はじめての『超』恋愛工学   ゆうびなぎ(電撃文庫)



心理学に基づいた「恋愛工学」で地雷系女子を攻略する、モテない少年の人生が変わる物語。
大枠としては恋愛に重点が置かれているタイプのリア充実指南ものといったところでしょうか。
しっかりとした論拠に基づいた科学で攻略する恋愛、すなわち「恋愛工学」が興味深いです。
理論は勿論、SNSやインフルエンサー、スマホアプリといった今風の要素を絡めているのも面白い。
読んでいて成程と納得できる部分が多いですし、リアルにも役立ちそうなのがいいですね。
ラブコメ面は今のところ進展なし。異性との交友関係は順調に広がっているようですが…

主人公は恋愛とは無縁の青春を送っていたこれといった取り柄のない高校二年生の少年。
バイト帰りに呼び止めてきた木村櫻子によって恋愛工学を使ったテクニックを叩き込まれることに。
背が小さいことがコンプレックスで、学校では背の低さをからかわれるいじられキャラ。
自分に自信こそないものの、誠実で、他者を思いやることができる心優しい性格。
また、素直であるがゆえに飲み込みが早く、日常のことにおいては論理的な思考もできる。
彼女ができたことがなく、また、男子校通いであることから異性に免疫がなく、苦手。

ヒロインは地雷系女子、朗らかな女子大生。サブに今時JKな読者モデル、インフルエンサー女子大生。
一番のお気に入りは街コンで出会ったことを切欠に親しくなった教育学部所属の大学一年生、桃山ひより。
垂れ目で猫背気味な佇まいの美人で、大人しめながらも朗らかな性格。
恋愛とは無縁な学生生活を送っていたがゆえの恋への憧れから、進学した大学のボランティアサークルの
先輩の告白を受けたが、その後実は二股されていたことを知り、すぐに別れたという過去がある。

現時点(一巻)においての評価はC。
非モテ男子が好感度マイナスからスタートした地雷系女子なヒロインを恋愛工学で攻略していく。
という物語上の目的のわかりやすさもあってスラスラと読み進めることができます。
キャラに関しては、卑屈気味だった主人公が恋愛工学によって成長していく姿が良い感じ。
ただ盲目的に恋愛工学に従うだけではなく、納得できない矛盾点にはしっかり反発する誠実さもグッド。
メインヒロインである木村藍夏は地雷系女子という触れ込みほどのヤバさはなく、むしろ少しずつ
主人公に心を開いていく様が可愛らしいです。他のヒロイン候補たちも良い個性を出しているかと。
本筋は決意を新たに恋愛工学に取り組むことになった主人公ですが、さて。