伝説の魔導王、千年後の世界で新入生になる 空埜一樹(HJ文庫)
千年経っても常識はずれな魔導王による学園転生ファンタジーストーリー。
大枠としては転生ものですね。転生先は同世界の千年後なわけですが、主人公が得意とする力が
その世界では衰退している。しかしそんな状況など知ったことかとばかりに常識外れな力で他者を圧倒!
というお約束な主人公無双展開が楽しめます。独特なのは衰退したのが「支援魔法」であるという点。
地味でサポート専門、というイメージの強い支援魔法を駆使し無双する様は中々に新鮮で面白いです。
まあ、見下してくる学生との決闘をはじめとして、内容自体はテンプレ感が濃いのですが。
ラブコメ面は今のところ進展なし。フラグが立っているヒロインは複数人かいるようですが…
主人公は最低の魔力量ながら最強の魔導王とまで呼ばれ、しかしそれでも尚届かぬ魔法の頂を
目指すため転生を決意し、千年後の世界に転生を果たした生粋の魔法馬鹿である魔導士。
超のつく魔法馬鹿で、魔法の究極を目指すことに比べれば地位や名誉や金など塵芥にも劣ると考えている。
また、自分の欲求に素直な性格で、基本誰が相手でも尊敬を抱けなければ不遜な態度を崩さない。
魔法以外のことにはだらしなく、身だしなみも適当にしていることが多い。色恋にも鈍感。
ヒロインは穏やかな同級生、勝気な先輩、元気印な同級生、副学園長な弟子。
一番のお気に入りは絡まれていたところを主人公に助けられた支援魔法科生徒、チェスカ=シャイネティ。
肩ほどまで伸ばした薄茶色の髪、切れ長の目、犬を思わせる耳と尻尾が特徴的な巨乳亜人美少女。
社交的で礼儀正しく素直な性格で、誰にでも畏まった喋り方をする。
現時点(一巻)においての評価はC。
常に主人公が上から目線系なキャラを崩しませんが、過去に最強の魔導王と呼ばれていた上
学園長をやっていた経験もあるので相手が生徒なら自然ではありますし、違和感&不快感は薄め。
若返っている以上、少しは郷に従うべきだとは思いますが、力があればOKっぽい世界観ですしね…
ただ、この言及が無粋なのは百も承知なのですが、彼は学生をやる必要あったのだろうか。
目的は魔法の探求なのに、強くてニューゲーム状態で未熟な若者たちと切磋琢磨しても捗らないのでは?
実際、学ぶどころか教導やってますし。いやまあ衰退を読めなかった以上は仕方ないのでしょうが。
そもそも、学園が舞台じゃないと年齢相応の可愛さを見せる同年代のヒロインを出せませんしね。
本筋は支援魔法の復権を果たすべく奔走する主人公ですが、学園側も不穏な動きを見せ…?