高校生WEB作家のモテ生活 茨木野(GA文庫)
幼馴染が絶対に後悔するラブコメディストーリー。
大枠としてはざまぁものですね。サブタイトル通り、主人公を振った幼馴染が後悔します。
ただ、ざまぁとはいっても、発端は所詮「好きじゃないから振った」というだけのことですからね。
振り方が少々手酷かったのはマイナスではありましたが、主人公側も自業自得な面がありますし…
そういう意味ではざまぁ要素はほぼ幼馴染側の自爆であり、主人公は自発的に相手を貶めようとせず
ピンチに陥った時はちゃんと彼女を助けようと動くので、気持ちよく読める話になっているかと。
ラブコメ面は四人の美少女を好きになってしまったがゆえに思い悩む主人公ですが、さて。
主人公は一部からは神作家と信奉されている高校生WEB作家の少年。
温厚な性格で、自分を手酷く振った相手であっても思いやることができる優しさの持ち主。
運動もスポーツもダメ、チビで根暗で引っ込み思案、卑屈で自分に自信がない、と典型的な陰キャだが
その文才は正に天才の一言であり、代表作「デジタルマスターズ」は一巻でアニメ化が決定。
アニメ映画は興行収入五百億円の超大ヒットになるほどで、熱狂的なファンも多い。
しかし当の本人にその自覚は欠片もなく、周囲がいくら諭しても自己評価は低いままだったりする。
お話を作ること、それを誰かに読んでもらうこと以外の娯楽をほとんど知らない。
ヒロインは勝ち気な幼馴染、天真爛漫な人気声優、情熱的なアイドル歌手、人見知りなイラストレーター。
一番のお気に入りは超人気イラストレーターにしてVtuberである十五歳の女子高生、三才山鵠。
肩のあたりくらいの銀髪、冬の空のような澄んだ青い瞳、真っ白な肌の小学生くらいに見えるロシア系美少女。
人間と話すこと&団体行動が苦手な人見知りコミュ障で、だから一人でできる絵を描く作業に没頭していた。
日本語を聞くことも喋ることも可能だが、コミュ障ゆえにロシア語を喋る外国人キャラで通している。
日本語の時は内気だが、ロシア語の時は陽気でフランクなオタクであり、結構図太い。
現時点(二巻)においての評価はD。
タイトル通り、主人公がモテまくる(しかも相手は知名度の高い美少女ばかり)生活をおくる話です。
主人公の盛りすぎとも言うべき才能と業績を考えれば、それ自体はおかしくはないのですが
作中において神作家であることばかりがプラス面として押し出されすぎているのが若干引っかかるかも。
主人公自身をロクに知らずに「貴方があの神作家!? 好き!」ばかりというのは流石に…
いや、まずファンとしての好感度ありきというのはわかるのですが、なんかモヤッとするわけで。
素の主人公とも普通に接してはいるので、良い娘揃いなのは間違いないのですが。
ただ、そうなると今度は素の主人公の頭を疑うレベルの無自覚と謙遜が鼻についてくるのがツライところ。
本筋は思い悩む主人公に、ヒロインの一人が「じゃあ全員と付き合っちゃえば」と爆弾発言をかまし…?