機械音痴な幼馴染が我が家でリモート授業を
受けているのは、ここだけの秘密。
   秋月月日(富士見ファンタジア文庫)



幼馴染と内緒で過ごす、あま〜い在宅ラブコメディストーリー。
大枠としてはラブコメですが、主要キャラが学生であるにも関わらず舞台は学校ではありません。
主人公の通う高校がオンライン授業を導入したため、高校に通学する必要がないのですね。
なので、リモート学生生活という、今の時代ならではの学生ライフが描かれているわけです。
まあ、主人公に限っては、幼馴染と二人きりで授業を受けるという羨まけしからん環境なわけですが。
ラブコメ面は今のところ進展なし。メインヒロインの枝折は主人公と恋人になりたがっていますが、さて。

主人公は高校入学と共に疎遠気味になっていた幼馴染の常坂枝折からのお願いで
一緒に自宅でリモート学生生活を始めることになったマンションにて一人暮らし中の高校生の少年。
漫画やアニメが好きな陰キャオタクぼっちであり、押しに弱くコミュ力も低めだが
結構ズバズバものを言うタイプ。学校にいる時はいつも無表情で誰にでも冷たく、退屈そうにしている。
スペックの高い幼馴染(枝折)への劣等感から、ネガティブで自己評価が低くなりがち。
両親は仕事で世界中を飛び回っているがゆえに一人暮らしをしており、家事は普通にこなせる。

ヒロインは人見知りな幼馴染、陽キャな級友、クールな教師。
一番のお気に入りは主人公にお願いして、一緒にリモート学生生活をおくることになった幼馴染、常坂枝折。
長い前髪で右目を隠し、小柄ながらに大きな胸とクールな顔立ちが特徴の美少女。
美少女でありながら愛想がないため、学校では「お姫様」と呼ばれ、入学から何度も告白されているほどの
人気者だが当の本人はそれほど自覚はない。また、周囲の評価とは裏腹に、実際は表情の変化に乏しく
人見知りゆえに人と話すのが得意ではないだけだったりする。あと、機械音痴でもある。
他人に対して、必要以上に気をかけすぎてしまうところも。
幼馴染の主人公に恋心を抱いているものの、想いを伝えることができていない。

現時点(一巻)においての評価はC。
幼馴染をメインヒロインにしたラブコメ、という意味ではお手本の一つと言っても過言ではない作品。
疎遠になっていたけど、ひとつの切欠から再度距離が近づいていき、けれど想いがすれ違って…
でも最後には本音を吐露し、二人は昔以上の仲に。うん、正に王道って感じで素晴らしい。
ただ、疎遠の原因である主人公が抱く劣等感ゆえのうじうじ描写が多さが鬱陶しいのが難点。
気持ちはわからないのでもないのですが、鈍感難聴に卑屈のコンボはマイナス印象が強すぎる。
メインヒロインの枝折の健気さと可愛らしさは抜群なのに、それを台無しにしている感があります。
本筋は幼馴染として再スタートを切った主人公と枝折。二人の進展や如何に。