魔王使いの最強支配 空埜一樹(HJ文庫)
魔王を統べる少年による、圧倒的無双ファンタジーストーリー。
大枠としては追放ものですね。無能であると侮蔑され、パーティーから追放された主人公。
しかし彼にはパーティーには欠かせない陰の功績が、そして在籍時には眠っていた凄い力が…!
という、王道の底辺からの成り上がり物語となっていおり、ざまぁ要素もあります。
しかし主人公の能力、効力さえ発揮できれば脅威的ではあるけども条件が尖り過ぎではなかろうか。
魔王しかテイムできないって、普通に暮らしてたらただの役立たずですし…
ラブコメ面は今のところ進展なし。主人公の能力的に最終的には魔王ハーレムになりそう?
主人公はオールラウンダーの司令塔としてパーティーを支えていたが、理解されずに無能として
勇者パーティーを追放され、その後、魔王を従える力を持つ魔王使いに覚醒。
封印されていた魔王の一人・サシャをテイムし、人魔共存のために奮闘し始めた冒険者。
物腰穏やかで情に厚く、真面目で誠実な性格。また、超がつくほどの努力家で、状況判断力も高い。
一度決めたことを途中で投げ出さない、自分の思う正しさを貫き通せる心の強さを持っている。
仲間を支援するために体を鍛え上げ、あらゆる武器の使い方を習熟しているため
スキルなしでもかなり強いのだが、必要以上の争いも、誰かの命を奪うことも好まない。
色恋にはかなり鈍感。そのくせ無自覚に口説き文句を吐くこともしばしば。
ヒロインは尊大な魔王、凛々しき幼馴染、クールな魔王、ツンデレ魔王。
一番のお気に入りは魔物の力を権能として使えるがゆえに「獣の魔王」と呼ばれている三代目の魔王、リリス。
肩の辺りで切り揃えた鮮やかな水色の髪、切れ長の目に宿る同色の瞳、血の気のない真っ白な肌。
そして、背中から生やした双翼と、額から生えている一本の角が特徴の美少女。
クールというか、無表情かつ不愛想で感情の起伏が少なく、口調も淡々としているが
それは自身が誰かを従えたりすることに向いていないと自覚しているがゆえ、魔王らしい威厳を保つための
装われた冷徹さであり、素は照れ屋で押しに弱く、可愛い格好や可愛いものを集めるのが好き。
現時点(四巻)においての評価はC。
この手の追放ざまぁ系の話では毎度思うのですが、何故主人公の有能さを理解できないアホ勇者を
周囲の面子は持ち上げたり、見捨てずにいられるのだろうか。勇者の称号が安っぽくなり過ぎである。
まあ、追放した側は愚かな判断の報いをキッチリ受ける展開になるのでスカッとはするのですが…
主人公にしても、有能アピールも仲間の矯正も切り捨てもできてない以上、結局誰も株が上がらないのがなぁ。
とはいえ、その甘さと高潔さがあるからこそ「魔族と人の共存」という目標が掲げられたのでしょうが。
あと、メインヒロインであるサシャを含め、魔王たちは肩書の割にへっぽこ気味で親しみやすいのがグッド。
本筋は魔に支配されている国の開放に成功し、誼を結ぶも、四人目、五人目の魔王は現魔王陣営へ。