神々の権能を操りし者 黒(ダッシュエックス文庫)
無能力とされた少年が、理不尽な世界に抗いながらも世界を救う物語。
大枠としては学園異能バトルものですね。能力者と呼ばれる超常の力を持つ者が現れだして百と数年。
時を同じくして出現した異形の怪物によって世界は混沌に満ちていた――という世界観なのですが
この世界、能力の強さを示す「能力数値」が社会的な地位や名誉に大きく影響するようになっており
その数値表記が「0」の主人公は当然のことながら周囲から無能力者として虐げられているわけです。
ただ、それは評価側が誤っているだけで、周囲に伏せている本当の実力は世界最強の一角レベルだった!
という、底辺からの成り上がり展開になっています。勿論ド派手な異能バトルも満載。
ラブコメ面は今のところ進展なし。
主人公は能力値「0」とされているが、実は神の権能をも操る最強の力を持つ高校一年生の少年。
面倒事を嫌い、無能として蔑まれても軽薄な態度を崩さないが、家族に手を出す者には容赦がなく
また、自分と家族が無事ならそれでいいと言いつつも、目の前で悲しんでいる人を見過ごせない。
共存できないとはいえ、殺されるために生まれたなどというのは悲しすぎるからという理由で
敵の怪物であろうと自分が対処できる範囲であるならば、全力を出させた上で倒したいと考えている。
ヒロインは生意気な妹、正義感の強い先輩、明朗快活な神童。
一番のお気に入りは両親が海外で仕事をしているため、兄(主人公)と二人暮らしをしている妹、柳蒼。
ピンクの髪を少し低い位置にして括っている、紅に輝いている瞳を持つ抜きんでた容姿の美少女。
兄に対しては生意気な態度ばかりとっているが、彼のせいで肩身の狭い一人ぼっちの中学校生活を
おくっていても、重荷にならないよう弱音を吐く素振りも見せなかったりと、かなりの兄想い。
現時点(二巻)においての評価はC。
主人公がやれやれ系なので、話が大きく動くまでは見ていてイラッとするばかりなのが難点。
背景には色々あるようですし、表舞台に立ちたくない理由はわからないでもないのですが…
ただ、これがぶっちぎりの世界最強というのならともかく、主人公レベルの実力者は複数いるようですし
昼行燈がやる時だけはやる、という心躍るシチュエーションも魅力半減なんですよね。
勿論本格的に表舞台に立ってからは格好いい活躍も増えるのですが。
本筋は特殊対策部隊に入隊した主人公ですが、受ける任務に待ち受ける敵は強敵ばかりで…?