召喚士が陰キャで何が悪い かみや(HJ文庫)
陰キャ高校生による異世界×成り上がりファンタジーストーリー。
大枠としては異世界(ゲームっぽい)転移ものですね。ただし、簡単に現実と異世界を行き来できる上
それが主人公だけの特権ではなく、他の人間にも可能という点が特徴でしょうか。
あとは、日々のタスクも雑魚退治に加え、薬草採取などが比重を占めていたりと、とにかく地道なのが珍しい。
まあ、魔王退治や世界を滅亡の危機から救うなどの遠大な目的が提示されているわけではない以上
ゲーム風の異世界が舞台とはいえ、これが現実というものなのでしょう。世知辛い…
そもそもこの作品、冒険そのものよりも、異世界での生活の中で発生する他者との交流の積み重ねで
人間的成長を果たしていく主人公の姿に主眼が置かれている感じですしね。
ラブコメ面は今のところ進展なし。告白済みヒロインはいますが、主人公には恋愛にトラウマがあるようで…?
主人公は異世界で召喚士としての適性を得るが、肝心の召喚モンスターを獲得できずにいる高校生の少年。
自他ともに認める陰キャで「陽キャは敵、女子からの告白は罰ゲーム、頼れるのは己のみ」が信条。
根暗で生意気で口が悪く、人間不信。陰キャではあるが反骨精神がかなり強い。
基本的には効率主義だが、イザという時は信念や感情を優先してしまうタイプでもある。
ヒロインは清楚系陽キャ、小動物系陰キャ、癒し系陽キャ。サブにマイペース魔法使い、ギャル系陽キャ。
一番のお気に入りはクラスメイトから「地味子」とあだ名される陰キャ女子、足柄山沁子。
異世界で行き倒れ寸前だったところを主人公に助けられ、同居&協力関係を結ぶことに。
もこもこ、ふわふわしたダークブラウンの髪に、低身長でややぽっちゃりした身体の巨乳美少女。
陰キャらしく格上や初対面の相手には弱く、おどおどした態度を見せるが、慣れた相手には勢いがいい。
その一方で、恩人に対する侮辱に否の声を上げることができる勇気の持ち主でもある。
クラスではいじめられっ子とまではいかないものの、冷遇されているいじられポジション。
主人公からは「アッシマー」と呼ばれている。
現時点(三巻)においての評価はC。
なんといっても主人公の拗らせまくった陰キャっぷりがインパクト強いです。
お前陽キャに親でも殺されたのか、なレベルで陽キャを憎み、卑屈で孤高のぼっちを徹底していますし。
だからこそ、仲間ができたことが切欠となって徐々に心変わりをし、成長していく様にほっこりします。
まあ、彼に友好的な陽キャたちが人格者なだけだったという対人運の良さが大きい気がしますが。
ヒロイン候補たちの質の高さを見る限り、女性運もバッチリのようですし。
あとは、結構ネタ満載ということもあって所々で地の文や会話が面白いのもグッド。
本筋は仲間たちの力で過去を乗り越え、眼の腐りがとれて前を向いた主人公ですが、さて。