また殺されてしまったのですね、探偵様 てにをは(MF文庫J)
文字通り命がけで数々の難事件を解決していく半人前の高校生探偵の、極上の本格ミステリー。
大枠としては探偵である主人公が事件を解決していくミステリーものになりますが、一風変わっているのは
主人公自身が被害者になるという点。容疑者として疑われる、というパターンは珍しくはないですが
犯人によって実際に殺害されてしまうというのはいくらなんでもぶっ飛びすぎである。
いやまあ、殺されて生き返るという特殊体質があるから話の進行自体には問題ない、というか
その特殊体質こそがこの作品の謎解きにおける肝となる要素になっているんですけどね。
確かに被害者本人でしか知りえない情報とか有益すぎ。犯人側からすれば理不尽極まりないですけども。
ラブコメ面は今のところ進展なし。というか現状で登場している女性陣全員の背景が後ろ暗すぎである。
主人公は伝説の名探偵である追月断也の息子にして半人前の高校生探偵。
殺されても生き返るという特殊体質を持っており、その異能ゆえに誰よりも死を身近に実感しているため
いつも自分の死を恐れ、ネガティブな想定を考えがちで野心や功名心というものをまるで持っていない。
輝かしい父親の名声とは裏腹に、探偵としてのスタンスは無理せず無茶せず地道に。
咄嗟の機転や度胸は人並み以上だが、普段はポカをしてしまうことも珍しくはなかったりする。
ヒロインはクールな助手。サブに人懐っこい新人女優、大富豪怪盗、夢見し機械など。
一番のお気に入りは追月探偵事務所に身を寄せ、依頼について回る主人公の助手、リリテア。
プラチナホワイトの髪、ガラス玉のように透き通った瞳、細い腰に似つかわしくない発育の豊かな胸。
そして、身に纏った黒を基調としたドレス風のタイトな洋服がトレードマークな美少女。
助手以外にも、主人公が殺された際には介抱(?)する役目を持っている。
クールで物怖じしない性格で、そつがなく、抜かりもない。また、想像力と洞察力に優れ、格闘能力も高い。
気高い猫のように滅多に表情を崩さないが、話題によってはわかりやすく感情を出すことも。
現時点(四巻)においての評価はC。
被害者だからこその視点からの推理、という独特の手法が興味深いミステリー作品。
ただ、主人公の特殊能力のトンデモさの時点で予測出来てはいましたが、ファンタジー色が強いというか
敵側にも規格外の力を持つキャラが出てくるため、純粋な推理小説とは言い難い印象。まあラノベですしね…
キャラに関しては、やはり死んでも生き返るという特殊体質の主人公がインパクト抜群。
とはいえ、痛みはしっかり感じるし、生き返った後の言い訳も大変だしと羨ましさは全然覚えないですね。
まあ、メインヒロインであるリリテアの膝枕は羨ましすぎるので帳尻はあっているのでしょう。
本筋は母との再会を果たすも、敵対的な探偵一族に主人公は攫われてしまい…?