カーストが逆転する教室へようこそ!   しもっち(オーバーラップ文庫)



「真のリア充とは何か」を問う青春群像恋愛劇。
大枠としてはスクールカーストを主題にした学園青春物語ですね。特徴はタイトル通りカーストが逆転している点。
普通、スクールカーストとはメジャーな運動部に属する影響力が大きいコミュ強陽キャが上位を占め
陰キャオタクなどが底辺を這うのが定番ですが、この作品の舞台となっている学校ではその構造が逆。
ラノベやVライバー(現実で言うVチューバー)オタクなどがトップカーストに君臨しているのです。
まあ、だからといって陽キャが虐げられているなどということはないですし、あくまで皆が自分の趣味に熱中し
それが周囲から否定&迫害されていないというだけなので、スクールカースト感は薄いというか
厳密にはそもそもスクールカーストが存在していないだけなので、若干のタイトル詐欺感はありますが。
ラブコメ面は今のところ進展なし。

主人公はオタクな友人たちと学生生活を満喫している陰キャなオールマイティオタクである高校二年生の少年。
マウントを取りたいという気持ちはないが、人の上に立つのが好きで、何事においてもやるからには
一番でいたいと考え、そのための努力は惜しまない。実際、テストの成績では学年一位を守り続けている。
中学の頃はオタクとは無縁の典型的な陽キャだったこともあってか、コミュ力はかなり高い。
オタクとしての専門分野はソシャゲとFPSで、流行中のFPSゲームで世界ランク一位を獲得したことがある。

ヒロインは没落お嬢様、姫キャラなVライバーオタク、小動物系なラノベオタク、格ゲー愛好家な陸上娘。
一巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。

現時点(一巻)においての評価はC。
学生時代、こんなリア充になりたかった……という、羨ましさが感想としてまず最初にくる作品。
まあ、学園に所属する生徒の大半ががオタクだったらそりゃスクールカーストも何もありゃしませんわな。
皆趣味がバラバラだからオタクという枠内での格付けの必要性もないですしね。
そんなオタクたちの中に放り込まれた生粋のお嬢様な白鳥理恵が徐々に馴染んでいく姿にもホッコリします。
しかしこの作品に登場するオタクたちの熱量が凄すぎである。相対的に主人公が一番まともに見えますし。
彼は彼でかなり常軌を逸したオタクなんですけどね。他の面子のキャラが愉快すぎて…
本筋は転校生のお嬢様である白鳥理恵を無事に工業高校に馴染ませることに成功し、楽しい日々へ。