【翻訳】の才能で俺だけが世界を改変できる件 蒼乃白兎(富士見ファンタジア文庫)
古代魔法と才能の力で世界を解き明かし改変する【翻訳】無双ファンタジーストーリー。
ハズレ扱いされた才能が、実は最強へと導く鍵だった! という王道の成り上がりものですね。
追放ものの要素もありますが、まあ「翻訳」のみでは戦闘に無縁なのは確かなわけで。
古代魔導書が読めるから世界最強の魔法使いになれます! とかわかるはずがないですし。
しかもその上、世界は文字でできているから「翻訳」なら万物を創造できるとか意味不明である。
とはいっても、戦闘の才能がないからって冷遇して追放して最後には殺そうとするのは行きすぎですが。
ラブコメ面は唯一の異性旅仲間であるアレクシアのメインヒロインの座は揺るがず?
主人公は「翻訳」という戦闘には無縁のハズレ才能だったがゆえに家族から冷遇される日々を過ごすも
翻訳の才能で古代魔導書を読み漁っていた結果、いつの間にか世界最強の魔法使いになっていた少年。
礼儀正しく温厚な性格で、かなりのお人よし。憎しみや怒りといった負の感情を抱くことがほとんどなく
会話ができるのであれば、魔物であってもなるべく殺したくないと考えている。
また、助けてほしい時に助けてもらえない苦しみを知るがゆえに、他者を助け、優しくすることに躊躇がない。
名誉欲や金銭欲が薄く、色んな文化に触れたい、というのが冒険者として世界を旅する理由。
ヒロインは純粋無垢な古代娘。サブに勝気な冒険者、好奇心旺盛な考古学者、聡明な王女。
一巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。
現時点(一巻)においての評価はC。
人類最強クラスの実力を持つ主人公が、目の前の問題をサクサクとテンポよく片付けていく
という話の構成になっているので読み易さは申し分ないのですが、それゆえに危機感や悲壮感が薄く
主人公が年齢の割に落ち着き過ぎなこともあってカタルシスに欠ける部分があるのが難点。
ヘイトキャラへの対応も甘すぎな上、それを無理矢理なご都合主義で落着させたりもしていますし。
メインヒロインのアレクシアをはじめとした女性陣の華やかさは申し分ないんですけどね。
本筋は不気味に暗躍する闇の精霊が召喚した巨大モンスターを倒し、国を救った英雄となった主人公。
次巻は闇の精霊の情報を得るべくエルフの森へ。