絶対無敵の解錠士   鈴木竜一(角川スニーカー文庫)



全てを奪われ捨てられた少年冒険者の成り上がりファンタジーストーリー。
大枠としては追放からの成り上がりものですね。まあ、厳密には追放ではなく計画的殺人ですが。
無力だった主人公が絶体絶命の危機の中で思わぬ力を手に入れ、信頼できる新たな仲間と活躍の場を得て
自分を見下していた元仲間を見返していく、というカタルシス満載な逆転&成長冒険譚になっています。
まあ、上昇を始めてからはトントン拍子に話が進みすぎで物語としての厚みに欠ける感はありますが。
というか主人公の運が良すぎる。爽快感は申し分ないですし、サクサク読める軽さはいいんですけどね。
ラブコメ面は意図せぬところで現相棒と幼馴染に挟まれた修羅場が迫ってきているようで…?

主人公はパーティ仲間にモンスターの囮に使われ、モンスターから逃げるために崖から飛び降り
薄れゆく意識の中で王宮解錠士クラスの女神の鍵を手に入れ「解錠士」の力に目覚めた新米冒険者。
正義感が強く困っている人は放っておけない性格だが、女子に対しては鈍感な一面を見せる。

ヒロインは格闘家な強気娘、回復士な幼馴染。
一巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。

現時点(一巻)においての評価はC。
主人公の持つ「解錠」スキルが便利すぎるがゆえに元仲間のアホさが際立ってしまう作品。
ゲットしたレアアイテムであっという間にパワーアップとか、努力が馬鹿らしくなるレベルである。
いやまあお宝ゲットの邪魔をするものを解除するのが解錠の本分なんだから仕方ないのですが。
キャラに関しては、新米冒険者らしく純粋で一生懸命な主人公が好感度高め。
ヒロインたちも行動力に溢れ、それぞれの存在感と魅力を見せてくれるのがグッド。
本筋はSランクパーティー「霧の旅団」に拾われたことで躍進を果たした主人公ですが、さて。