『ずっと友達でいてね』と言っていた女友達が友達じゃなくなるまで
岩柄イズカ(GA文庫)
内気な白髪美少女と織りなす、甘くてもどかしい青春ラブコメディストーリー。
大枠としては選択の余地なくたった一人のヒロインが確定しているタイプのラブコメものですね。
この作品のヒロインは距離感の近さが特徴ですが、このタイプは「男だと思ってたら女だった」か
もしくは「昔から性差を意識せずに友達付き合いしていた」というのがお約束であり
当作品の場合は前者に該当するわけですが、ヒロインとは本編開始まではゲーム内だけでの付き合いであり
直接対面したことがなかった、という点が主人公にとって強い落差となっている模様。
そもそも、ヒロイン側は男感覚で接してくるわけではないですからね。そりゃ威力抜群ですわなw
ラストは「ずっと友達でいてね」と言っていた女友達・上城ゆいが恋人になってハッピーエンド。
主人公はオンラインゲームでの相棒「シュヴァルツ」のことを男だと思っており、彼が近くに住んでいて
年齢も近いということでリアルで対面してみたら、実は女の子だったことが判明した少年。
お節介で面倒見の良い性格で、年齢の割にしっかりしているも、色恋に関しては思春期の男子相応。
今でこそ家族とは仲が良く、少ないながらも親しい友人がいるが、中学二年生の時にシュヴァルツと
出会うまでは周りに壁を作ってほとんど人と喋らないぼっちで、家族ともギクシャクしていた。
好みのタイプは巨乳なお姉さん(中学生の時に義姉と出会ったのが原因)
ヒロインは人見知りな相棒。サブに押しの強い義姉。
一番のお気に入りは同じ高校に入学することを期に、主人公と直接会うことにした白髪な相棒、上城ゆい。
小柄な背丈、華奢な身体、控え目な胸、小動物のような愛らしさを感じさせるあどけない顔立ち。
染み一つない白い肌、薄紅色の瞳、そして雪のような白の長髪が特徴的なアニメ声の美少女。
大人しく内気で引っ込み思案な性格で口下手。また、生まれつきの白い髪がコンプレックス。
小学生の頃、見た目の特異さからいじめられていたせいで、自己肯定感が低く、コミュ障で対人恐怖症気味。
学校にあまり行っていなかったがゆえに友達付き合いがなかったため、自分が女子という自覚が薄く
距離感の取り方が不得手で、異性に対してスキンシップも平気だったりと無防備なところも。
身体の弱さゆえに迷惑をかけてきた父母のためにと覚えたことから、家事能力が高い。
評価はD。
主人公とヒロインであるゆいの初々しいやり取りがたまらなく尊く、ニヤニヤが止まらない作品。
ゆいを女性として意識してドキドキしまくりだけど、彼女を裏切るわけにはいかないと下心を我慢しつつも
彼女の全てを受け入れ、寄り添い支えていく形で接していく主人公の誠実な人間性は好感を抱けましたし
そんな彼に心を開いて無垢に懐き、自身を変えていく中で恋心を自覚するゆいの可愛らしさも文句なし。
本筋は特に波乱もなく、予定調和といって良いほどの順調さでカップル成立して終了。
三巻も引っ張るほどの話ではなかったというのが正直なところですが、ここは野暮なことは言わずに
どこからどう見ても幸せにしかなれなさそうな二人の前途を祝福するのが吉。