わたし、二番目の彼女でいいから。   西条陽(電撃文庫)



もう取り返しがつかない、100%危険で、不純で、不健全な、こじれた恋の物語。
大枠としては学園ラブコメですね。特徴としては、主人公とメインヒロインである早坂あかねが
お互い二番目に好きな人同士で付き合っているという点。ハーレムものや偽装恋人や偽装婚約といった
特殊な例を除けば、ラブコメというジャンルにおける共通点とは、男女ともに一番好きな人だけと結ばれようとし
作中、様々な過程を経て想いを伝えあって結ばれる展開になるという部分なわけですが。
この作品の場合は主役二人が妥協した恋愛をしているというラブコメらしからぬ不純さが目を惹きます。
しかも、恋人関係にありながらも一番好きな人を優先していいというルールまであるという…
これで拗れた人間関係、目も当てられないな泥沼展開になるなというほうが無理がありますよねw
ラブコメ面は新たな恋人へ別れを告げた主人公。そして最後の選択へ。

主人公は一番好きな人がいるにもかかわらず、二番目に好きな人と付き合っている少年。
真面目で理屈っぽく、細かいことを気にする性格だが、陰キャというわけではなく結構ノリが良い。
また、困っている人がいれば己の身を顧みず助けに動くことができる勇気と優しさの持ち主。
ひょろひょろメガネボーイな見た目に違わず、学力は高いが運動音痴。
困った事態に直面すると、理屈をこねて逃げようとする癖がある。

ヒロインは控えめな二番目、マイペースな一番目、天真爛漫なバレー娘、クールな九州娘
一番のお気に入りは二番目に好きな男子である主人公と恋人関係にある級友、早坂あかね。
髪は肩まで、背は低め、あどけない顔立ちに反した大人っぽい身体が目を惹く美少女。
真面目で清純、人当たりがよく控え目でシャイな性格で、その親しみやすさから皆に好かれ
男子からはよく告白をされているが、内心では周囲のイメージに窮屈さを感じている。
また、気弱であるにも関わらず、全部自分で抱え込み、無理をしたがる強情な面も。
色恋には基本的にシャイだが、わるい子スイッチが入ると大胆かつ積極的に。そして重い。

現時点(七巻)においての評価はD。
タイトルからして真っ当な青春ラブコメには期待できず、実際爽やかさなど欠片もありません。
そもそも主要キャラの性癖が歪んでいるというか、主人公は寝取られ(付き合ってなくても)属性ですし
あかねは恋心が迷走してヤンデレ気味、橘さん(主人公の好きな人)は天然(?)悪女という。
もうどいつもこいつも歪みすぎていて怖い。皆まだ高校生なのに拗らせすぎじゃなかろうか…
大学生編から登場する新ヒロイン二人も大概ですし、既存組も皆未練タラタラという地獄。
ラブコメのお約束である「すれ違い」がほぼ存在していないのに、拗れ具合は手遅れという不思議!
本筋は今カノである遠野に別れを告げ、高校時代の思い出に決着をつけることに。