっと解決していく異色のランジェリーラブコメストーリー。
主人公がランジェリーデザイナーであり、テーマが「下着」という点が特徴的な学園ラブコメです。
内容としては、ヒロインたちの下着に関係する悩みを主人公が解決していくという方向性で
テーマがテーマなだけに、挿絵を筆頭としてお色気要素が盛りだくさんで目の保養度は抜群かと。
また、お仕事ものとしての要素も濃いので、下着関連の豆知識を豊富に得ることもできます。
ラストは父からブランドを継ぐことを正式に認められ、これからも仲間たちと共に頑張っていくエンド。
ラブコメ的にはメインヒロインの水野澪と結ばれて終了。
主人公は女の子を笑顔にするために高校生にしてランジェリーブランドのデザイナーを務めている少年。
普段はどちらかというと温厚な性格で、仕事には真摯。困っている人を放っておけないお人よしだが
下着のこととなると、軽率で強引、無駄にポジティブでデリカシーがなく、諦めの悪い変態と化してしまう。
ランジェリーデザイナーを志した理由は喜ぶ母親の笑顔が見たかったから。
色恋には縁がないが、異性相手に誉め言葉をストレートに言い放つことに抵抗がない。
また、爽やかな笑顔で恥ずかしい要求をしたりと、女の子の嫌がる様子を楽しむSな一面も。
仕事がうまくいかない時など、かなり追い詰められると頭にパンツを被る癖がある。
特技は下着姿を見ればその女の子の大体のスリーサイズがわかること。
ヒロインは級友、バイな幼馴染、アイドル的存在な後輩、ツンデレな転校生、長身スポーツ娘。
サブに快活な人気者、気遣い上手な従妹、合法ロリな従姉なども。
一番のお気に入りは男子から大人気で学年のアイドル的存在である後輩、長谷川雪菜。
Gカップの巨乳が目を惹く、鳶色の瞳に黒髪のショートボブが印象的な美少女。
主人公以外の男の前では猫を被っているが、本当は男があんまり好きではなく、キレのある毒舌の持ち主。
中学に入るまで子役をやっていたのだが、演技ではなく、大きくなった胸ばかり注目されるように
なったことを苦にし、引退してしまったことから、自分の胸にコンプレックスを抱いている。
小学校の時は仕事で忙しく、中学でも友達がいなかったため、同年代との人付き合いが苦手。
それに加えて、男子からモテモテであるがゆえに、女子からは快く思われていないためぼっち。
実は隠れドMで、いったん心を許すと、途端に好意全開でベタベタ甘々になる。
評価はC。
タイトルや表紙絵を一見しただけだとエロコメかな? と思ってしまうのが当然の作品。
実際作中でも下着姿の女の子が頻繁に登場し、全体的な雰囲気もコミカルさが強い作風ではあるのですが
変人ではあっても下着作りへの真摯さが見て取れる主人公のおかげで緩急が利いている印象。
まあ、真顔で「よかったら、俺のパンツを穿いてくれませんか?」はどう考えてもアウトなんですがw
とはいえ、ヒロイン側も変態要素が見え隠れしているのでバランスは取れているのかも?
本筋は話のメインとなる部分(主人公の下着関連の活動)は奇麗に纏まっていてはいたものの
もう一方の重要な要素であるラブコメ部分が駆け足になっていたのが残念なところでした。
特に、フラグが立っていながら最終巻では恋愛話に絡ませてすらもらえなかった佐藤泉が不憫すぎる…