恋は双子で割り切れない   高村資本(電撃文庫)



いつまでも、ただの幼なじみじゃ居られない。初恋こじらせ系双子ラブコメストーリー。
大枠としては三角関係を主題にしたラブコメですね。ヒロイン両方が子供の頃からの幼馴染。
しかも双子という、どう考えても拗れるしかない関係性である上、中学時代では姉と交際していて
高校時代(現在)は妹と交際しているとか、これはもう何事もないほうがおかしいレベルである。
この手の作品の主人公はどうしても優柔不断になりがちですが、この状況では優柔不断も仕方ない…
タイトルを見るまでもなく、この状況で片方だけ見る! と割り切れるほうがおかしいですしね。
ラブコメ面は琉実を振り、那織に想いを告げて恋人同士になった主人公。

主人公は隣の家の神宮寺姉妹と家族同然で育った幼馴染の関係な高校一年生の少年。
学年首席で博識と頭脳面は優秀だが、運動はからっきし。読書家で、休み時間でも本を読んでいる。
分析好きで落ち着きがあり、クールな風に振る舞っているが、物事を余計に考えすぎてしまうタイプであり
また、負けず嫌いであったり、抜けているところがあったりと根は子供っぽい。
サブカルオタクらしく語りたがりであり、趣味が似ている那織とはいつもオタク話に花を咲かせている。
色恋には誠実であろうとしているが、基本的に流されやすい気質で、女心にも疎い。

ヒロインはスポーツ少女な双子姉、理屈屋な双子妹。
一番のお気に入りは神宮寺家の双子の妹であり、主人公の趣味友達にして今カノ、神宮司那織。
ツインテールと左の目元にある黒子が特徴的な巨乳(九十二のE〜Fカップ)美少女。
気が強く筋金入りの皮肉屋&理屈屋でひねくれもの、自信過剰で図太い性格。頭の回転が速い。
典型的なインドア派で、人混みを嫌い土日は家に引きこもるタイプ。
主人公以上の読書家だが、読書に限らず映画やアニメなどといったものすべてが大好き。
色恋に関しては、下ネタを平気な顔で打ち返せる強メンタルだが、羞恥心や恋する乙女な部分もあるにはある。
主人公のことが好きだったが、趣味友達としての安心感に浸っているうちに姉に先を越された経験持ち。

現時点(六巻)においての評価はC。
三角関係ものではありますが、字面から想像してしまうほどの不穏さやドロドロ感はないですね。
これはヒロインの片割れである双子の妹、那織の性格破綻っぷりが要因になっているのは間違いないかと。
主人公と双子姉の琉実は高校生らしい青春思考なのに、この娘だけ世界観が違うようなものからなぁ…
あと、主人公の視点だけではなく、姉妹の視点もほぼ均等にあるためそれぞれの心情を理解しやすいです。
三者三様の考え方があるがゆえのすれ違いや心情のギャップが面白い。
ただ、作中ではサブカルネタがかなり多いのでそのあたりの知識がないと十全には楽しめないかも。
本筋は三角関係に決着をつけたことでギクシャクするも、なんとか元の三人に戻った幼馴染たちですが、さて。