JDとプロフェッサーの黄昏戦記 獏末カナイ(富士見ファンタジア文庫)
広大な砂漠を戦場に、埋もれてしまった愛と真実を見つけ出す近未来JD戦記。
大枠としては近未来の地球を舞台にした戦記ものですね。JDという女性型戦闘兵器が存在しているのが特徴で
戦争においてはこのJDが主力となっています。ちなみにJDとは「JUDGMENTDOLL」の略称であり
女子大生の略ではないです。なお、JDはアンドロイドなので当然人外(関節が球体だったりする)なのですが
見た目はほぼ人間そのものなので、そんな彼女たちが戦争に赴く姿はやるせないものがありますね。
特に物語の舞台となる砂漠の大国は内戦真っただ中で戦火は容赦ないですし。
ラブコメ面は主人公が現状JDを異性として見ていないわけですが、さて。
主人公はとある事件を切欠に日本を離れ、砂漠の大国で軍に参加し、JDの整備士を担当している少年。
日本で学生だった頃、苦労して入手したJD「アヤメ」を大切なパートナーとして心から愛していたが
震災によって彼女を喪失してしまい、その悲しみからJDに対して性的興奮を抱くことはなくなってしまった。
ただ、JDのことを人間同様に大事と思う心はそのままゆえに、破損した彼女たちを見ることを厭う。
JDとのコミュニケーションには問題ない、むしろ優れているが、対人能力はポンコツ。
ヒロインは明朗快活なJD、優等生なJD、ギャルっぽいJD、大人びたJD、心優しきJD。
一番のお気に入りはチームのエースとして君臨する最強のJD、ペルフェクシオン。
月の光を彷彿させり銀色の長髪に、紫色の瞳を持つ美少女。
物腰穏やかで人当たりがよく、クールな性格で、主人公への思慕はかなり強い。
高嶺の花に見えるが、さりげない気づかいや料理までできたりと、超がつく優等生。
好きなものは人間、花、紙などの人の歴史を感じられる道具。
現時点(一巻)においての評価はC。
整備士として親身な主人公は多くのJDたちから慕われており、一見するとハーレム状態ではありますが
相手が全員アンドロイドだと考えると羨ましいのかそうでないのか悩むところ。
JDにはそれぞれにパーソナリティがありますし、身体以外は普通(?)女の子と変わらないのだから
十分羨むべき状態ではあると思うのですが。お風呂で身体洗いなんかもしてますしね主人公…
ヒロインたちの魅力には申し分ないですし、設定&世界観の細かさも読みごたえがあります。
本筋は強敵を撃破し、敵前線基地の強奪に成功した主人公たち。
そんな中、敵のトップから主人公を使者にしろという条件での交渉が行われることになり…?