フロムエース   尼野ゆたか(富士見ファンタジア文庫)



アニメショップ勤労ラブコメストーリー。
最近増えつつある特殊労働系のお話ですね。バトル&ファンタジーな要素は一切ありません。
なので基本的には仕事描写がメインとなり、世界観そのものは狭い印象。
内容的には、アニメショップに頻繁に通っている身として、よくできてる話だなというのが正直な感想。
店員の苦労や大変さ、そして働く喜びがきちんと伝わってくるのがいいですね。
あとはラブコメ部分がどう展開していくかがポイントでしょうか。

主人公は同級生の美少女に脅されてアニメショップでバイトをすることになった少年。
両親がトレジャーハンターで、自身も幼少期から彼らに巻き込まれて世界各地を回っていた。
命の危機に直面したことも何度かあるようで、苦労だらけの人生を過ごしてきた模様。
そんな波乱万丈な人生を過ごしてきたがゆえに、普通であることに拘っている。
性格的には熱くなりやすく、直情的で調子に乗りやすいタイプ。
ただ、しっかり反省はするし、他人のために怒り、悔しがることができたりとまっすぐな人間性をしている。
過去の経験から、サバイバル能力に優れ、体力、記憶力、語学力が高く、刃物捌きを筆頭に手先も器用。

ヒロインは美少女なクラスメイト、お嬢様な幼馴染。
それと、特撮好きな同僚、腐女子な同僚、ネット用語使いの同僚、年齢不詳のロリ店長などがサブポジ。
一番のお気に入りはお嬢様で幼馴染な優等生、木津藍那。
長く美しい黒髪と、仕草に育ちの良さを感じさせる様は正に大和撫子といった風。
しかしオッドアイの瞳、グラマラスなスタイルなど、日本人離れした部分も併せ持っている。
名家のお嬢様であり、優等生で家事万能、容姿端麗とほとんど完璧超人。
普段はおっとりとして常に笑みを浮かべている印象だが、強引かつアグレッシブな一面を覗かせる事も。
主人公とは小学生からの付き合いで、彼が寝坊していると起こしに行ったり
朝ごはんや弁当を作ったりと絵に描いたような幼馴染な関係。
ただ、ライバルが急接近したツンデレ系、自身は健気な幼馴染というのが明らかに負けフラグ全開…

現時点(二巻)においての評価はB。
丁寧に段階を踏んで話を展開させているところは好印象。
やや特殊な設定の主人公が、苦労したり意外に役立ったりするのも見ていて応援したくなります。
また、ヒロインたちもそれぞれ個性豊かでこれからの人間関係がどうなっていくのか楽しみですね。
アニメショップの裏側っぽい描写も興味深く読めましたし。
まあ、いくらなんでも新人アルバイトに色々やらせすぎっていうか許しすぎだろ感はありますが。
ラブコメ要素は今のところ、メインヒロインの天賀佐希と幼馴染の木津藍那のツートップ体制の模様。
この二人のヒロイン力がかなり高いので、少ない描写でもニヤニヤできるのはいいですね。