スクール下克上 鏡銀鉢(角川スニーカー文庫)
チート能力に目覚めて人生逆転した少年による異能サクセスアクションストーリー。
現代日本が舞台で、主人公をはじめとした名前ありの登場キャラの大半が異能(超能力)持ちとなると
異能バトルをやるのがライトノベルの常であり、王道ですが、この作品のメインは別。
作中における日本は財政破綻をしていて、その状況を打破するために超能力者を活用しよう!
という、内政、つまりは日常で超能力を活かすという方向に主眼を置いた話になっているんですね。
そのせいで、国家視点だと異能バトルならば大活躍な戦闘特化系の異能が役立たず扱いとなり
逆に冷遇されがちな非戦闘特化系異能が優遇されまくるという逆転現象が起きているのが面白い。
ラブコメ面はメインヒロインの桐葉の小悪魔っぷりにタジタジの主人公ですが、さて。
主人公はあらゆる物体を自由に動かせる「テレポート&アポート」の超能力を持つ少年。
お人好しで正義感が強く、自分の利益だけでは動かない性格。
良く言えば周囲に流されない確固たる自分を持っており、己の価値観に忠実なソロ充だが
悪く言えば空気が読めるのにも関わらず読もうとしないため、集団から排除されがちなぼっち。
一人での行動を苦にしておらず、マウントを取りたがるパリピ連中を嫌っているが、人嫌いではない。
ヒロインは小悪魔な蜂娘、柔和な分解再構築能力者、いじられ系なサイコメトラー。
人懐っこい生物操作者、合法ロリな探知能力者、天然クールな念写能力者。
一番のお気に入りは蜂っぽいことを蜂以上にできる「ホーネット」の超能力者、針霧桐葉。
長く艶やかな亜麻色の髪に切れ長でハチミツ色の瞳、クールな顔立ちの巨乳美少女。
総務省異能部の戦闘班所属で、主人公の監視役兼ボディーガードを務めている。
天真爛漫で小悪魔な性格だが、異能が原因でいじめられていた過去から、気を許していない相手には冷淡。
自分を受け入れ、世界を開いてくれた主人公に好意を抱いており、彼のことを「ハニー」と呼ぶ。
現時点(一巻)においての評価はC。
利便性という一点で見るとテレポートほど有用な異能はないよね、という話。
この作品はバトルメインではないですが、いざ荒事になったとしても普通に強いですしねテレポート。
逃げに徹すればまず負けないですし、攻撃面でも頭を使えばいくらでも相手を翻弄できますからね。
そんなチート異能を持っていながらも、主人公は苛められっ子であったがゆえに謙虚で思いやりがあるのだから
そりゃモテても仕方がない。将来性最高で性格良しで偏見なしとか異性の超能力者からすれば垂涎の的である。
超能力者の存在が身近となったがゆえに差別に悩み苦しむ超能力者が多い世界観だからこそ、尚更に。
本筋は主人公をはじめとする超能力者たちの活躍で、順調に進む国家再建。