新妹魔王の契約者   上栖綴人(角川スニーカー文庫)



魔王な妹と勇者な兄の繰り広げる、エロ成分多目なバトルアクションストーリー。
いや本当にエロ系の描写が多いです。ラッキースケベ&お色気ハプニングとかそんなレベルじゃない。
全年齢のラノベで出していいのかって感じの、性欲全開の生々しい描写が頻繁に登場します。
内容はタイトル通り、魔王の力を持つ妹と契約した主人公がヒロインたちを護るために戦う話ですね。
敵味方の対立構造が簡単でわかりやすいため、話の流れを掴みやすいのがいいですね。
ラストは世界の命運を賭けたラスボスとの戦いに勝利し、そして彼らは再び日常へエンド。
ラブコメ的には八人のヒロインと主従誓約を交わし、結婚式をあげて家族(性奴隷)になって終了。

主人公は一般人として暮らしていたが、新しく出来た妹のために立ち上がった元勇者の一族の少年。
幼少期から一族の中でも飛びぬけた才能を見せていて、将来を期待されていたのだが
過去に技を暴走させてしまい、友人を消し去ってしまったため、それが心の傷になっている。
人格的には非常に頑固であり、一度受け入れた者を見捨てるような真似は絶対にしない。
ただ、それが行き過ぎて、大事な人に害を与えるものに対してはどこまでも冷酷になってしまうという一面も。
基本的には自制心が強く初心だが、スイッチが入るとエロ魔人と化す。

ヒロインは魔王の娘な義妹、怪力サキュバス、勇者な幼馴染、勝気な妹分、美人養護教諭、献身的な魔族娘。
眼鏡っ子なヴァンパイアハーフ、審問官な幼馴染。サブに生真面目な先輩なども。
一番のお気に入りはクラスメイトで勇者で幼馴染な少女、野中柚希。
主人公と同じく勇者の一族の人間であり、幼少期から彼に好意を抱いていた。
学内では、主人公の義妹である成瀬澪に並ぶ人気の美少女で、他の男子からは柚希姫と呼ばれている。
しかし当の本人は我関せずとばかりに、常に無表情&クールで口数も少ない。
が、命の恩人であり、幼馴染として親しかった主人公だけは別で、笑顔を見せたり大胆な行動をとることも。
料理が上手かったり、感情が高ぶると訛りが出たりと意外な萌えポイント持ち。

評価はC。
掛け合いや人間関係がエロ方面に偏りすぎではあるものの、味方側のキャラに嫌味がないのがよかったです。
主人公が頭が回るタイプのキャラなので、無駄な行動が少なく話の進行上でイラつくこともなかったですし。
序盤は少し青臭さが目立ち、勢い任せで大言壮語が過ぎるところが少々マイナス点でしたが。
エロ方面は一巻からずっとアウト確実な描写が盛りだくさんでしたが、十巻で遂に本番行為が解禁。
もう完全に官能小説と評して差し支えない状態でしたが、ちゃんと最後までストーリーに絡んでいるのが凄かった。
本筋は全ての問題が円満に解決したというわけではないものの、新妹魔王の契約者という物語としては
綺麗な着地になっていた印象。今までの敵たちが駆け付けてきての最終決戦の盛り上がりも申し分なかったですし。