ただ制服を着てるだけ 神田暁一郎(GA文庫)
ニセモノJK×ワケアリ社畜。いびつな二人が紡ぐ、心温まるラブストーリー。
大枠としては同居+年の差ラブコメものですね。この手の話は何らかの問題を抱えたヒロインを
主人公が自分の家に迎え入れて同居、というのが基本の構図で、この作品も例に漏れていませんが
特徴的なのは同居相手となるメインヒロインの藤村明莉が制服を着ているにもかかわらずJKではないこと。
じゃあなんで制服を着ているんだというと、彼女は風俗(JKリフレ)で働いているからなわけで。
直接の性的なサービスはやってないとはいえ、風俗勤務のメインヒロインとは中々に挑戦的な作品である。
ラブコメ面はメインヒロインの明莉と同居中、彼女からの好意もありと据え膳状態ですが、さて。
主人公は若手のエース管理職(店長)としてコンビニで働く社畜の青年。
トラブルに巻き込まれた藤村明莉を助けたことが切欠で、彼女となし崩し的に同居することに。
身持ちが堅く、クールとまではいかずとも、基本的に落ち着いた性格。失敗を糾弾しない寛大な姿勢や
プライベートな相談事にも時間を割いて付き合う面倒見の良さから、従業員たちからは信頼されているが
そういった部分が過去に対する負い目から生まれているものに過ぎないと自覚している。
ヒロインはニセモノJK、フリーターギャル、腐女子なサブリーダー。
一番のお気に入りは主人公の職場の深夜帯の責任者にしてサブリーダー、杉浦琴子。
フレームレスの眼鏡が特徴の、二十代半ばの巨乳美人。
クールで責任感が強く真面目な性格で、仕事のスキルも高く、仕事仲間からの信頼も篤い。
反面、コミュニケーション能力に少々難ありという弱点を持っており、裏では「鬼軍曹」と呼ばれている。
ただ、サシで話して見ると案外ノリのよいところも。また、腐女子のケがあり、暴走することもしばしば。
現時点(二巻)においての評価はC。
風俗を筆頭に、社会の闇的な部分に加え、人間の弱さや汚さ、生々しさが結構しっかりと描かれており
コミカルな要素は薄めと、良くも悪くもラノベらしくない作品といった印象が強いかと。
なのでハッキリ言ってしまえばかなり読み手を選ぶと思われますが、個人的にはアリ寄りだという感想。
キャラに関しては、何故主人公(社会人系お約束の社畜)は明莉に手を出さないのか。
その理由である、抱え続けている過去がクッソ重かったりと一筋縄でいかないのが印象深いですね。
ヒロイン側はやはりメインヒロインである藤村明莉の「風俗で働く合法JK」というインパクトが凄いの一言。
本筋はトラブルの後、明莉が社会復帰の一歩として昼仕事(主人公のコンビニ)をスタート。